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2012年7月20日 (金)

映画『ナイン・ソウルズ』追悼イベントにて、板尾が「落語家の役をやってほしかった」と故・原田芳雄さんを偲ぶ

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7月19日(木)、『ナイン・ソウルズ』をリバイバル上映している東京・ユーロスペースにて故・原田芳雄さんの追悼イベントが行われ、板尾創路と千原ジュニアが出演。豊田利晃監督を始め、松田龍平さん、鬼丸さん、渋川清彦さん、鈴木卓爾さん、マメ山田さん、市鏡赫さんという当時のメインキャスト8名が集結しました。

9年前の7月19日に公開された同作。豊田利晃監督は、「9年前にこの作品が初めて公開され、芳雄さんも7月19日に亡くなったという奇遇があります。意味はないと思うけど、こうやって8人集まっての粋な追悼会を開いてくれたリトルモアの孫さんに感謝します」と述べます。
豊田監督は原田さんと初めて会ったその日に、映画の世界へ飛び込むことになったそうですが、「最後に会ったのは、2月6日の火祭り。“芳雄さん、次は僕と映画を撮りましょう”と言ったら、“豊田、早くしないと死んじゃうぞ”と言われた。またまた……と思っていたけど……残念です。それからはチャンスがある限り、映画を撮り続けていこうと決意しました」と語りました。

「芳雄さん……すごく好きです。それだけです……」と朴訥と語る松田さんに、目で圧をかけるジュニア。そんなジュニアは「芳雄さんは落語に精通していて、撮影の合間に上方落語と江戸落語の違いを教えてくれた。なぜか“千原くんは落語をやったほうがいいよ”と言われて……。亡くなられる前、僕の出ている番組にゲストで出てもらった時に、“僕が映画を撮ったら出ていただけますか?”と言ったら、“もちろん”と言ってくださった。出演の承諾は出てるので、音声か何かで出ていただけたらと思います」と新たな決意とともに個人を偲びながらも、「……ええ感じでしたね」と照れくさそうにつぶやき、挨拶を締めました。

板尾は、原田さんとの撮影時の思い出を語ります。
「『ナイン・ソウルズ』の撮影の時、富士山の見える草原のシーンの合間にディレクターチェアに座っていて、休憩中、木刀を振っていたんです。草原って地面がデコボコしてるから、木刀を打って座った時にころんって転んだことがあって」と話し出すと、監督や出演者から一斉に笑いが。その反応に、板尾も笑顔を見せながら「でも、すぐ立ち上がって木刀を振ってたのを、僕はなんにも言えずに見てたんですけど……かわいらしい先輩やなと思いました」と飄々と話します。
すると、ジュニアから「そうは言いますけど、あの時、民家のトイレを借りようとして、あなた、窓ごとバリンと割りましたよね?」とチクリ。「そりゃあ、脱走犯9人(注:同作は9人の脱走犯の物語)が集まってるんやから……。家の人には謝りもしませんでしたよ。みんな、人相悪かったよね。誇れる社会人ではなかった」と見事に返した板尾に、会場から笑いが起こるなか、「9年ぶりに、こうやっていろんな人にスクリーンで観てもらえるとは予想してなかった。東京は明日(20日)で終わりみたいですけど、大阪、京都でも上映が決まってるみたいで。公開日みたいな気持ちでいます。ありがとうございます」と、会場へ駆けつけてくれたお客さんへ感謝の言葉を述べました。
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ここで、次の仕事のあるジュニアは退席。「またこのメンツで、豊田さんに撮ってもらったらいいんじゃないですか?」と言い残し、会場をあとにしました。

挨拶後は、お客さんとのQ&Aを交えながらトークが繰り広げられました。
MCの「9年間で皆さん、変わりましたか?」という質問に、豊田監督から「どうですか? 龍平さん!」と振られた松田さん。「9年ぶりに会った……板尾さん」と見つめられた板尾は「いや、その前に会ってるやん」と笑顔で返答。「『I'M FLASH!』で一緒にやってるんですけど、今日はすごくワクワクしてきました」と語る松田さんに、板尾が「あの頃いくつやったん?」と尋ねます。「19歳です」と応えた松田さんは、すかさず「とりあえずジュニアが怖かったんやんな?」と斬り込む板尾に、「みんな怖かったですよ」と苦笑しながら返します。

この9年間で監督デビューを果たした板尾は「おかげさまで、監督として2本撮らせてもらいました」と感謝を述べながら、「実は『月光ノ仮面』では、原田さんにオファーしてたんです」と語り始めます。当時、別作品の撮影に臨んでいたために引き受けてもらうことはできなかったそうですが、撮影が終わったことを聞きつけたタイミング、さらに自身の撮影スケジュールが押したためにもう一度と、何度もオファーを続けたそうです。「体が悪いことを知らなかったんですけど、その時に実は……って……。なんでしょうねぇ。知らなかったとはいえ、気を使わせてしまったような気はしますけど、もし僕であればオファーされ続けるほうがよかったなと思うので……。1本はぜひやりたかったですね。心残りです」と心中を語りました。

『ナイン・ソウルズ』については、「初めてしっかりと関わった映画という感じがします。映画とはこう撮って、役者はこういうふうに関わっていくんだという作品。(初監督作『板尾創路の脱獄王』も脱獄犯の話でしたが)影響はめちゃくちゃあると思います」とコメント。
お客さんからの「もし原田芳雄さんが蘇ったら、監督をされている方はどんな役をやって欲しいですか? 役者さんはどんな役で共演したいですか?」という質問には、「(『月光ノ仮面』でオファーしていた)落語家の役ですね」と返答。豊田監督は「中上健次さんの小説を、一緒に映画にしたかった」と語っていました。

イベント中、豊田監督から終始いじられていた松田さん。「俺はやっぱり……(原田さんと)ちゃんと話ができなかったので」と滔々と語り始めます。「この中で会う機会は一番多かったと思うんですけど、芳雄さんの言っている意味がわからないことが多かった。あの時のことは今になって改めて思い出してみるとわかることもあって、もう1回話したいなと思うことはあります」とコメント。言葉は少ないながらも、気持ちの伝わる発言が印象的でした。

また、本編では全員で女装するシーンがあるのですが、鈴木さんは「板尾さんと千原さんは慣れていた。板尾さんが“女装したら親戚のおばさんにそっくりや”って言ってたのが印象的です」とコメント。市さんにも「板尾さんが当時、自分の女装姿を見ながら“体柔らかそうやわぁ”って何回も言ってたのを覚えています」と言われた板尾でしたが、当の本人は覚えていないらしく、首を傾げながらも「みんな恥ずかしそうにしてたから、笑いに変えようと思うてたんかなぁ」と振り返りました。

新しい9人で『ナイン・ソウルズ』を作るべく、脚本を書き始めているという豊田監督。興味津々の板尾は「続きみたいなんなら観てみたいし、僕の役は生き残っているので(次回作にも)出られるのかなと。まぁ、全取っ替えになるならそれでもええけど、すごく楽しみに……期待しています」とエールをおくります。
松田さんも「豊田さんの作品、すごく好きです。これからも撮ってもらいたいので、皆さん、もっと観に来てください。……余計なお世話ですかね」とコメントしていました。

最後に、豊田監督は「映画俳優というのは、肉体と魂がなくなっても映画の中で生き続けます。今日も走っている原田芳雄を、皆さんは観たはずです。芳雄さんはたくさんの映画に出ているので、僕も観てない映画がたくさんあると思います。これからも映画館やDVDで会う機会はあると思いますが、その中に自分の映画があることを光栄に思います」と、原田さんへの思いを馳せていました。

『ナイン・ソウルズ』は、8月4日(土)から愛知県・伏見ミリオン座、8月25日(土)から大阪・シネ・リーブル梅田、9月15日(土)から京都・京都みなみ会館での上映が決まっています。お近くで公開の際には、ぜひ映画館まで足を運んでください!


●作品情報
ナイン・ソウルズ
監督:豊田利晃
出演:原田芳雄、松田龍平、千原浩史(千原ジュニア)、鬼丸、板尾創路、
   KEE(渋川清彦)、マメ山田、鈴木卓爾、大楽源太(市鏡赫)ほか
公式サイト:http://www.littlemore.co.jp/9souls/

●書籍情報
原田芳雄 風去来
発売日:7月19日(木)
企画・監修:原田章代
体裁:A5判・324頁・オールカラー無線綴じ
定価:本体2,800円+税 
ISBN 978-4-89198-137-2 C0074
発行元:株式会社 日之出出版
公式サイト:http://hinode.co.jp/blog/view/205.html"

●最新作情報
I'M FLASH!
監督:豊田利晃
出演:藤原竜也/水原希子、仲野茂、永山絢斗、板尾創路/松田龍平ほか
公式サイト:http://www.imflash-movie.com/


【板尾創路】【千原ジュニア】

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