よしもとクリエイティブカレッジの特別講義にたむらけんじが登壇!
10月27日、クリエーター及びスタッフを育成する養成校、よしもとクリエティブカレッジ(略称YCC/2008年開校)で、在校生とエンタメ業界に興味を持っている方に向けた特別講義が開かれ、講師としてたむらけんじが登壇しました。また、この講義はユーストリームを通じてYCC東京校・沖縄校にも配信。各会場の参加者からも質疑が多数寄せられ、大いに盛り上がりました。
10月20日・21日と1週間前に『TKF大祭り』を終えたばかりのたむら。「今は腑抜け状態です」とご挨拶したものの、講義は実にパワフルに進んでいきました。最初は「よしもととは?」をテーマに展開。「いろんな根っこが生えているような会社です。よしもとじゃなかったら、こんな仕事できてないなって思うことが多い」とたむら。
そして先日行われた『TKF大祭り』については、「スタッフがすばらしかった。一日目の終わりに反省会をしたのですが、クタクタになっている中で1時間以上、会議をしているスタッフの姿を見て、こういうことをいつもやってくれていたんだと感激しました。裏方さんには頭が上がりません」としみじみ。そしてこの世界でやっていくにはと、以下のように話しました。「この世界で成功するには、いい人でいること。いい人っていう定義はいろいろあると思うけど、まずは大きな声で挨拶をきちんとすること。言われたことは“ハイ”と返事をしてすぐやる。そして人の嫌がることはしない。20年やってきた今、分かることは、この世界で今も頑張っている人はみんないい人ばっかり。人間的に素晴らしい人しか残っていません。いい人でいたら、みんなが助けてくれて、応援してくれます。それはこの業界だけでなく、どこでも通じること。バイト先でも同じ。いい人でいるといいように使われて嫌な思いをすることもあるけど、それでもいいこともあります。嫌なこともいいことも、同じくらい。結局はトントンになりますから」。
そして『TKF大祭り』の会場を淡路島に決定したことについて、日にち選び、チケット代について、舞台の構成などなど、どのようにして『TKF大祭り』が作られていったかを赤裸々に語りました。発売日初日には80枚しか売れなかったチケットですが、結果的には23000人の動員を記録。そのための努力についても、「やれることは全部やろうと。僕が頑張っているところをみんなが見たら、絶対についてきてくれると信じてました」と、自らチケットを売り歩いたことも語りました。ちなみに、手売りでの売上枚数は1000枚を超えたそうです。
また、『TKF大祭り』でのスポーツ教室や子どもたちの遊び場が大成功したことを受けて、大阪市内に子どもの遊び場ができないか、スポーツ教室だけを抽出した親子で楽しめるイベントはできないかと妄想中とのこと。「あんなにしんどかったのに、マラソンを走り終えたような気持ちになるんです。42.195キロを走ると、35キロ地点くらいでは“もう二度と走るか”と思うんですけど、ゴールしてしばらくするとまた走りたくなる。『TKF大祭り』も、今はそんな気持ちです」とたむら。第2回は全くの白紙ですが、頭の中ではすでにいろんなことを描いているとのこと。そして、「何かをやろうと思った時、足踏みだけはしないでほしい。歩いているうちに、次々と見えなかったものが見えてきます。その逆に、見えていたものが見えなくなることもあるけど、あ、これで終わりやなって思えますから」と、二の足を踏まず、とりあえず動くこととアドバイス。また、何かをやってみたいと思った時は「口に出して、いろんな人に伝えること」と、より成功に近づく術を伝授しました。
受講生からの質疑応答では、「居酒屋の経営と構成作家としての活動を両立させたい」という方から、「両立させる秘訣は?」との質問が。「自分の中でどっちを芯にするか、はっきりさせること。あと、好きであること」とたむら。また、沖縄の受講生から届いた「年収はいくらなんですか?」という単刀直入の質問をきっかけに、経営している焼き肉店で直面した最大のピンチを明かしたたむら。「ただ、経営危機に直面して、おもろなってきました」と、どんな悪い状況でも楽しむことが乗り越えるコツかもしれないとも話しました。
最後は「YCCでいろんなことを学んで、この業界に入ってからもいろんなことを学んで、頑張ってください。ベタですけど、頑張ったらいいことが待ってます。そしていつか、一緒にお仕事をしましょう!」とエールを送り、「僕も頑張ります!」と喝を入れて締めくくりました。
そして特別講義を終えたたむらに、感想などを聞いてみました。
「去年に続いてですが、人前で何やかんや言うものも持ってませんし、何を教えるということでもないのですが、今、彼ら、彼女らが目指すところにいさせてもらっている人間として感じていることを言わせていただきました。講師とか、そういうものではなく、同志として話をさせてもらいましたね。この話をどう捉えるかは皆さん次第だと思っています。講義中は、受講生の目がすごく生き生きとしていて、やるぞ!という気を感じました」と、会場のエネルギーを感じとっていた様子。また、「焼き肉屋の経営もそうですが、人材が一番重要ですから、こんな人材を集められている吉本興業がうらやましいです」とこぼしました。
また、子どもの遊び場を作りたいという“妄想”については、「僕らが子どもの頃は、川やら山やら遊びに行っていたけど、今の社会ではいろいろ問題がありますよね。だから、安心して子どもが遊べる場所を作ったらいいんとちゃうかな?って思ってます」とあくまでも妄想段階だと念を押していましたが、場所や予算のリサーチなどは進めていると明かしました。
また“本業”のお笑いについて、2013年の『R-1ぐらんぷり』出場は?との質問が記者から飛び出しましたが、「スケジュールに『R-1』って入ってたから、吉本の人に“言うとくけど、俺はネタ作りに関しては引退してる人やからな。(ネタ作りでは)ドリー・ファンク・ジュニア(アメリカの元プロレス選手)やからね”って言いました。今、棚橋とかと戦えてって言われても無理やでって。(ドリー・ファンク・ジュニアの得意技の)スピニング・トーホールドもだいぶ、遅いよとは言ってます」と冗談交じりに答えました。そして、新ネタを作らないのか?との質問には、「ドリー・ファンク・ジュニアやから!」と強調したものの、ミル・マスカラス(メキシコの現役覆面レスラー)が現在もリングの上で飛んでいることを告げられると「マスカラスは飛んでる!? じゃあ…飛んでみようかな(笑)」と意欲をを見せました(!?)。これからのたむらの動向にも、どうぞご期待ください!
【たむらけんじ】