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2012年10月 1日 (月)

【ライブレポート】KOYABU SONIC 2012 1日目

吉本新喜劇座長・小籔千豊が、自身が率いる下ネタラップユニット・ビッグポルノが『SUMMER SONIC』に出られなかったことにショックを受け、「だったら自分たちでフェスをやろう!」と立ち上げたイベント、それが『KOYABU SONIC』。「音楽とお笑いの融合」をテーマに、名だたるアーティストや東西を代表する芸人が集まり、2008年のスタート以来、今年で早くも5回目を迎えることとなりました。初の「秋フェス」となった今回は、大阪市此花区の舞洲コヤブソニック特設会場にて2日間にわたり開催。台風が日本列島に接近する9月29日(土)、いよいよ1日目がスタートしました!

朝9時の開場直後から、たくさんのお客さんで会場は大賑わい。オープニングアクトの遠藤舞さん(アイドリング!!!)が登場すると、大きな歓声が上がります。元気いっぱいの歌で盛り上げた後は、ビッグポルノの弟分であるスモールポルノのメンバー、今別府直之と男前のふたりに挟まれてのトークも。アイドルと半裸の男性が並び立つシュールな風景は、早くも「コヤソニらしさ」たっぷりです。

同じくスモールポルノの一員である宇都宮まきによる前説を経て、いよいよオーガナイザー・小籔、そしてビッグポルノのメンバーであるレイザーラモンHGとRGがステージへ。そこで明かされたのが、サプライズゲストの登場です。「とんでもない大物の方から昨日、電話がありまして、『明日行くわ』と言っていただきました」と紹介されたのは、なんと笑福亭鶴瓶さん! 懐かしい「アフロ」のかつらと「オーバーオール」をまとった姿で舞台に現れると、会場のテンションは一気にMAX。ふたりは少し前に知り合ったとのことで、8月には鶴瓶さん主宰の『無学の会』に小籔がゲスト出演するなど、交流を温めてきました。「ダメもとで」オファーしたものの、一度は無理とのことであきらめたそうですが、その際の鶴瓶さんのひとこと「行けたら行くわ」がまさかの実現。さらにこの喜びを表現すべく、RGが得意のあるあるを披露。TUBEの『シーズン・イン・ザ・サン』に乗せて鶴瓶さんのあるある「眼鏡のフレームめっちゃ細い」を歌い上げると、「確かにそうやけど!」とご本人も大ウケの様子でした。

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興奮冷めやらぬなか、トップバッターとしてステージに立ったのはN’夙川BOYS。マーヤLOVEさんがステージ脇の足場によじ登って観客をあおるなど、熱いライブパフォーマンスで魅了しました。終了後は、レディーガガならぬレディー画家(HG)と九州の龍・武将様(ミサイルマン・岩部)が現れ、昨年同様、チャリティーのために1日かけて絵を描くことを発表。謎のガガ・ポージングや「うむ」「御意」のみでの会話など、ふたりのキテレツすぎるキャラを、しんのすけBOYsさんは「……すごい即戦力ですね」とよくわからない褒め言葉で称賛していました。ちなみに絵のテーマは「台風とコヤソニ」。終演後には、完成作品のオークションが行われました。

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続いては注目のヒップホップユニット、サイプレス上野とロベルト吉野。ユニット名の通称「サ上とロ吉」、そして「よろしくお願いします」の短縮形「よっしゃっしゃっす」のコール&レスポンスで会場全体を盛り上げます。コヤソニ皆勤アーティストのひとり、加藤紀子さんは、うって変わってしっとりと聴かせるひととき。TOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美さんをゲストに迎えての共演や、フランス・ギャルの『ジャズる心』やボサノヴァの名曲『イパネマの娘』などカバーも織り交ぜて、秋の昼下がりを彩りました。小籔が20代の頃から大ファンというTOKYO No.1 SOUL SETは、1曲目の『JIVE MY REVOLVER』から「SOUL SETワールド」全開で飛ばします。『Innocent Love』では渡辺さんの息子であるトーイさんが加わり、見事な親子のハーモニーも聴かせてくれました。

コヤソニのもう一つのお楽しみといえば、やはり芸人たちの珠玉のネタ。ここからはCOWCOW、土肥ポン太、中山功太、千鳥、矢野・兵動が次々と登場し、爆笑をさらっていきます。とくに昨年に引き続き「アイアン・メイシン」としてヘビメタルックで現れたCOWCOWは、数々の日本の迷信について抱腹絶倒の謎解きを披露。フェスらしい音楽ネタで沸かせていました。

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さあ、お次は早くも「Jラップ界のいとしこいし」(小籔)ことスチャダラパーの登場です! 『ライツカメラアクション』『サマージャム’95』といったおなじみの曲が次々と飛び出し、お客さんは大喜び。千鳥のネタ「クセがすごい!」にインスパイアされたという『Boo-Wee Dance』まで披露し、コヤソニ度満点のスペシャルなステージとなりました。ライブ後、千鳥を交えてのトークも大盛り上がり。ふたりは自分たちのネタがヒップホップの名曲へと生まれ変わったことに感激しつつ、スチャダラパーのイベントで司会を担当した際の、クセがすごいエピソードを連発して笑わせました。と、ここで「おいおいおいおい!」とどこからか男の声が……。

舞台袖から現れたのは、おなじみのド派手なスーツに身を包んだ池乃めだか。「誰のシマで勝手にイベントやっとんねん」と因縁をつけ始めますが、BOSEさん、ANIさん、SHINCOさんに気付いて表情が一変。「大ファンなんや! ほな、わしに1曲歌わせてくれたら見逃したるわ」と、『今夜はブギー・バック』をリクエスト。一昨年から恒例となっている「めだかボーカル」コラボに、客席から大きな声援が飛びます。オリジナルで小沢健二さんが歌ったパートは、BOSEさん曰く「同じメロディが延々続くから、実はすごく覚えにくい」とのこと。それを見事に歌いこなしためだかに、「めだかコール」と割れんばかりの拍手が贈られました。カラオケボックスでの練習につきあっていたという宇都宮は、「新喜劇の舞台中も、袖でずっと聴いて練習してはったんです」と感動のあまり涙を流しています。なんと「めったに泣かない」(小籔)というめだかまで、目にはうっすら涙が。今年もまた、新たな伝説の1ページが刻まれた瞬間でした。

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田島貴男さん(オリジナル・ラブ)は、ギター1本とハーモニカ、そして歌で観客を虜に。『接吻』『JUMPIN’ JACK JIVE』などを歌い上げ、ステージにたったひとりとは思えない、「ソウルパワー」あふれるパフォーマンスで圧倒しました。ライブ後、千鳥とのトークコラボでは、またまた「クセ」の話に。千鳥が目の当たりにした、田島さんのライブ中の「クセがすごすぎる」逸話の数々は、ご本人をも爆笑させていました。

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また、舞台転換中には、客席から獅子舞の男が乱入する一幕も。中身はもちろん、話芸の神・たむらけんじ。10月20日(土)・21日(日)に淡路島で開かれる、自身の芸能生活20周年記念ライブ『TKF大祭り』についてしっかりPRしていました。

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ここからは、またまたネタコーナーに突入。南海キャンディーズ、モンスターエンジン、シャンプーハット、桂三度、バッファロー吾郎が爆笑ネタを展開しました。落語家として修業中の桂三度は、なんとステージに高座を設けて創作落語を披露。コヤソニのお笑いステージに、また新たな風を吹き込みました。

台風の影響で、この頃にはすでに雨が降ったりやんだり。そんな悪条件にも負けず、会場をさらにヒートアップさせたのはEGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXXです。ラストの『GO ACTION』まで一気に聴かせ、スタンディングエリアでは雨具に身を包んだお客さんたちがダンス、ダンス! 続いて2年ぶりの出演となったチャットモンチーが、熱いライブでますます盛り上げました。ライブ終了後のトークでは、HGから「ちょっとちょっと、あの曲やってないんじゃないですか? 『シャングリラ』聴きたいですよね!」とお客さんに呼びかけが。「待ってました!」と大きな拍手が起こりましたが、福岡さんは「メンバーがふたりになってからはやってないんですよ……」。何とか実現しようと「ドラムを叩ける人はいませんか!」と募るも、会場には見当たらず。すると小籔が「私が叩かせていただきましょう」と堂々の立候補! これにはお客さんもビックリ、どよめきが広がります。実は7月からひそかにドラムの特訓を受けていたという小籔。新ドラマー(?)としてチャットモンチ―に加わり、一筋縄ではいかない難曲を見事に叩ききって喝采を浴びました。途中、スティックを飛ばしてしまうという失敗もありましたが、初心者とは思えない堂々の演奏ぶりに、「すごい! 完璧です!」とチャットモンチ―のおふたりは大絶賛。ちなみに、すっかりドラムの楽しさにハマった小籔は、練習続行も宣言。今後もまたどこかで、ドラマー・小籔の姿が見られるかもしれません!

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続いては、昨年も演奏中、雨に見舞われたサニーデイサービス。ボーカルの曽我部恵一さんも、コヤソニ皆勤アーティストのひとりです。今年もそぼ降る雨の中となりましたが、『スロウライダー』『NOW』などをしっとりと聴かせてくれました。そしてお待ちかねのキョンキョン、小泉今日子さんがステージへ! 今年、芸能生活30周年を迎えた小泉さんは、『あなたに会えてよかった』『木枯らしに抱かれて』、さらにはメドレーで『私の16歳』『渚のはいから人魚』など、ヒット曲を連発して沸かせてくれました。盛り上がった後は、小籔とのトークタイム……と、「ちょっと待て!」と不穏な声が。現れたのは、「あたりまえ体操」でおなじみCOWCOWです。さっそく、通常の「あたりまえ体操」に加え、「あたりまえキョンキョン」も披露。「好きな食べ物、トマト」「お酒飲んで帰る時間、朝7時」といったキョンキョン情報をちゃっかり盛り込んだ内容に、小泉さんも大爆笑していました。さらには「一緒に『あたりまえキョンキョン』をやってほしい」とリクエストし、小泉さんが加わって3人でのパフォーマンスも! 「ヘイヘイヘイ、笑瓶」や「キュートなヒップに、ズッキンドッキン」をビシッと決め、客席を喜ばせていました。

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最後はビッグポルノが、ヒューマンビートボックスのパイオニア・AFRAさんをゲストに迎えて、新曲『Tea! Tea! No! Oh…喫茶?』をはじめとする下ネタ満載ラップでしめくくり。出演者がふたたび舞台に登場し、ビッグポルノの『KING TIMER』を熱唱するおなじみのエンディングまで、息つく暇ない濃密な11時間が、こうして幕を閉じました。