【ライブレポート】『TKF大祭り』2日目
10月20日・21日、兵庫県の淡路島国営明石海峡公園特設ステージで行われた『TKF大祭り たむらけんじ芸歴20周年LIVE』。2日目の21日もお天気に恵まれ、開場と同時に多くのお客様がご来場されました。
前説、オープニングアクトは1日目と同様、会場の熱気をどんどん増幅させていきました。そしていよいよ、オープニングへ。オープニングは、たむらけんじが約10年ぶりに書き下ろしたという新作コント「淡路島」。日本で最初にできた島、淡路島。そのくにうみ物語を描いたもので、「『TKF大祭り』のような大きなイベントのオープニングこそ、芸人にとってチャンスだ」とたむら。「このチャンスを生かして羽ばたいてほしい。このチャンスを掴んでもらって、また違うステージへと羽ばたいてほしい!」との願いを込めて、主役の男神・伊邪那岐命(イザナギノミコト)と女神・伊邪那美命(イザナミノミコト)に抜擢したのがナインティナイン。彼らの名前が紹介された瞬間、会場の温度は早くも沸点に達し、大いに盛り上がりました。
矢部が伊邪那岐命に、岡村が伊邪那美命に扮し、国づくりのためにたくさんの神を生んでいきます。そこで生まれたのが、サバンナ・八木、オリエンタルラジオ・藤森のチャラ男、COWCOW、へびいちご・高橋、モンスターエンジンという面々。いずれも得意のギャグや体操、モノマネにショートコントなどを繰り広げるのですが、納得しない神たち。そして最後に生まれたたむらけんじが開会宣言を行い、2日目の『TKF大祭り』が幕を開けました。
トップバッターは1日目も出演したmisonoさん。2日目もさらにパワフルなステージで魅了し、新曲の「半分ずっこ」や「恋つりGirl 愛ガァル~フィッシングBoy~」など全5曲を披露しました。
続くネタライブでは、モンスターエンジン、ウーマンラッシュアワー、学天即、ジャルジャル、千鳥、サバンナ、COWCOW、ザ・プラン9、しずる、品川庄司、メッセンジャーが登場。漫才、コントにショートネタと様々な笑いで盛り上げました。
そしてアーティストライブでは、植村花菜さん、嘉門達夫さんが登場。植村さんは「ミルクティー」「世界一ごはん」、そして「トイレの神様」など全5曲を歌い、透明感のある声を会場いっぱいに届けてくれました。続く嘉門達夫さんは「新・アホが見るブタのケツ」「鼻から牛乳」などコミックソングの帝王の名をほしいままにしたライブを展開、最後は「さくら咲く」でしっとりと聴かせてくれました。
お次は1日目と同様、おーい!久馬作の「たむけん新喜劇」を。2日目はケンドーコバヤシ、陣内智則とおなじみの顔が警察官役として登場しました。また、後藤秀樹は2日連続で歌いながらステージへ、村越周司も目いっぱいギャグを披露するなど、『TKF大祭り』ならではの光景がいくつも繰り広げられました。そして植村花菜さん、スポーツ教室に出演した亀田興毅さんもステージへ。普段の舞台ではなかなか見られないやりとりも新鮮でした。
続いては音楽ステージを。たむらがレギュラー出演中のテレビ番組『ちちんぷいぷい』から生まれたユニット・PuiPui HOME TOWNSより、カサリンチュ、キマグレンがそれぞれライブを展開。毎日放送の西靖アナウンサーも応援に駆けつけ、「たむけんがうっすら目に涙を浮かべて“俺、ヤバい!!”を連呼してたけど、ステージに立つとその気持ちがわかりますね」と舞台から見える光景に感動を隠せない様子。そんなたむらも「カサリンチュさんのライブの時に会場を歩いていたんですが、腕を振っているお客さんを見て泣きそうになりました」。最後は、PuiPui HOME TOWNSの新曲「この街に生まれて」に生まれてを、たむらを始めとする‟ぷいぷいファミリー“の面々で歌い、ステージにはラグビーの大畑大介さん、元バドミントン選手の小椋久美子さんの姿もありました。
淡路島の空が赤く染まり始めた頃、1日目も盛り上がった「TKF歌謡ちゃ~い!」が。司会は陣内智則、ケンドーコバヤシです。「たむけん、すごいね!」と褒めるのですが、その都度「入場料6800円のうち、5000円はたむけんの懐に行くそうですよ」など陥れようとする二人。普段からの親交の深さからなる“安定感”で進んでいきました。「TKF歌謡ちゃ~い!」一発目は、渡辺直美によるレディー・ガガで「ボーン・ディス・ウェイ」を。豊満な体を揺らして激しいダンスを見せた渡辺に「見てはいけないものを見てしまった」とコバヤシ。続いてはつんく♂さんに扮したバイク川崎バイクが「ズルい女」、品川庄司で「15の夜」を。そして藤崎マーケット、プラスマイナス・兼光、若井おさむ、女と男・市川、クロスバー直撃・渡邊でclass「あの夏の1993」に乗せ、それぞれ得意のモノマネを披露しました。次は「一世を風靡したあの方」「一時代を築いた」という触れ込みで天津・木村が登場。「お子さんに聞かせたくない」エロ詩吟を3本、朗々と歌い上げました。そして矢野・兵動の矢野が十八番のCRAZY KEN BAND「タイガー&ドラゴン」を自信たっぷりに。最後ははるな愛さんが「もっと愛を」を歌い、華々しく締めました。
ネタライブでは、トータルテンボス、銀シャリ、藤崎マーケット、かまいたち、東京ダイナマイト、プラスマイナス、天津、オリエンタルラジオ、ハリガネロック、麒麟、矢野・兵動と東西の芸人が大集合。こちらもそれぞれ得意のネタで笑わせてくれました。
そして『TKF大祭り』の2日間を締めくくる大トリ、かりゆし58のライブが! ヒット曲「アンマー」から始まり、「ゆい」「さよなら」など6曲を披露。「人間、生きて行く間に何回笑うかで違うと思う。そういう生業を20年間、やってきたたむらさんはカッコイイですね。芸人さんの生きざまも憧れます」とたむらの芸歴20周年をお祝いしました。
そして『TKF大祭り』も遂にエンディングへ。「会場の一番後ろにいて、全体を見て、すごく、すごくいいイベントになったと思いました。集まってくれた皆さんのおかげです。すごい、嘘みたいですね…。最初に売り出した時、80枚しかチケットが売れていなかったのに2日間で2万人を超えるお客さんが来てくれて…」と感無量といった様子で感謝の気持ちを語るたむら。そして「淡路島、いいでしょう? この機会に淡路島にもっと遊びに来て下さい!」と熱い“淡路島愛”も伝えました。その様子を見て「溢れる涙が止まりません!」とコバヤシ、「全然泣いてへんやん」とすぐさまたむらに一蹴されていました。
と、その時、場内に怪獣の咆哮が響き渡り、「とんでもない海賊団が淡路島に来たぞー! 伝説のお笑いモンスター!」との呼び込みで、明石家さんま、間寛平、村上ショージがステージへ! 「淡路島は2回目、何十年かぶりです」とさんま。出番まで淡路島を巡った後、会場へ向かう車の中では40分間、寛平が「アヘ」を、ショージが「ドゥーン!」を交互に練習していたと明かし、その成果を披露してくれたのですが…寛平は声色を変えた“普通”の「アヘ」、ショージはなぜか「ポコッ」というアレンジでした。また、さんまは「たむけんのためにこうして集まってくれてありがとう。いつもの仲間がこうして集まってくれて……」とステージ後方を見渡して「お前誰やねん!!」と若手芸人たちへ愛あるツッコミを。それを受けて三浦マイルドが「マイルドフラッシュ」をさんまや寛平、ショージに浴びせるなど、『TKF大祭り』でしか見られない貴重なシーンもありました。最後は、「さんまさんと言えばこの歌を歌いましょう!」と沖縄国際映画祭のテーマソングともなっている「笑顔のまんま」を、会場一体で歌い、2日間の『TKF大祭り』は幕を下ろしました。
そして2日目も、誰もいなくなったステージへ一人、バイク川崎バイクが現れて、「BKB、ヒィア!」とギャグを披露。銀テープが会場を舞い、お祭りの終わりを告げました。
一方、『TKF大祭り』のもう一つの目玉イベントであるスポーツ教室は2日目も行われ、亀田興毅選手のボクシング教室に、小椋久美子さんのバドミントン教室、大畑大介さんのラグビー教室が開かれました。1日目と同様、直接触れ合いながら、また、ピンポイントでの丁寧な指導に子どもたちの眼差しは真剣そのもの。プロのデモンストレーションには、会場を取り囲む大人たちからも歓声が上がり、至近距離で楽しめました。こんな企画もまた、『TKF大祭り』ならではのもの。笑って歌ってスポーツもしてと、まさに“最強のごった煮”の名のとおり、バラエティに富んだ2日間となりました。