我流で極めた筆ペン技術は唯一無二!村上ショージの「竹紙」墨絵展が総本山 誓願寺でスタート
今年で2回目となる「京都国際映画祭2015」は、「京都は、変や乱が好き♡」をキャッチコピーにさまざまな映画作品やアート作品を上映・展示し、京都から全世界に発信すべく、10月15日(木)に開幕します。そのアート企画のひとつとして、10月13日(火)〜18日(日)、総本山 誓願寺にて「村上ショージの『竹紙』墨絵展」を開催。初日となる13日(火)には同寺にて記者会見が行われ、ギャグを封印して作品を描き切ったショージと、同映画祭のアートプランナーであるおかけんたが出席、見どころや制作秘話などを語りました。
197cm×95cmという大作をはじめ全9作品が展示されたコーナーで、けんたから「どうですか?」ときかれ「答えるの恥ずかしいわ」と照れくさそうなショージ。あまりの大きさに「構図が思いつかず、途中でやめようと思った」とのことですが、直木賞作家の故・水上勉氏が京都で復興させた「竹紙」に、ショージが我流で編み出したという筆ペンを使った墨絵で描かれた風景は、京都にぴったりの風情を感じさせるものばかり。2月にけんたからオファーを受け、7月に竹紙の工房を見学した際、「これほど大きな紙を作ってくれると思わなかった。だから『大きな紙ができたら描く』って言ったのに...」と秘話(?)も。実際に紙が出来上がり、筒に入って手元に届いた時は、「開けるのが怖くて1週間放ったらかしにしていた。開けて広げて腰が抜けました」。何とか9月から制作をスタート、かかった日数は20日以上、使用した筆ペンはなんと約50本におよび、「最初の20本は領収証をもらってんけど、あとの30本は自腹(笑)。けんたや担当スタッフの顔が浮かんできて、『描かへんかったら怒られるやろうな』と思いつつ描きました」。京都らしい風景を描こうと思い立ったものの、参考にしたのは「どこで撮ったかわからんお寺の写真とか」と、どこまでもショージ節を炸裂させ、けんたを困惑させていました。
絵の中に必ず描かれている赤い丸は、「月なのか太陽なのか、どちらかは見た人の気持ちの中で感じ取ってもらいたい」とも。今回は「竹紙」ということで、ふんだんに竹も描き込みました。小さな作品には、ふと思いついた言葉も一緒に綴られており、移動中に書きためたという「言葉ノート」も合わせて展示されています。
ショージが墨絵を始めたのは6年前、知り合いの店の壁のシミから発想を得てそこに風景を描いたのが最初だそう。一度は墨絵の先生について学ぼうと試みましたが、その自由過ぎるスタイルに「我流でやってください」と匙を投げられたというエピソードを披露し、「墨をするのが邪魔くさいので筆ペンで描くようになりました」。よしもと衹園花月の楽屋にも作品があり、それをけんたが目にしたことが、今回の企画のきっかけに。「いくらもらえるのかスタッフに聞いたら、仏さんのような顔で無言になった」と笑わせたショージは、「これは誓願寺さんに描いたものですから」と言いつつ、「欲しいという人がいたらどうします?」ときかれると「また考えましょうよ」と下心もチラリ!? 明石家さんまに(開催を)伝えたのかとの質問には、「そんなんやってる場合じゃない、絵を描くよりネタを書けと言われるので報告はしてません。まわりにも言うなよと言ってます(笑)」と答えていました。
なお、同寺では「又吉直樹×『文学』の世界」も同日開幕。芥川賞受賞作『火花』の表紙を飾った西川美穂さんによる『イマスカ』や、『新・四字熟語』で又吉が考案した奇想天外な四字熟語を書道家・田中象雨さんが描いた書などが展示され、その独特な世界観が体感できます。10月17日(土)17:00〜は又吉によるトークショーも! ぜひ会期中に、合わせてお楽しみください。
● イベント情報
村上ショージの「竹紙」墨絵展
日時:10月13日(火)〜18日(日) 10:00〜16:00
会場:総本山 誓願寺
京都国際映画祭 http://kiff.kyoto.jp
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