【ライブレポート】村上ショージ35周年記念ライブ「振り返れば 何もなかった」~あー20年前もうちょっと頑張っといたらよかった記念ライブ~ 大阪公演
11月4日、なんばグランド花月で『村上ショージ35周年記念ライブ「振り返れば 何もなかった」~あー20年前もうちょっと頑張っといたらよかった記念ライブ~』が開催されました。村上ショージの芸能生活35周年の集大成ともいえるこのイベント。ショージと親交のあるゲストもたくさんお祝いにかけつけました。
オープニングは迫力満点の和太鼓演奏。ハッピ姿で決めたショージが、お客さんからの拍手に迎えられて舞台に。しかし、バチがありません。素手で太鼓を叩くものの、さすがに無理があったようで……。「すいません! 叩くものないよ!」と叫ぶと、手渡されたのは“鉢”。もちろん叩けません。「叩くやつや!」と告げると、次に手渡されたのは竹馬のように長いバチ……。「スベッとるやないか! 短いやつがあるやろ!」と続いて手渡されたのは、短すぎるバチ……。仕方なく、短いバチで和太鼓演奏を披露しましたが、なかなかの腕前! 客席からも拍手が起こります。
ボケ倒しのオープニングの後は、人気演歌歌手・坂本冬美さんからのお祝いコメントVTRが! ショージと坂本さんは、ときどき食事にも行くメル友なのだとか。大阪出身の坂本さんは、「一種独特な(村上ショージの)芸は、子供の頃から見ていた」そうで、今回のお祝いを一緒に喜んでいるようでした。
最初のコーナーは、「軽井沢剣次郎歌謡ショー」。ショージ扮する新キャラ・軽井沢剣次郎が、ヒットナンバー『落花生』を熱唱します。ちなみにこの軽井沢剣次郎という男、趣味はボウリングで、最近の楽しみはボウリングのピンが倒れる「ガチャーン」という音だそうで……と、自己紹介をしているところに、お祝いに駆け付けた水谷千重子(友近)が登場! 水谷千重子は軽井沢にとって憧れの先輩だそうで、「15年前に鬼怒川温泉で姉さんが飲んでいた紙コップを今も大事に持っています!」と熱い思いを打ち明けていました。本物の演歌歌手のリサイタルに迷い込んだような、大人のジョークも飛び出す品のあるトークのほか、お客さんからお題をもらって「アイウエオ作文」を作るひと幕も。最後は水谷千重子に一曲歌っていただくことに。松田聖子の『夏の扉』を演歌調に歌い、お客さんを沸かせていました。
ブリッジVTRも見逃せません。人気ドキュメント番組をオマージュした「プロフェッショナル~ギャグの流儀~」と題して、このイベントのエンディングでショージが披露する新ギャグが誕生するまでを追います。結果はエンディングまでのお楽しみです。
続いてのコーナーは、「村上ショージ35年の軌跡」。MCの次長課長、そしてメッセンジャー、博多華丸・大吉、山田花子、たむらけんじ、ダイアンが舞台上に。
まず初めのトークテーマは「初舞台の思い出」。ショージの初舞台は23、24歳頃で、場所は京都花月だったとか。師匠の滝あきらに「出番を取ったるからなにかせい」と言われた若かりし頃のショージが考えたおきて破りの芸に、出演者は仰天。しかし、ショージが吉本に入って初めてギャラをもらった仕事はなんと溶接なんだとか。芸人になる前、造船所で働いていたショージは、面接で「何ができる?」と聞かれて「溶接です」と答えたことから、劇場の手すりの溶接を頼まれ、500円のギャラをもらったそうです。当時の支配人も「プロやな!」と喜んだといいます。
続いてのテーマは「お弟子さんから聞いた話」。ショージにかれこれ10年以上も付いている弟子・よね皮ホホ骨から聞いた、ショージの知られざる素顔に迫ります。ショージはなんばグランド花月の楽屋で飼われている観賞魚にとても愛を注いでおり、飛び出すエピソードは観賞魚にまつわるものばかりでした。
次のテーマは「35年の中で一番引っかかる事」。そこでショージは「R-1ぐらんぷり」での引っかかっていることを打ち明けます。かれこれ5年間予選に挑戦し続けているにも関わらず、いつも1回戦、よくて2回戦で敗退。今年、初めて2回戦を突破したといいます。なぜ予選を突破できないのか……? ショージは頭を悩ませているようで、ホームグラウンドである大阪でネタを見てもらい、意見を聞きたいとのこと。紙切り漫談、宇宙戦艦ヤマトをモチーフにしたひとりコントなどを披露しますが、独特なショージワールドがさく裂し、メッセンジャー、博多華丸・大吉もたじたじ……。ただひとり、たむらけんじだけが絶賛し、「お前、俺の狙いを全部わかってくれてるわ!」とショージの心を掴んでいました。
続いては、FUJIWARA、COWCOWとのユニットコント。若手俳優に扮するFUJIWARA・藤本が、映画監督に自分を売り込むべく撮影現場で意気込みます。大御所俳優(ショージ)、映画監督(COWCOW・よし)、映画監督が連れてきた愛人(COWCOW・多田)、そして人気女優、原西子(FUHUWARA・原西)とのやりとりは、ギャグ満載、アドリブ満載の内容。そしてショージが最後の大オチで噛むというハプニングも。それでも飄々としているショージに、FUJIWARA・藤本が「あんた、メンタル強いだけやん!」とツッコんでいました。
最後のコーナーは「今さらトーク」。ショージにゆかりのあるゲストを迎え、今さらだけど聞きたかったことをぶつけるコーナーです。舞台にあらわれたのは、お笑い怪獣・明石家さんま!
客席から一段と大きな声援と拍手が送られます。「お金(チケット代)、高いわ!」、「紙切り漫談はあかんで!」と登場するやいなや矢継ぎ早にツッコむさんま。30年以上の付き合いのあるさんまとショージだけに、思い出話も濃厚です。さんま、ショージ、Mr.オクレ、ジミー大西で参列したお葬式で起こったハプニング、ジミー大西の信じられないエピソード、明石家さんまのひと言がきっかけでショージがよね皮ホホ骨を弟子に取った裏話、撮影現場に置き去りにされたカンガルーの嘘みたいな話など、聞きごたえのあるトークが次々と飛び出し、客席は大いに沸きました。
コーナーの合間に流れていたブリッジVTR「プロフェッショナル~ギャグの流儀」もいよいよ最終話。村上ショージにとって、ギャグとは? ショージの本質が解き明かされます。ギャグとは……「笑いに関しては最後の一撃」。含蓄のある言葉です。
そしていよいよエンディング、新ギャグ披露です! 特別にセッティングされたお立ち台に、緊張した面持ちで上がるショージ。
「耳くそ鼻くそ拾って食べたら犬のくそ、ワン!」を披露するやいなや、申し訳程度に小さなリボンテープが舞い、客席からは笑いと拍手が巻き起こり、その誕生を祝います。
自身の35周年記念のお祭りで新しいギャグも誕生し、今のすべてを出し切ったこのイベント。これからも、村上ショージをよろしくお願いします!
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