カラテカ・入江が150名の聴講生に『後輩力』を伝授!
12月8日(土)、吉本興業株式会社東京本部にて、カラテカ・入江慎也が『よしもとクリエイティブカレッジ presents 特別講義「カラテカ入江流コミュニケーション術」〜業界を渡り歩く武器としての「後輩力」〜』を行ないました。
よしもとクリエイティブカレッジ(YCC)とは、弊社が運営するエンターテインメント業界で活躍するスタッフを養成する学校のこと。これまでにも多くの構成作家、ディレクター、演出家などを輩出してきたYCCですが、エンターテインメント業界で生き抜くために不可欠なコミュニケーション能力など、職場や現場での“後輩力”を、そのスペシャリストである入江にレクチャーを受けようという講義が、このたび開かれたというわけです。
同講義には、東京で会場に集まった約150名ほか、大阪校、沖縄校それぞれ150名がユーストリーム配信にて無料参加しました。
大きな拍手の中、迎えられた入江はまず「初めまして。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のカラテカ・入江慎也です」と挨拶。「みなさん、固いですねぇ。先輩の話には笑わないぞっていう感じで来ました?」と話しかけ、聴講生の緊張をほぐします。
「みなさんの勉強になるかはわかりませんが、僕が先輩から学んできたことをお話しします」と語り、講義は始まりました。
16年前、相方・矢部太郎とともに、渋谷公園通り劇場のオーディションに合格し、芸人となった入江。「相方はキャラがあったんで、すぐ先輩からおもしろいと言われるようになったんです。だけど、僕は全然先輩に覚えられなくて、“矢部の相方”って呼ばれていた。辛かったですよ。そこから、プライベートをがんばるようになって、後輩力を身に付けました」(入江)
経験から身に付けた“後輩力”を、16年間、ノートに書きためていたと言う入江。今年6月に『後輩力 凡人の僕が、友だち5000人になれた秘けつ』という本を刊行したのですが、人脈を駆使して自らプレゼンし、出版までこぎつけたそうです。
自らの経験や後輩のエピソードを織り交ぜながら、わかりやすく説明していく入江。相手のことを考える、自分の武器を持つ、人を大好きになるなど、入江流のコミュニケーション術を解説していきます。
何よりも出会いを大切にしている入江は、常に“行った先に何かある”ということを念頭に置いているとか。
「誘いには乗るべき。行った先には何かあるから。この間なんて、誘われて行った場所で7万4000円盗まれました! 超ムカついたけど、こうやってしゃべれますからね。行動すれば、必ず何かあるんですよ」(入江)
なでしこジャパンの澤穂希選手と出会ったのもこの精神に則ったからだそうで、「面倒くさいと思うときや嫌なときもあるだろうけど、誘われたらとにかく行ってみて」と語りかけました。
また、「神様から配られたトランプを、みんな持っている」と持論を展開。芸人を続ける限り、与えられた使命を達成しつづけようと決意したそうで、「相方の矢部は才能で認められた。それが、配られたカードに書いてあったことだったんだから、それでオッケーなんです。僕の場合、カードに書いてあったのがフットワークだったということ。だから、フットワークを身に付けて16年間やってきました」と真面目にコメント。
“芸人としての五つの心得”を発表しながら、「まぁ売れてないから、俺もえらそうに言えないんですけどね」と謙遜しつつ、「周りに恵まれているところは、僕の誇れる点。どんな人と出会うのかで、今後の人生は大きく変わります。人を好きになれば、人も寄って来てくれるようになりますよ」と聴講生を激励しました。
最後に、事前アンケートと会場での質問に答えた入江。
事前に配られた後輩力検定にあった項目からの「“ごちそうさまを3回言う”っていうのは、どういうことですか?」との質問には、「先輩が財布を出してくれた時にまず1回、店を出る時に1回、次の日の12時15分に1回の3回。これをやってる人は、そういないと思うよ」と返答。ですが、「ただ、先輩にも寄るんだよね。(雨上がり決死隊の)宮迫さんとかは“ごちそうさまです”はいらないっていうし、ロンブーの亮さんはお酒をつくったり、タクシーを拾うと怒る。でも、酔っぱらってその場で寝てしまっても怒らない。正しいルールはないんですよ」と例外を出して、わかりやすく説明します。
「要は、自分で決めたことを貫くことが大事なんですよ。僕は亮さんに怒られてもタクシーを拾うし、お酒もつくる。やらないで怒られるより、やって怒られるほうがいいなと思ったから」と、勇気を持って行動することの意義を切々と語りました。
大学生からの「芸人の入江さんから見て、吉本興業はどんな会社ですか?」という質問には、「すごいところ来たなぁ」と笑いつつも、「いいところも悪いところもあるけど、先輩がたくさんいるところは素晴らしいですよね。それに芸人も社員さんも、たくましく生きている。なぜなら、チヤホヤされないから。ほかの会社より大変だと思うけど、知恵が付く分、優秀になれると思いますよ。それに、常に笑いがあることが、いちばんすごいと思います」とコメント。愛のある入江の発言に、聴講生たちも最後まで静かに聞き入っていました。
講義後、囲み取材に応じた入江。本日の感想を尋ねられ、「笑ってくれてよかった」と安堵の表情を浮かべます。経験から身に付けた“後輩力”については、「お笑いの第一線で勝負できなかったから、たどり着いたもの。仕事はなかったけど、“仕事は自分でつくるもの”と思って身に付けました」と自負します。
よくお世話になっている吉本の先輩は、今田耕司、亮、宮迫、サバンナ・高橋などだそう。入院中の宮迫について訊かれると、「どんな後輩も受け入れてくれる人。あと、悪口は絶対言いません。もちろん芸人としてもおもしろい方ですし、いつも助けてもらってばかりなので、いつか恩返しをしなきゃいけないと思っています」と入江らしい思いやりのあるコメントで、先輩を賞賛しました。
●書籍情報
後輩力 凡人の僕が、友だち5000人になれた秘けつ
著者:入江慎也(カラテカ)
予価:1365円(税込)
アスコム刊
【入江慎也】【カラテカ】