【ライブレポート】年末お楽しみ八方会
12月17日(月)、大阪・福島区にある八聖亭で「年末お楽しみ八方会」が開催されました。この日は、会が始まる1時間前に「月亭方正 改名発表会見」が行われたところ。山崎邦正が2013年1月1日から月亭方正に改名し、本格的に落語家として活動することを発表しました。
まずは月亭天使が高座に登場。まくらで先ほど記者向けに行われた「月亭方正 改名発表会見」の話題に触れたあと、演目「時うどん」をお披露目しました。続いて月亭八光が演目「幽霊の辻」を披露して、お客さんを大いに沸かせます。
そしていよいよ、改名を正式に発表した月亭方正の登場です。まくらで「来年1月1日から、山崎邦正から月亭方正に改名することを僕の口から伝えたかったんですけど、もう天使が言うてしまいましたねぇ」と話し、お客さんは爆笑。「お客さんの、『えぇ~!?』みたいなリアクションが欲しかった……」と悔しがっていました。改名を発表することは本人にとってビッグイベント。しかし、この日は昼まで快晴だったにも関わらず、「月亭方正 改名発表会見」が始まる夕方から雲行きが怪しくなり、冷たい雨がポツポツと……。「嫁も、朝起きたときは『よかったね! やっぱりお天道様は見てる! 快晴や!』と言うてくれたのに、会見の時間が近づいてくるにつれてだんだん天気が悪くなって、結局大雨ですよ。昼には後輩からも『こんなに天気がいいなんて、やっぱり邦正さん、持ってますね!』って言われたけど、何にも持ってなかった。なんやったら傘を持たなあかんってねぇ……」と、持っていなかったことを笑いに変えていました。そして演目「浮世床 変な軍記」を堂々と披露。お客さんから大きな拍手をもらっていました。
トリは、もちろん師匠の月亭八方。まくらは「お金がモノを言う」という話。先日、桂三枝改め六代 桂文枝襲名記念パリ公演に列席するため、パリの行き来で利用した飛行機が、行きのビジネスクラスでも居心地が十分によかったにも関わらず、帰りは座席予約のハプニングで、航空会社の計らいによりファーストクラスで帰ったのだとか。うっとりするファーストクラスでの空の旅を語り、お客さんからは「おぉ~」という声が上がっていました。そして八方いわく、「最近、この落語をする人が少なくなってきたから、こういう場所がええのかな」と選んだ演目は「坊主茶屋」。
最後はフリートークも。八方が会場に八光と方正を呼び込んで、今年1年をふり返っての悲喜こもごもを語り合うことに。八方は、まくらでも触れたファーストクラスのことを八光と方正に自慢げに語ります。八光も、「普段、あまり家では2人だけで話すことはないんですけど、よほどうれしかったのか延々に喋ってました」と暴露。さらに、山崎邦正が落語に本腰を入れるため、この夏に拠点を東京から大阪に移した話題にも。大阪で活動するようになり、西川きよしにたびたびご飯に誘われるそうで、緊張すると語る方正。しかし八方は「よう見たら、(西川きよしは)ホンマに天然ボケやから。ネタの宝庫やねん。かのちゃん(かの子)から見たら、『お父さんはネタの住友倉庫』やって」と、西川きよしの天然ボケにまつわるエピソードが続々と飛び出し……。
山崎邦正が月亭方正として落語に本腰を入れることで、ますます活気づく月亭一門でした。