20人の兄弟弟子が師匠を語らう 桂三枝・著「師匠、五代目文枝へ」が3月12日発売!
今年7月16日、自身69歳の誕生日に「六代 桂文枝」を襲名する桂三枝著「師匠、五代目文枝へ」が、五代目文枝の命日にあたる3月12日に発売されました。この日は、大阪・天満天神繁昌亭にて「五代目文枝一門会」も開催され、一門がそろって挨拶を披露することに。
桂きん枝は「文枝一門には20人の弟子がいますが、私ほど師匠に殴られ、怒られた弟子はいないと自負しております(笑)」と苦笑いを見せながらの挨拶を。また、桂文珍は「最近、師匠が夢によく出てこられるんです」と話し、師匠の声真似を披露すると客席からは大きな笑い声が。さらに「今回、書籍が発売されるということですが、師匠への思いを弟子が答えるインタビュー形式になっておりまして、その弟子の世代ごとのエピソードが読めて大変おもしろく仕上がっています」とアピール。
最後に三枝は「今日は朝から師匠のお墓参りに一門で行ってまいりました。墓石に刻まれた桂文枝という名を見て、ああ、この名前を継がせていただくんだなと改めて思いました」と感慨深い様子。また「そのお寺には大きな木があるんですが、坊枝が『あれはナギの木ですよ』と申しまして、熊野にある師匠の碑もナギの木なので、ご縁だなと思っておりましたら、実はクスノキだったんです」というエピソードを披露し、笑いを誘っていました。
その後行われた記者会見では「今回、この『師匠、五代目文枝へ』を発売するにあたり、きん枝や文珍らと話をさせてもらいましたが、それぞれから色んな師匠のエピソードを聞きまして、私も人間的にもっと大きくならないといけないなと思いました」とコメント。また「五代目文枝は、落語と弟子を残すという役目を果たしました。六代としての私は、新しいものを切りひらいていくことが役目だと感じています。師匠から教わったことをふまえて、六代 文枝として成長できればと思います。三枝という名から文枝に変わることは、皆さんもすぐには馴染めないと思いますので、4年くらいかけてじっくりと文枝の色になれれば」と話していました。その後、会場では書籍の販売、サイン会も行われ、多くのお客様にご好評いただきました。
三枝が、19人の弟弟子にインタビューを重ね、その語らいを通じて五代目文枝の功績に迫る「師匠、五代目文枝へ」は、三枝による文枝論や弟弟子へのメッセージが凝縮されています。さらに付録として、五代目文枝に関する資料も掲載。年譜やネタの一覧など、その足跡を詳細に辿れる貴重な資料がまとめられています。ぜひご一読ください。なお、蔵出し映像永久保存版DVD「落語研究会 五代目文枝 名演集」も同日リリースされました。合わせてお楽しみください。
「師匠、五代目文枝へ」
3000円 ヨシモトブックス
「落語研究会 五代目文枝 名演集」
15960円(4枚組)よしもとアール・アンド・シー
収録演目
「天神山」「立ち切れ線香」「菊江仏壇」「親子茶屋」「はてなの茶碗」「猫の忠信」「蛸芝居」「猿後家」「景清」「口入屋」「百年目」