大喜利名人が新たに誕生!? 祇園花月でプロ棋士vs芸人の戦いが勃発!
12月22日(火)、昨年7月に行われた「吉本将棋倶楽部」に続く将棋好き芸人企画第二弾として「ぎおん将棋花月」が、祇園花月にて開催されました。
定刻19:00ちょうど。MCとして登場したのは、シャンプーハット・てつじ、ザ・プラン9のヤナギブソンの2人。そして、将棋大好き芸人として、span!のマコト、松浦真也(吉本新喜劇)、カバと爆の介・カバの3人がステージにやってきます。「祇園花月で初、お笑いファンゼロです」とギブソン。客席に詰めかけた将棋ファンからは笑いが起こります。そして、このイベントがニコニコ動画で中継されていることも発表されました。
次にゲストのプロ棋士が登場。北村桂香女流初段、香川愛生女流三段、北浜健介八段の3人がステージに現れると、客席から大きな拍手が起こります。なんと北浜八段は2日後に大事な対局があるとのこと。ざわめきと笑いに包まれる客席に、北浜八段は「大丈夫です」と力強く話します。立命館大学に通っている香川三段は「今日はいっしょに楽しみたいです」とコメント。前回も登場してくれた北村初段は京都出身だけに「知っている方もたくさん来られているんです」と笑顔です。
一局目は「因縁の対決」として、ヤナギブソンと松浦真也の芸人同士の戦い。ステージにひかれた赤い毛氈の上には紫の座布団。そこに向い合って座る二人ですが、松浦はギターを抱えたままです。対局のルールが説明されたあと、太鼓が鳴り、戦いが始まりました。真剣な面持ちで盤面に向かう二人。徐々に緊迫感のある局面へとさしかかります。「二人とも強いですよ」と北浜八段。真剣さのあまり、松浦は持っていたギターをそっと傍らに。その様子に客席からは笑いが起こります。この対局は持ち時間が10分、それを過ぎると10秒で次の一手を指さなければいけないルール。秒読みの「松浦さん、5分使われました」の声に「早いな〜!」と松浦。ギブソンも1分ずつカウントされるたびに「えっ!」と驚き、客席を沸かせませす。
白熱の戦いの途中、松浦が次の一手を考えているところで、てつじの「次の一手のコーナー!」の声が。これは、次の一手を客席とプロ棋士で4つ予想し、その中から一つを選択。指し手の考えと合っていたか確かめるというもの。まずは指し手の松浦が自分の考えを紙に書き、伏せます。続いて客席に次の一手を聞くてつじ。二つの候補が上がったあと、北浜八段、香川三段も自分の手を披露し、4つの手が出揃いました。この中から次の一手を決めるのは、客席の拍手の大きさ。北浜八段の解答に一番の拍手が起こります。そして、松浦の考えていた一手と答え合わせ。なんと松浦は北浜八段と同じ手を考えていました! 香川三段も「この一手、かなり強いのでは」と評価。4つの中で一番プロっぽい手だと話し、松浦を喜ばせます。
対局は佳境に。押され気味のギブソンへのアドバイスを求められた北村八段は「王様を大切にしましょう」というアドバイス。客席から笑いが起こります。いよいよ二人とも持ち時間10分を使い切り、10秒で一手指さなければならないことに。劣勢のギブソンは秒読みのカウントダウンに「こわッ!こわいこわい!」と大慌て。しかし、ここでなんとギブソンが王手をかけ、松浦が見逃すというハプニング! これで終わるのはあまりにも...ということで、松浦には1秒将棋というペナルティが課せられます。慌てふためく松浦。しかしギブソンも釣られてしまい、お互いがパニックに。これにはプロ棋士と芸人、客席も含めて、大爆笑です。結局、最終的な勝者は終始押し気味だった松浦。大きな拍手が二人に送られました。
続いての対局は北村初段vs芸人チーム。ここで藤崎マーケットの2人が駆けつけます。トキの棋力は「限りなく三段に近い一級」。田崎は将棋を一回もやったことがないと話します。芸人チームは、登場したばかりのトキを中心にマコト、カバの3人。この対局では芸人チームの持ち時間が3、6、9分経った時点で大喜利チャンスが到来。北村初段、芸人チームの面白かった方に助っ人の棋神が舞い降り、三手指すというルールが適用されます。
最初の大喜利チャンスは北村初段が勝利。二回目は劣勢だった芸人チームがなんとか勝ちを拾い、棋神として北浜八段が降臨します。局面を一気に挽回する見事な手に、トキは「(北浜八段の)三手で景色が変わった!」と感嘆。勝負は一気にわからなくなりました。そして、最後の大喜利チャンス。結果は北村初段の勝利でしたが、最後に登場した棋神は...なんと田崎。「初めて将棋します!」という田崎に大きな拍手が起こります。駒に触ったこともないという田崎は、自由に動かしていいと言われ、うれしそう。が、とんでもない駒の動かし方に客席から爆笑が。なんとか一手指しましたが、北村初段の持ち時間をほぼ使いきってしまいます。
この田崎降臨をきっかけに、芸人チームが追い込んでいくまさかの展開に。そして、最終的には芸人チームが勝利を収めるという波乱の幕切れとなりました。しかし、この対局で何より目を引いたのは、北村初段の大喜利のおもしろさ。香川三段が「後輩(北浜初段)の意外過ぎる才能にびっくり!」と驚けば、芸人チームからも「将棋が強くて大喜利も強いってなんなんですか!」とブーイングが起こるほどでした。
いよいよメインの対局です。棋士チームは大ボスが登場。会場が暗転、ステージにせり上がってきたのはピンクのスーツの神吉七段! 対局を見ていて「目が腐った」といきなり強烈なひとことです。対する芸人チームのリーダーてつじは、神吉七段との以前の対局で「ボロボロにやられた」とのこと。神吉七段の「強いって聞いていましたが、私にしたらおもちゃですな」という言葉に「みんなの前でボコボコにしますから!」とてつじ。対局前からヒートアップしています。
太鼓が鳴り、戦いがスタート。「二枚落ちの定石は頭に入っている」とてつじ。神吉七段は、てつじのコメントを使ってうまく切り返してウケる、リップクリームを塗る、挑発的なコメントを連発する、などやりたい放題です。しかし「てつじさんも惑わされていない、名局の予感がします」と解説の香川三段が話すように緊迫した勝負が進行。客席も真剣に二人の戦いに見入っています。が、時間が経つに連れ、てつじは徐々に劣勢に。「アカン! なんでこうなったんや!」と叫びますが、後の祭り。結果は神吉七段の快勝です。がっくりとうなだれるてつじ。いつでもリベンジを、という神吉七段の言葉に大きな拍手が起こります。
イベントもいよいよラスト。「(てつじは)くやしがりだから強くなる。芸能界で一番になる可能性もある」と神吉七段。「いつでもかかってきてください」と余裕の表情で話しました。「めちゃくちゃ楽しくて二時間があっという間でした」と北浜八段。香川三段は「また大喜利が見たいです」、北村初段は「また、ぜひよろしくお願いします」とコメントしました。
最後にプロ棋士のサイン色紙などのプレゼントコーナーもあり、イベントは終了。ステージからの「楽しんでいただけましたか?」という問いかけに、客席からは大きな拍手が。「またリベンジしますから、応援しにきてください!」というてつじの声に、会場はより一層大きな拍手に包まれていました。将棋初心者にもわかりやすく、笑いもたっぷりだったこのイベント。次回の開催にも期待が高まります!
【てつじ(シャンプーハット)】【ヤナギブソン(ザ・プラン9)】【マコト(span!)】【藤崎マーケット】【カバ(カバと爆の介)】【松浦真也】