大盛況! 高山トモヒロ、波岡一喜さん、iLHWAさんが登場した『ベイブルース~ 25歳と364日~』DVD発売記念トーク&サイン会!
7月22日、タワーレコード難波店にて7月8日に発売されたばかりのDVD『ベイブルース~25歳と364日~』発売記念トーク&サイン会が行われました。会場には作・監督の高山トモヒロと、ゲストに高山役を演じた波岡一喜さん、映画の主題歌を担当したiLHWA(イルハ)さんが登壇しました。
「本日は雨の中、DVD発売ベントに集まってもらってありがとうございます」とご挨拶する高山。すぐに声色を変えて「僕...この映画の監督なんですよ...」と恐縮気味に発言したかと思うと、「MCせえ言われて...!」とイベント前にMCも担当することになったと一言。そして王道のMC口調で「さあ! それでは! ゲストをご紹介します!」と波岡さん、iLHWAさんをお呼びしました。
高山の挨拶にもあったように、大阪はあいにくの雨。波岡さんは「台風ですか!?」と何度も聞いておられましたが、高山、iLHWAさんから「違う!!」とその都度、ツッコミを受けていました。iLHWAさんは主題歌を歌われた他、本作のエグゼクティブ・プロデューサーでもあり、映画全体を管理するお立場でした。高山はiLHWAさんとともに、約半年をかけてロケーション・ハンティング、キャスティング、エキストラの調整などを行い、撮影に向けて動いてきたと当時を振り返りました。
映画を撮影したのは、今からちょうど2年前。「僕がインドネシアでジンベイザメと泳いだロケから帰った年でした!」と波岡さん。撮影期間は約2週間でしたが、そのうち一日だけ、お休みがあったそう。それは、波岡さんが他のお仕事が入っていたためで、「インドネシアでのロケの『VTRどうぞ!』って言うためにスタジオに行かなあかんかってんな」と高山。撮影がタイトだっただけに、この休日はいい息抜きになったそうです。
そした「高山役はどうだった?」と改めて波岡さんに尋ねる高山。「いや~、台詞の量が尋常じゃなかったです」と波岡さん。物語は感情移入ができてとても好きだったそうですが、台詞の多さに圧倒されたとのこと。「相方である河本栄得さんの役をやっていた趙 珉和(ちょう・たみやす)くんは寡黙な役なので、まあしゃべらないんでんですよね。僕ばっかりしゃべるんです。だから日々台詞に追われてました」と当時の状況を明かしました。
劇中、役作りのために髪の毛を坊主にした波岡さん。「坊主にしたのは、なかなか楽しかったですね。まだいけるかなと思って坊主にしたんですけど、(年齢的に)無理でしたね」と感想を語られましたが、会場に集まったお客様から「似合っていた」という拍手が沸き起こりました。
「残り2日で坊主のシーンの撮影をしなければいけなくて。それまでに撮りこぼしがあってはいけなかったんです。でも...実は1ヶ所あったんですよ。最後の回想シーンで、家の中で寝ているところ」という高山の告白に、「あー、だから(波岡さんは頭に)タオル巻いてたんだ」とiLHWAさん。「ありました、ありました!」と波岡さんも思い出し、「あのシーン、髪の毛ないとだめなのに坊主にしてたから。タオル巻いて」と盛り上がりました。その時、カツラも用意されたそうですが全く似合わず、タオルを巻くという演出に変わったそうです。
苦労話や失敗談も、過ぎてみれば楽しい話に変わってしまうもの。「僕らは楽しかったですけど、全体を見る立場としてはどうでしたか?」とiLHWAさんに高山が尋ねると、「"ここで撮影が延びたら、またお金がかかるな"とか、そんなことばっかり考えてました(笑)」とのことでしたが、撮影は実際、10日で終えたそうです。高山は「あれ、10日やったんですか...!」と改めて驚いた様子でした。
そしてこのDVDは、本編もさることながら、特典映像もぜひ見てほしいと声を大にする高山。撮影期間中、ずっとメイキング用のカメラが入っており、その映像も収録されています。ただ、タイトルに一言あるようで...。「タイトルを見て、"え?"って。『泣き虫監督の奮闘気』って! なんやねん、あのタイトル!」と納得できない様子ですが、「実際、よう泣いとったで」とiLHWAさん。高山は撮影中、波岡さんとハグして泣くことが多かったそうです。ですが、趙さんとはそんなにハグしなかったとか。「どこかあんねやろうね。若い頃の相方やしみたいなのがあるのかも」と照れたように話していました。ちなみに、プロデューサー目線から見たメイキング映像は「『情熱大陸』みたいでよかったです」(iLHWAさん)とのことでした。
波岡さんは特典映像のメイキングを見て、泣いてしまったとか。「病院のシーンは強烈でしたね。撮影では僕もうわーって芝居をしてるから、監督がどんな感じでモニター見てるのかわかってなかったんです。でも特典映像を見たら、モニターを見ながら監督も涙こらえていて。"あ、こうなってたんや"って思ったら、またぐっと来ました。家で見てたんですけど、夜中3時くらいに。翌朝7時に起きなかあんのに...とか思いながら(笑)」。そして高山と二人、「特典映像のメイキングは夜中に見るとぐっと来る」と盛り上がり、高山も同じく、夜中に見て泣いてしまったそうです。「それを見て嫁が"うわ、きっしょ、はよ寝えや"って」と、笑いを誘っていました。なお、高山は波岡さん、趙さんの迫真の演技にプロ根性を見て、感動して泣いたのですが、奥さんには「自分の姿を見て泣いてると思われた」とのことでした。
また、本編ではNGワードの連発で大幅カットとなった雨上がり決死隊・宮迫のシーンも見どころだと語る高山。宮迫との二人での芝居には、「宮迫さんが何とかしてくれると思ったので不安じゃなかったですね」と振り返る波岡さん。安心して、ゆだねていたそうです。撮影では前述のとおりNGワードの連発。「本編に使えない」と高山が言うと宮迫は、「『いや、河もっちゃんも、こんなん好きやろ?』と、かっこよく言い残し、東京に帰っていったとか。特典映像ではそのお蔵入り映像も収録されています。こちらもぜひお楽しみください!
実はiLHWAさん、本編でラジオのディレクター役でも出演されています。「最後、ラジオで相方が亡くなったと発表して、シーンとなる場面。あそこは台詞がなくて、体だけで演技するのは難しくなかったですか?」と高山が聞くと、「前の日にすごく考えましたね。で、できたのが"手を崩す"という演技です。演技といっても2秒か3秒くらいのものだったので緊張はしなかったんですけど、どうやって伝えようかなと考えていましたね」と、当時の心情を明かしました。
『ベイブルース~ 25歳と364日~』は2014年の沖縄国際映画祭に出品され、同年には京都国際映画祭でもプレミアム上映が行われました。そして2014年10月31日、河本さんの命日であり、誕生日前日であるこの日に全国公開されました。この発売記念トークでは、沖縄映画祭でレッドカーペットを歩いた話や、舞台挨拶での思い出話でも盛り上がりました。中でも、東京で行われた舞台挨拶では二日酔いで登壇した高山。それにはワケがあったようで...。
「舞台挨拶では、河本の映像に合わせてコントをするというもので。前の日の夜も稽古してたんです。それでテンションが上がってて。そら、20年ぶりに河本の顔見て、ネタ合わせして、そこからホテル帰って寝ろといっても眠れないですよ。同期と飲みに行って、あの時ああやったな、こうやったなと言って話してたら、あのざまや...」と高山。そのコントは酔っ払いの役だったそうで、同じく舞台挨拶に登壇していた波岡さんは「演技めっちゃうまいなって思ったんですけど、"そうや、ほんまに酔っ払ってたんやってなりました(笑)」。高山がどれだけ酔っ払っていたかも特典映像で一目瞭然。こちらもご期待ください!
沖縄国際映画祭でのレッドカーペットはいい思い出になったと高山とiLHWAさん。
高山「波岡くんはこれからもあるでしょうけど、僕らは人生でレッドカーペット歩くことはそうないです。......また歩きます?」
iLHWAさん「頑張ります?」
高山「もう1本撮ります?」
波岡「よろしくお願いします!」
というやり取りも交わされました。
このトーク&サイン会には高山の娘役を演じた漫才コンビ、小二小町のかきうちこりんちゃんとミズキングことみずきちゃんの姿も。久々の再会に高山らは「大きくなったな~!」と目を細めていました。
「DVDまで絶対行きたかったんです。映画公開でゴールかなと思ってましたけど、DVDって形に残るじゃないですか。そこまで行ってベイブルースはゴールかな」と語る高山。「"ここまで行ったし、カッコええやろ?"って河本に言えると思って。なので、DVD化されたことがすごく嬉しいです!」と最後に喜び語りトークは終了。その後は、来場されたお客様との会話を楽しみながらのサイン会で盛り上がりました。
結成まもなく、数々の新人賞を獲得し、お笑い界の担い手と嘱望された若手漫才師、ベイブルースが駆け抜けた青春をぜひ、DVDでもお楽しみください!
『ベイブルース~ 25歳と364日~』
商品番号:YRBN-90944
本体価格:3,800円+税
<あらすじ>
かつて風の様に時代を駆け抜けた若き漫才師がいた。彼の名前は河本栄得。
高校時代の同級生である相方の高山知浩と共にNSC(吉本総合芸能学院)の門を叩き、7期生として雨上がり決死隊、トゥナイトのなるみ、矢部美幸(ナインティナインの矢部浩之の兄)と机を並べる。卒業後はコンビ名を「ベイブルース」と改め、上方お笑い大賞最優秀新人賞やABCお笑い新人グランプリなどの新人賞を次々と獲得。当時の若手有望株の筆頭に躍り出た。歌手としてCDリリースも決まり、ベイブルースは将来を嘱望される漫才コンビとなっていった。
漫才に対する姿勢は同期の中でも群を抜く厳しさで、寝る間を惜しんでネタ作りと漫才の練習に打ち込む日々。ボケとツッコミのタイミングも徹底的にこだわり続け、コンピューター並みの正確さを追求。自分のボケに対して期待通りのツッコミをしなかったと、相方の高山を怒鳴りつける事も多かった。人は河本の事を"天才"とも"悪童"とも評し、畏敬の念を以て彼と彼らの活躍に目を見張った。
しかし、今、彼の姿はない。何もかもが絶好調だった1994年秋、河本はテレビのロケ中に体調不良を訴え、入院。それからわずか2週間の10月31日、劇症肝炎による脳出血の為、25年と364日の生涯を閉じた。その短い人生の幕を閉じた彼の生き様は激しさと優しさに溢れ、今だ芸人たちの心に生き続けている。
25年の短くも熱い人生を生き抜いた、伝説の漫才師の壮絶なる実話である。
<特典映像>
・メイキング 泣き虫監督の奮闘記!
・舞台挨拶映像集(第6回沖縄国際映画祭/京都国際映画祭/初日舞台挨拶/公開二日目舞台挨拶)
・芸人仲間からのメッセージ集(FUJIWARA/千原ジュニア/星田英利/桂三度/ほんこん)
・予告編
・ベイブルース復活!漫才 1991/6/1放送「お笑いネットワーク」(読売テレビ)より
・永久保存版!河本栄得&高山トモヒロ ― ベイブルース本人映像がDVDで蘇る!
・主題歌「声のしるし」ミュージックビデオ 高山トモヒロ監督が映画のロケ地でミュージックビデオを撮りおろし!
<出演>
波岡一喜、趙 珉和、小川菜摘、安田美沙子、柳憂怜、申相祐、山口馬木也、仁科貴、iLHWA、かつみ♥
梶原雄太(キングコング)、遠藤章造(ココリコ)、宮迫博之(雨上がり決死隊)、オール巨人(オール阪神・巨人)、石田えり
<監督> 高山トモヒロ
【高山トモヒロ】