怪獣初単独ライブ「怪獣のバラード」監修:又吉直樹
2月21日(土)、千葉県・よしもと幕張イオンモール劇場にて『怪獣初単独ライブ「怪獣のバラード」監修:又吉直樹』が開催されました。
怪獣は、元ロシアンモンキー・すーなかと少年少女坂口による新コンビ。2月2日(月)、インターネット生配信番組『よしログ』にて、コンビ結成を発表。これを機に、坂口が"まゆみちゃん"と改名することも明かされました。
結成から3週間弱という短い準備期間で行なわれた今回の単独ライブ。すーなかが坂口へコンビ結成をもちかける瞬間を映し出したVTRより始まりました。作家に「なんて言ったらいい?」と照れくさそうに訊ねながら、坂口へ電話をかけたすーなか。「坂口、俺とコンビ組む?」「私なんかでいいんですか?」というシンプルなやりとりで結成。VTR中のすーなかは「坂口となら、可能性がありそう。何もないより、可能性はあったほうがいい」と噛み締めるように語っていました。
その後、紺色のスーツ姿のすーなかと真っ赤なスカート姿のまゆみちゃんが登場。すーなかは「男女コンビは嫌ですよ。今日、まゆみちゃんに"このスカートどうですか?"って訊かれて、ちゃんと答えなかったら、今の今まで口を聞いてくれなかった」と語り、観客をほぐします。
「今日はいろんなパターンのネタをやります。もしかしたら、すごい空気になるかもしれないけど、今回はお試しです!」(すーなか)と説明し、まずは漫才を披露。
「もしもの話」をしながら話を進めていく2人。ジョークを飛ばしまくるすーなかに、まゆみちゃんはツッコむでもなく、肯定したり、受け流したり。独特の間でつながれていきます。
ネタ披露後、見届け人として現れたのは、LLRとライス。「中須さんは僕らの1つ先輩で、坂口はライスの1つ後輩。先輩と後輩のコンビのネタを観るのは緊張する」と言いながら、「思うのは、冗談であってほしいということ」と笑うのは、LLR・福田。「まゆみちゃんのスカートも新鮮」と続けると、ライス・田所も「おめかししてましたねぇ」と同調しました。
2本目の漫才冒頭、「僕らよりもつなぎトークのほうがスベってた。勝って嬉しい」と笑うすーなか。まゆみちゃんが20年以上好きだという某国民的アイドルを題材とした漫才で、すーなかはある部分で自信満々だというボケを大声でやり続けますが、思ったよりウケなかった様子。「このネタがいちばんウケると思ったんですけど。15分これで持つはずやったんやけどなぁ」と首を傾げつつ、まゆみちゃんと笑顔でやり切ります。
その後、出て来たライス・関町は「舞台袖に帰ってくる2人が、ニコニコしていていい表情」と感想を。LLR・伊藤も「楽しそうでいい」と言いながら、「怪獣専用の楽屋から、聞こえてたすーなかさんの声、このネタだったんだね」と笑顔。「笑い声も聞こえてたから、スタッフが大勢で笑ってるのかと思ったら、坂口の声だったんですね」と関町も笑っていました。
続く漫才は、また新しいパターンを。すーなかの提案に乗るかと思いきや、拒否するまゆみちゃん。2人とも、それぞれのコンビで培った経験があるとはいえ、怪獣では新たな可能性を見いだすべく、今までのコンビでやっていた笑いとはひと味違うことにチャレンジ。その姿勢に、このコンビへ懸ける思いの熱さが垣間見えます。
が、仲良し故、どこまでも辛辣な福田。「男女コンビで中須さんが相方なら、坂口もよく見えるんでしょう」と言い切ります。実はこのネタ、福田がつくったものだそうですが、「中須さんも坂口も言った通りにやってない。2人とも漫才がヘタ! 俺がやったらあの6倍は受けますよ!」と叱咤。「坂口のほうがまだよかった。中須さん、前半まではよかったけど、結局あの人は演技ができないからなぁ」などぼやき、田所に「すっげぇ不満溜まってるじゃん!」と驚かれます。
4本目は、コント「夫婦」を披露。ある番組へ出演する夫婦ですが、実は夫婦漫才師で......。設定の妙をうまく活かしつつ、笑わせます。
これを見ていた伊藤も「結局、コントじゃなく漫才でしたね」と指摘。福田が「すーなかさん、コント難しいなぁって言ってたけど、やっぱり漫才だった」と言えば、ライスの2人は「坂口のコントはしっくり来た」(関町)「声も大きかった気がする」(田所)と評価しました。
続いては、どっちの見せ方がいいかがまとまらなかったという漫才を2パターン展開。1パターン目はすーなかのボケをまゆみちゃんが笑顔で受け流しつつ、どんどん進めていくもの。もう1パターンはボケに引っかかりを見せながら、戸惑いつつ進めていくというもの。
この2本について、福田は「友達として見たら1本目、漫才師として見たら2本目がいいかな」と言いながら、漫才内ですーなかが披露したボケについて「あれ、なんだったの?」とツッコミ。「中須さん、本当に演技できないなぁ」とぼやきます。
6本目はデートを題材に、まゆみちゃんがツッコミならぬ絶叫を繰り広げる漫才を見せますが、すーなかのボケを待たずに突然叫び出すまゆみちゃん。「普通に間違えた」と笑う2人に、会場も爆笑。
ネタ後、登場した福田も「ネタ間違えるのって、やっぱり面白いよね。いい間違いだった!」と絶賛。も、「中須さんのボケを審議したい」と言い出し、ネタ中のボケに付いて議論しつつ、「中須さんはなんでも大げさに言う。さっきも"まゆみちゃんが開演まで口聞いてくれなかった"って言ってたけど、そんなことあるわけない!」と茶化していました。
最後は、コント「ラーメン屋」。お店を切り盛りする女主人と客が繰り広げる恋(?)模様を、しっとりと見せて笑わせます。男女コンビならではの見せ方に、笑いが起きる中、まさかのオチが!
「嫁も子どもも、嫁の両親も観に来てるから、このネタはなしにしたかった」と下を向くすーなかですが、エンディングでは「今日で方向性が見えた。仕上がりました!」と断言。「もっとやれば、もっとウケるようになるはず」と自信をのぞかせます。
また、ずっと苦言を呈し続けた福田は、すーなかに「よく出てきたなぁ、俺の悪口!」と一喝されるも、「もっとスベると思ってた」(すーなか)「9割スベると思ってた」(まゆみちゃん)と言う2人に、「いやいや、2人とも芸歴重ねてるんだから、それなりにやってもらわないと」と激励。「確かに、今日は芸歴に助けられたところもあった」と認めるすーなかでした。
重大発表として、同劇場を盛り上げるネクストブレイクが期待される芸人で構成される「幕張セブンスターズ」へ、とにかく明るい安村とともに加入が決定! とにかく明るい安村は、来る3月24日(火)、同劇場にて単独ライブを開催することも、VTR内で発表しました。
「今日はだらしないネタばかり見せましたが、来月からはここにいっぱい出ます」と宣言したすーなか。「年内には賞レースもいっぱいあります。みなさんが観に来てくれることによって、僕らはイベントができる。みなさんの後押しが必要です。今日で方向性も決めました。今後もいろいろ応援、差し入れしてください!」と呼びかけると、大きな大きな拍手が起こりました。
【怪獣】