よしもとニュースセンター

沖縄の方言や文化、風習、歴史を吉本新喜劇とミックスした、笑って学べる新エンタテインメントショー・おきなわ新喜劇。芸人ガレッジセールのゴリがプロデュースした当演劇は今回で第二回目の全国ツアーを迎え、本日が最終日ということもあり開場は満員御礼。沖縄からやってきた本場のエイサーや空手の演武、芸人のキンニクキンギョの漫才が披露された一部と、おきなわ新喜劇を上演した二部で構成された公演が催されました。

第一部は大正琉球会によるエイサーでスタートしました。奇抜な化粧を施し指笛で音頭をとるサナジャーに合わせて、太鼓を抱えた舞手が一糸乱れぬ舞を披露すると、会場は一気に沖縄のムード一色に。

続いて強柔流国際カラテ古武道連盟強柔館名嘉道場による空手の演武が披露されました。子供たちの愛らしくもキレのある型に会場から温かい拍手が惜しみなく送られ、大人が演じる勇壮な型には驚きと感嘆の声が上がっていました。

一部の最終は川端と沖縄県出身の富田が組んだ・キンニクキンギョが沖縄ネタで会場を盛り上げました。

続いて第二部はおきなわ新喜劇が上演されました。沖縄発祥の空手の道場を営む川田4人兄弟を中心に展開するドタバタコメディーで、長男をガレッジセールの川田が、アクション集団・チョンダラーズのうち次男を翁長大輔が、三男をスリムクラブの真栄田賢が、そして四男はチョンダラーズ比嘉健雄が演じました。

舞台ではデパート建設のために道場が立ち退きを迫られる中、四男の健雄がヤクザの金銭トラブルに巻き込まれたり、次男・大輔が血の繋がらない兄弟という衝撃の事実が暴露されます。しかし立ちはだかるどんな困難も兄弟で乗り越え、最後は深い絆で結ばれるというストーリー。

物語の途中では、スタントもこなすパフォーマンス集団・チョンダラーズが大迫力のアクションを繰り広げ、沖縄で絶大な人気を誇るエンタテインメントユニット・きいやま商店は新曲「空と天ぷらと海のにおい」を披露。さらには前回公演でも登場した女子ボクシングの世界チャンピオン・池原シーサー久美子も舞台に現れ、自慢のストレートを真栄田にお見舞いすると、真栄田はたまらず悶絶して転倒！　思わず口から出た「ええよ～」に会場がどっと湧く場面もありました。



また、きいやま商店は歌だけでなく持ちネタを物語に織り交ぜながら、ゲストとは思えないほど芸人顔負けの笑いを誘って会場を大いに沸かせていました。

そんな中で座長のゴリや真栄田は事あるごとに茶々を入れて笑いを誘い、緩急のきいた舞台を演出。笑いあり、アクションあり、音楽あり、シリアスなシーンありと盛りだくさんな内容で、最後まで目が話せない舞台となりました。

キャストが再登場した公演後は、今回が舞台の最終日ということもあってか「みんな自由だったね」と座長のゴリが感想を述べると「（スリムクラブの）内間が一番（すごかった）」とメンバーの間から次々に声が上がりました。というのも、実は内間がセットの扉の取っ手を外してしまったために舞台上が大騒ぎになったり、言い間違えたセリフをごまかそうとしてメンバーの失笑を買うなどハプニングが続出したためでした。

しかしそんなアクシデントも笑いのうち、他のメンバーがうまくフォローをして、さらなる笑いを巻き起こした舞台。"生"の時間だったからこそ出会えた思いがけないアドリブありの演技に、観客も終始満足した様子でした。