よしもとニュースセンター

12月２日（日）、東京・粥麺茶房にてピース・又吉直樹が著書『鈴虫炒飯』（幻冬舎刊）の出版記念サイン会を行ないました。

同作は、又吉が編み出した120の新しい四字熟語を、新進気鋭の書道家・田中象雨さんが書にしたためた一冊。３年前、田中さんから「個展をやるので、何か四字熟語を考えてください」と言われ、「例えば、鈴虫炒飯とかですか？」と返したという又吉。“（言ってみたものの）鈴虫炒飯ってどういう意味なんやろう？”とふと思い、意味まで考えていったそうです。
タイトルとなった四字熟語の誕生はこのような感じだったらしいのですが、そのほかのほとんどは体験から考えられたものだということです。

囲み取材で読みどころを尋ねられた又吉は、「僕が考えた四字熟語ですが、田中さんは全部書き方を変えてくれてるんです。勢いのあるものは力強く、繊細なものは細やかに書いてくれているところですね」と返答。
自身で考えた四字熟語を丁寧に説明する又吉に、レポーターから「ネガティブなものが多いですよね？」との指摘が入ります。「前向きなものはないかもしれません」と笑いつつ、「でも、“鼻毛抱擁”はちょっと前向きかなと……田中さんは書くんが嫌やったみたいですけどね」と笑いを誘いました。

体験に基づいたものが多いとのことですが、「“善行無惨”なんかは、まさにそうです。コンビニにいたら、男の人が“財布落ちてませんでしたか？”って店員に尋ねていて。“いや、預かってないですねぇ”って答えられていて、その人がいなくなってすぐ、女の人が“店の前で財布を拾ったんですけど”って届けてたんです。店員さんは“預かるわけにはいかんから、警察に届ける？”とか話してたんですけど、さっき出ていったばっかりやから、追いかけたら追いつくやろうと思って、僕は買おうとしていたものを置いて駆け足で店を出たんですよ。で、その人に追いついたんですけど、肩を叩いて振り返った瞬間、逃げ出されてしまって……。イヤホンして探してたから、声が聞こえてなかったんやと思うんですけどね」と悲しそうに語ります。
このエピソードは本書にも書かれていますが、「実は書いてないこともあって」と切り出す又吉。
いいことをしようとしたのに拒まれたことが悲しく恥ずかしく、凹んでしまった彼は、友人に電話。話を聞いてもらっていたところに、また財布をなくした男性が戻って来たそうです。が、「僕のことがよっぽど気持ち悪かったんでしょうね。大回りして逃げていきました」。かなり切ないエピソードでしたが、報道陣からはドッと笑いが起こりました。

四字熟語を思いつくのは、散歩をしているときやラーメンを食べているときなど、何気ない瞬間が多いとか。「日常的な四字熟語が多いので、使えるタイミングがあれば、みなさんにも使ってもらいたいですね」と意気込みます。

そんな又吉の最近のお気に入りは、“幹事横領”だとか。意味は、ぜひ本書でチェックしてください。

著書にかけて、報道陣からはさまざまな質問が飛び出します。
「この状況を、四字熟語で表すならば？」との問いかけには「なんでしょうね？　質問応酬とかですか。こんなにフィーチャーされることはないですからね」とコメント。「相方を四字熟語で表すなら？」には天を仰ぎながら考えた挙げ句「熟女王子」と答えると、大きな笑いが起こります。
さらに「今年のクリスマスというのでは、どうですか？」と尋ねられると、「孤独三太」と小さい声で答えていました。

囲み取材後は、限定100人を対象にサイン会を開いた又吉。丁寧に１冊１冊サインする姿が印象的でした。

なお、12月21日（金）まで東京・西荻窪のギャラリーやカフェ35店舗にて、又吉が編み出し、田中さんが書いた新・四字熟語約80点が展示中です。本日、サイン会を行なった粥麺茶房にも展示されていますので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください！


●書籍情報
鈴虫炒飯

著書：又吉直樹　田中象雨
価格：1470円
幻冬舎刊

●イベント情報
鈴虫炒飯をさがせ！ 西荻・四字熟語散歩
開催期間：12月１日（土）〜21日（金）
展示店舗
雑貨食堂 六貸／ギャラリーみずのそら／ギャラリーsind／ベビヰドヲル／Loupe／
STORE／アトリエ すゞ途／South Ave.／PLAZA FRAU／つきまる雑貨店／
galerie non／TRIFLE／にわとり文庫／nano／gallery cadocco／
salon＋atelier polka／盛林堂書房／寿々屋／ことほぎの響き／音羽館／カメラの春光／
ソラニス／GALLERY BOWKNOT／あしかホテル喫茶室／qwalunka cafe／Zeit／
VIRTUE／woolly woolly／ROYS／アンティーク時／ぷあん／西荻窪郵便局／伊勢屋／深谷園
協力：西荻茶散歩（チャサンポー）
※店舗によって営業日、展示スケジュールが異なります

粥麺茶房
http://www.banquest.co.jp/

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