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2012年9月10日 (月)

【ライブレポート】ナインティナインと99+1人の濃~い大阪芸人

昨年、行われた伝説のイベントが、吉本興業創業100周年を記念して待望の復活! ナインティナインが、「ナイナイの日」である9月9日(日)、約1年半ぶりに大阪・なんばグランド花月の舞台に立ちました。当日は、矢部が肺気胸で入院するというアクシデントのため、急きょ岡村ひとりで登場することに。迎え撃つのは大阪を象徴する濃~い芸人99+1人。トークもネタも欲張りに詰め込んだ、スペシャルな一夜となりました。

幕が上がると、舞台にはポツンと佇む矢部の等身大パネルが。遅れて岡村が現れると、客席からは大きな拍手がわき起こりました。「うちのガリガリくんが、急に胸が痛いと言い出しまして……」「イケメン病って言われてるらしいです」と、矢部の病状を説明するうち、「ピンポーン」という音が鳴り、なるみの登場です。十代のころに出会ったというふたりは、いきなり遠慮なしのガチトークに突入。先日、大阪で坂田利夫とロケをしたときのエピソードを語る岡村に、なるみが「あんた、坂田師匠の道、歩んでんねんで!?」「はよ結婚し!」と責め立てるなど、初っ端からヒートアップします。と、ここで病院にいる矢部と電話がつながっていることが判明。会話を聞いていた矢部は、開口一番「もしもしー、ガリガリくんですー」。意外に元気そうな声に安堵したふたりでしたが、かなり前から待たされていた矢部は、「前ふり長すぎますよね」とダメ出し。その後も病床からとは思えないテンポのいいやりとりが続き、最後に「来年、機会があったらぜひ行かせていただきます!」と矢部が宣言すると、大きな歓声が上がっていました。

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さあ、まずは最初のコーナー「えぶりぃ亭芸人」からスタートです。「えぶりぃ亭」とは、ダウンタウンらが卒業した後、心斎橋筋2丁目劇場で開催されていたライブのこと。MCのなるみに加え、ティーアップ、矢野・兵動、へびいちご、しましまんず、中田はじめが勢ぞろいし、思い出話に花を咲かせました。そんななか「なぜ呼ばれたのかわからない」というティーアップ・前田に、岡村は「一番最初に飲みに連れていってもらったのが、前田さんとぜんじろうさんだったんですよ」。先輩と飲むときのマナーなどを怒られながら学んだそうです。舞台上のスクリーンに、ベイブルースや、現在はザ・プラン9で活躍するなだぎ武が組んでいたスミス夫人など「えぶりぃ亭」出演芸人たちの写真が映し出されると、メンバーたちは大興奮。途中、徐々に広がる舞台と客席の温度差に不安を感じたのか、岡村が「2階席の人、楽しめてますかー?」と問いかける一幕もありました。さらに、今回のタイトルにある「+1人」として、当時の支配人だった木山幹雄が登場。岡村曰く「この人がいなければ、養成所もクビになっていた。ナイナイの生みの親のようなもの」。久しぶりの対面に感激しきりでしたが、やはり一筋縄ではいかないのがこのイベント。途中からは、またしても暴露大会の様相となり、岡村からは「ツイッターはアカンで!」とかん口令が発動されるほどでした。

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お次はジャルジャルがMCとして登場し、「5up芸人」のコーナーへ。ふたりの本拠地である5upよしもとのイチオシ芸人を知ってもらおうと、岡村に向けて一大プレゼンを敢行しました。プリマ旦那、アインシュタイン、GAG少年楽団、学天即、スマイル、かまいたち、藤崎マーケット、クロスバー直撃、天竺鼠、バイク川崎バイクの10組が、ノンストップの1分ネタで勝負! お客さんとともに大いに笑い、楽しんだ岡村。中でも「BKB」を連発するバイク川崎バイクについては、「あれはどういうこと?」と、ジャルジャルへ執拗に説明を求めて笑わせていました。

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3つめのコーナーは、たむらけんじが仕切る「パパ芸人」。まだ結婚していない岡村のために、結婚のよさ、親になる素晴らしさを学んでもらおうという内容で、月亭八光、ダイアン・津田、スーパーマラドーナ・武智、天竺鼠・瀬下、ウーマンラッシュアワー・中川パラダイス、かりんとう、グイグイ大脇、タナからイケダ・田邊の9人が出演しました。ここでは岡村からの質問に、メンバーが○×で回答することに。「結婚してよかったと思っている」には全員が迷わず○を上げたものの、理由をきくと「健康保険料が安くなる」(かりんとう・川畑)など消極的なものばかりで岡村は苦笑い。「私は亭主関白だ」に○と答えたのは八光、津田、パラダイスのみでしたが、よくよく話を聞いてみると、「勝手に携帯を機種変されていた」(八光)など、実は尻に敷かれているのでは……という可能性も否めません。「結婚後も変わらず女遊びをしている」というキワどい質問に至っては、互いの回答をめぐって議論が紛糾。果てはたむらと津田の泥仕合にまで発展し、終了を告げるチャイム音に救われる形となりました。

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入れ替わりで登場したのは、岡村とNSC大阪で同期だった吉本新喜劇座長・川畑泰史。「吉本新喜劇キャラ濃い芸人」と題し、川畑おすすめの芸人をズラリ揃えた新喜劇ダイジェスト版を上演しました。たこ焼き屋台を営む川畑を中心に、浅香あき恵、今別府直之、島田珠代、安井まさじ、安尾信乃助、レイチェルが繰り広げる空前のドタバタ劇に客席は大ウケ。「ぶつかる壁がない」とおなじみのギャグができないことを嘆く珠代のために、特別に壁が用意されるなど、至れり尽くせりの内容で楽しませました。これには袖で見ていた岡村も「新喜劇は進化してるんですね!」と大絶賛です。

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チャイムが鳴り、ふたたびジャルジャルが舞台へ。さらにピンポイントで濃い笑いを集めた「キワモノ芸人」を紹介していきます。“キワモノ”と称されるだけあり、「(袖のほうを見ると)ハダカ率が高まりましたね」と岡村は戦々恐々。インディアンス、みなみのしま、アイロンヘッド、小棲取り、中山女子短期大学、ななまがり、中張又張、アキラ、ZAZY、三浦マイルドが炸裂させる、30秒のシュールな世界にタジタジでした。

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最後はMCの兵動が登場し、大阪よしもとの楽屋ニュースをランキング形式で語り合うコーナー。再び幕が上がると、そこには99人の芸人がズラリ! 客席を驚愕&大爆笑させる秘蔵の楽屋ニュースを次々に披露しました。メッセンジャー・あいはら提供の「安田の恋のその後」では、変わり果てた(?)りあるキッズの姿に驚きを隠せない岡村。すっちーら新喜劇の座員たちは、桑原和男や井上竜夫、チャーリー浜などベテラン勢の“元気すぎる”エピソードを大放出し、岡村に「『アメトーーク!』で新喜劇芸人をやる日も近いんちゃう?」と言われていました。さらには浅越ゴエがキャッチした、美容番長・シルクの改名計画が明らかに! なんと“シルク”の名をバッファロー吾郎Aに譲りたいと考えていたこともわかり、芸人の間にもどよめきが広がります(結局、先に改名されたため断念したそうです)。

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海原ともこは、ウーマンラッシュアワー・中川パラダイスについて「ホンマに嫌い!」とまさかの告白。「顔が嫌い」「ギャグが腹立つ」といった見た目だけでなく、ある日の楽屋で起こった“事件”が明かされると、「え~!」と全員がドン引き。加えてフォローしようとした相方の村本にも、仲間であるはずの5up芸人らから苦情が殺到し、コンビ揃って四面楚歌となっていました。昨年、時間が足りず涙を飲んだ矢野・兵動 矢野による「パイセン語講座」は、今年も予想通り(?)割愛。岡村からは「来年また頼むわー」との言葉がかけられましたが、もしかすると来年も……!?

数ある楽屋ニュースを制して1位に輝いたのは、「40歳目前で今別府、童貞を捨てる」(テンダラー・浜本提供)でした。ことの発端は、なんばグランド花月での今別府単独ライブで披露された衝撃のVTR。本人が童貞を捨てに行く過程を収めたもので、まずはそれが特別に再上映されました。赤裸々すぎる内容に、「これは何なんですか?」(兵動)、「かなりの問題作ですね」(岡村)と動揺するふたりでしたが、本当の衝撃はこの後。浜本が明かした後日談に、会場も芸人も悲鳴を上げての大混乱に陥りました。と、ここでヤナギブソンが挙手。「お客さんの気持ちを僕が代弁します。誰が興味あるねん!」とおなじみのフレーズで締めくくり、カオスとなった楽屋トークは無事にフィニッシュを迎えました。

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エンディングでは、濃すぎる芸人たちの毒にあてられたのか、岡村はあいさつ文を棒読み。しかし、「また来年も9月9日にお会いしたいと思います」と約束することも忘れず、客席はひときわ大きな拍手に包まれていました。