7月16日に228作目の創作落語をネタおろし! 桂三枝が大阪での「六代 桂文枝」襲名披露パーティ会見で発表
7月2日に東京で行われた「三枝 改メ 六代 桂文枝」襲名披露パーティに続き、7月5日(木)にはリーガロイヤルホテル大阪でも同パーティが開催されました。パーティ前の記者会見に登場した三枝は「襲名することが決まってから、たくさんの先輩方からアドバイスをいただきました。昨日もまだ、これでよかったのかなと迷っていました。昨年、(立川)談志師匠には『やめとけ』と言われたことはご報告しましたが、ある方からは、文枝師匠の古典を継いでいる弟子もいるのに、その弟子たちにチャンスを与えてあげるほうがいいんじゃないのか、とも言っていただき、私もそうやなと思いました。ただ、代々の文枝にはそれぞれの役目があると。私は新しい落語で時代を切り開いていくんだという思いでここまできました」とあいさつ。また、出演するテレビ番組について「文枝の名ではコケにくいので、バラエティーは三枝の名でいこうかとも考えましたが、(三遊亭)金馬師匠から、せっかく師匠の名をいただいているのに、使い分けるのはいかがなものかと。文枝という名にふさわしい司会をしていけばいいじゃないかと言われまして、それもそうだなと。本当にいろいろと思い悩みながらきました」。
そこで、昨日、作家の藤本義一さんからいただいたという色紙を披露します。「『男は振り向くな すべては今』と書かれています。このお言葉をいただいて、もう振り向かずにがんばっていこうと吹っ切れました。三枝は文枝になってよかったなと思われるように頑張ります」と力強く語りました。
その後は、この1年のイベントなどを、写真フリップを使って振り返ります。貴乃花親方との舞台共演、写真家テリー・リチャードソンさんとの撮影秘話、橋下徹大阪市長との対面など、三枝流のユーモアを交えながら当時の思いを報告します。
その後は7月16日に演芸ジャーナリスト・やまだりよこさん著「桂三枝論」が発売されることが発表されます。これに三枝は「昭和41年にこの世界に入りましたが、それからの演芸界の動きやマスコミの動きなどの背景をすごく丁寧にお書きになられています。中でも印象的だったのが、きたやまおさむさんのお言葉で『何かを得る時には何かを失うんだ。そして人間は成長していくんだ』と。桂三枝という名は失いますが、桂文枝という名前を得て、これから大きくなっていきたいなと思っております」と思いを語りました。
質疑応答では、20年前に本日と同じホテルで「五代目 桂文枝」が襲名披露パーティを行ったことについての思いを聞かれます。「私のほうから特にここでとお願いはしておらず、たまたまです。師匠の時も本当にたくさんの方に来ていただきまして、料理が足りなくなってしまいお叱りを受けたので、そのことだけはお願いさせていただきました(笑)」。また、「先日の東京の記者会見で創作落語を228作つくられたと仰ってましたが、資料には227作とありますが」という質問には、声を改めます。「実は襲名披露公演で228作目をかけようと思っています。本当はこれまでの作品の中から選ぼうと考えていたんですが、嫁に『どうせなら創作落語をつくったら?』と言われまして。先日の『芸者ちどり・24才』のネタおろしでヘトヘトになったのですが、これから桂文枝はこういう形でやっていくんだということを皆さんに見ていただくために、228作目は7月16日の襲名披露の最初の公演で披露させていただきます」と明かしました。
最後のフォトセッションでは、藤本義一さんからの色紙と、阪神タイガース・和田豊監督からのお祝いボールを手ににっこり。7月16日以降は襲名披露公演で全国を回り、東西の落語界を盛り上げていく六代 桂文枝。今後とも応援をよろしくお願いいたします。
「桂三枝論」
7月16日(月)発売
著者/やまだりよこ
定価/1800円(税込)
ヨシモトブックス
第一章 便所場の電球 さびしがりやの夢
第二章 サニーへの一本道 深夜ラジオで輝いて
第三章 窓辺のマーガレットの如く お茶の間という晴舞台
第四章 探し求めたグッ!な落語道 「創作」が僕の世界
第五章 寄席へいらっしゃい 上方落語の未来に遺すもの
終章 不思議ななあ落語家人生 三枝のその先へ、六代文枝襲名
付録 桂三枝年譜
※創作落語50選のあらすじ・解説、全リストも掲載