夏の風物詩「88桂文珍独演会」今年も開催!特別ゲストに桂米團治さん
桂文珍が毎年8月8日になんばグランド花月で開催している吉例「88桂文珍独演会」が、今年で33回目を迎えます。7月8日(水)には記者会見が行われ、文珍自ら当日の演目やゲスト、意気込みなどを語りました。
ギリシャの財政危機など時事ネタを絡めた挨拶で笑いを誘いつつ、さっそく演目を発表した文珍。おなじみの"別キャラ"桂珍幻菜(ちんげんさい)が口演する「玄海集落」は、「地方をどう創生するかがテーマ。『限界集落』そのままでは直接的すぎるので、玄界灘を眺める小さな集落を舞台にしました」。さらに文珍として、「花見酒」と「寝床」の計3席を演じる予定です。
「あまりやり手がなかった噺ですが、少し演出を加え生き返った。新しい翼で飛ばしてやることができたかなと思う」という「花見酒」。一方の「寝床」は、「素人浄瑠璃を語りたい人と聴きたくない人がぶつかりコメディが出来上がる。今の言葉で言うと『パワーハラスメント』の世界」と解説を。古典中の古典ながら「一度もやったことがなかった」この噺を今回「やってみよう」と思ったきっかけは、義太夫節の稽古をするうち「難しいゆえやりたくなる、聴かせたくなるという気持ちがわかるようになった」という、噺そのままの実体験だそうです。
お楽しみのゲストは桂米團治さん。本独演会では、今年亡くなった桂米朝さんをゲストに迎えたこともあり、「その時は私が『地獄八景亡者戯』をやらせてもらいました。そんな思い出があるので、今年はそのご子息である"米やん"を呼んでみました」と文珍。今回、米團治さんも同じネタを口演しますが、「彼なりに演出を加えた『地獄八景』を聴かせてくれると期待しています」と話しました。
質疑応答では、「花見酒」を演じることに決めた心境やタイミングをきかれ、「(トマ・)ピケティさんが『21世紀の資本』を出して『格差が広がる』と言って本を売ってさらに格差を広げて帰りはったが、読んでみたら3ページで寝てしまった。さらに『ピケティがわかる本』といったものを読んで、またわからなくなった」とのエピソードをからめながら「経済は難しいという結論に至ったが、難しいからおもしろいやろうと思った」と回答。珍幻菜として落語をやることについては、「芸歴が長くなり『今更そんなネタ』『今更そんなギャグ』と言われるようなことも、名前が違ったらできる」とニヤリ。「この子(珍幻菜)で儲けられないかな、と。吉本と契約してないから、可能性はいろいろあるんちゃうかな」と笑わせます。
そんな珍幻菜のネタ「玄海集落」は、これまで各地で開催してきた独演会で好評を得てきたもの。「これをやると、限界集落に近い会場ほど笑ってくれる。行政の方が、袖で顔をひきつらせながた笑っているのも面白くて。『よく言ってくれた』『実はそうなんです』という声もいただきます」と手応えを感じており、「そんな皆さんの"笑い飛ばす"パワーを感じ、今回、やらせてもらおうかなと思った」と説明しました。
また、もうひとつのネタ「寝床」をこれまでやってこなかった理由は、「(桂)枝雀さんが上手かったからねえ」としみじみ。枝雀さんの弟子である桂南光さんに相談したところ上演を快諾してもらったとのことで、会見後の写真撮影では肩衣を身に着けて「寝床」の世界を再現(?)するなど本番に向けて早くも準備万端のようでした。
今年も恒例の「88桂文珍独演会」で、爆笑とともに"暑気払い"を。皆さん、ぜひなんばグランド花月に足をお運びください!
● イベント概要
吉例 第三十三回 88桂文珍独演会
日時;8月8日(土) 18:30開場 19:00開演
会場:なんばグランド花月
桂文珍 「玄海集落」(桂珍幻菜)
「花見酒」
「寝床」
桂楽珍 「島の医者」
特別ゲスト
桂米團治 「地獄八景亡者戯 前半」
料金:前売・当日とも4500円(全席指定/未就学児のご入場はご遠慮願います)
お問い合わせ:チケットよしもと予約問合せダイヤル☎0570−550−100(10:00〜19:00)
【桂文珍】