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2011年3月 5日 (土)

「三枝まつり」は全編“歌”尽くし!?

桂三枝が、今年も3月4日(さんしの日)に、年に1度の落語バラエティショー「三枝まつりinなんばグランド花月」を開催しました。
開演に先立ち行われた記者会見では、三枝は着ぐるみの“三枝くん”と共に登場。
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この公演を皮切りに、「祝 桂三枝芸能生活45周年」がスタートすることを発表しました。
NGKでは「3・4月は三枝キャンペーン」と銘打ち、まず三枝が出演する3月22日(火)~27日(日)を「桂三枝45周年WEEK!」として、ご来場いただいたお客様全員に千社札をプレゼント。
また劇場ロビー内には、師匠・桂文枝に入門してからの芸能生活45年史を綴ったパネルを設置します。
そして、劇場正面入口で桂三枝の着ぐるみ“三枝くん”が、お客様をお出迎え。さらに4月には特別公演も予定するなど、まさに3~4月はNGKが三枝一色となります。 
三枝は45周年を振り返り、
「自分でも、本当にようやるなと思います。凄い情熱が自分の中で沸いてくるし、前より元気になってるのと違うかな。今回は“三枝くん”も作ってもらったので、1日は私もこの中に入ってお出迎えしようかなと(笑)」。
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また、この度は「第62回NHK放送文化賞」も受賞。
「45年間、放送にかかわってきて、大きな賞をもらえて光栄です。また、若い人の励みになるよう頑張っていきたいと思います」
と喜びを語りました。

さらに、これまで220作を越える創作落語を世に送り出してきた三枝が、新作を収めた最新版のCD&DVDDを3ヵ月連続で発売することも決定! 

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(これは自らの集大成として挑む京橋花月での定期公演「桂三枝の笑宇宙」を完全収録したものです。)
「『125撰』を65歳で出したんですが、その後もドンドン創作落語ができてきました。1つの落語を作って覚えているときに、自分の頭の中が“作る”というモードになってて、他の落語をドンドン思いつくんです。これからも、生活の中で起こる普遍的なことを、残していければなぁと。できれば50巻ぐらいまで出していきたいですね」
と、ますます意気盛んなところを見せました。

45周年を迎えてなお、気力体力ともに充実する桂三枝。「三枝まつりinなんばグランド花月」では、全て“歌”にちなんだ出し物で、多彩なエンターテイナーぶりを発揮しました。
まずは、創作落語「涙をこらえてカラオケを」。
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カラオケが大好きという寝たきりのお爺ちゃんが、歌っている途中に突然亡くなってしまいました。そこで、“カラオケ葬”をすることになり、参列者たちは思い思いの“焼香曲”を歌うのですが…。三枝は登場人物の個性を描き分けながら、昭和の歌謡曲を見事に熱唱していきます。中でも、「乾杯」の替え歌は傑作。葬式とカラオケという、意外な組み合わせが爆笑を誘いました。

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続く「NMBフォークジャンボリー」では、人気ラジオ番組「ヤングタウン」で一緒だった、ダボーズと久びさの共演。まずダボーズがメドレーを披露し、2曲目の「やあ久しぶり」で三枝を呼び込むと、三枝は当時流行していたアイビー・ファッションで登場。ところが、まだ歌ってもいないのに、いきなりペットボトルの水をゴクリ。
「この前、福山雅治さんのコンサートに行って。ミュージシャンが、コンサートの途中で水を飲むのに憧れてました(笑)」。

実は、三枝をヤンタンに抜擢した毎日放送の当時のディレクターで、歌も作ってくれたという渡辺一雄氏が昨年急逝。そのお別れ会で、アリスやチャゲ&飛鳥、つんく♂といった並み居る弔問客を差し置き、彼らだけが歌を披露したのだとか。そこで、「今度一緒にやりませんか?」と今回の共演が実現したと言います。
“フォークジャンボリー”は爆笑エピソードを合間に挟みながら、「さすらい人の子守唄」や「今はもうだれも」など、見事なハーモニーで会場を温かい雰囲気に包み込みました。さらに、渡辺氏が作ってくれた曲で、三枝自身も「得意な歌」という「たったひとつの愛」を熱唱。最後は、会場のお客さんも一緒になって「あの素晴らしい愛をもう一度」を大合唱し、NGKはフォークブーム真っ只中の1970年代にタイムスリップしたかのようでした。

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トリネタの「ハワイの夜」では、ハワイアンの出囃子に乗せウクレレを手にした三枝が登場。しかし、弾くと見せかけて、なかなか弾かない演出に、客席は大笑い。
フラダンスの大会に出場する嫁さんたちのフラチームに付いて、旦那たちもハワイにやって来ました。しかし、マネージャーや付き人代わりにこき使われた彼らは、妻が打ち上げでいない間、ホテルの一室で互いにボヤキ始め…。夫たちがこぼす、嫁さんのリアルな爆笑“あるあるネタ”には、三枝の鋭い観察眼が光ります。さらに、合間には三枝自身がウクレレの弾き語りを披露し、甘く切ない歌声で魅惑の和製ハワイアンの数々を聴かせてくれました。ウクレレの腕前もかなりのもので、その芸達者ぶりには脱帽です。
昭和歌謡に始まり、懐かしのフォークソング、そしてハワイアンと、まさに“歌”尽くしの演目が並んだ「三枝まつり」。珠玉の創作落語による笑いの力と、甘い歌声で、身も心も温まる一夜となりました。
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「三枝まつりinなんばグランド花月」プログラム
桂三歩「熱援家族」
桂三枝「涙をこらえてカラオケを」
仲入り
~NMBフォークジャンボリー~
ダボーズ
♪ダボーズメドレー ほか
笑福亭仁智「川柳は心の愛さの吹きだまり」
桂三枝「ハワイの夜」

○ダボーズ
佐々木繁二(Vo/G)
松本俊行(Vo/G・fl)
岩崎隆一郎(Vo)
荒川又美(Vo/B)
福井和郎(Vo/G)

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