さんまファミリーの逸話満載の新刊『深夜ラジオとひょうきん族と』が好評! 前田政二さんインタビュー
ダウンタウン、トミーズ、ハイヒール、内場勝則らと同じ吉本総合芸能学院(NSC)一期生にして、現在は放送作家、NSCの講師として活躍する前田政二。
ヤンキー漫才で人気を博した「銀次・政二」解散後は、『オレたちひょうきん族』で、Mr.オクレ、村上ショージとの「何人トリオ」で『ラブユー貧乏』コーナーを担うなどの活躍もありました。
そんな前田による新著『深夜ラジオとひょうきん族と - ラブユー貧乏たちとおバカな事件簿 -』が、7月10日(金)にヨシモトブックスより発売。
タイトル通り、前田の体験した明石家さんまや、Mr.オクレ、村上ショージ、ジミー大西らさんまファミリーのとっておきエピソード、貴重な写真が満載です。
さんまファンやお笑いファンはもちろん、広く話題となっている本書について、前田政二に話を伺いました。
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――『深夜ラジオとひょうきん族と』の発売、おめでとうございます。改めてこの本が生まれる経緯からお聞かせください。
前田 はい。もともと明石家さんまさんのグループでずっと動いてて、そうすると面白い事件がいっぱい起きるんですよ。約3年前に『ノーブランド』(ヨシモトブックス)というNSCの一期生についての本を出したんですが、周囲から「第二弾は?」みたいなことを言われてて、第二弾はさんまさんのまわりで起きた事件のことを書きたいっていう野望はずっとあったんですね。
去年の1月か2月くらいに、やっぱり書こうと思って、3月にさんまさんにお会いして、「若(わか)、さんまファミリーのなかで起こったバカな事件ばかりまとめた本を出していいですか?」って訊いて許可を頂きました。
――書き上げたものは、さんまさんは目を通されたんですか?
前田 一応、ゲラ(校正用に刷ったもの)を読んでもらったんですが、「お前のアホみたいな話、ほとんど載ってないやないか」って言われました。「僕の話を書いても読む人は興味ないので(笑)、僕がいた時に起きた事件を僕目線で書く形にしたいと思ってます」と言って、「そうか」って答えていただきました。
――オクレさんやショージさん、ジミーさんへは?
前田 名前が出てくる部分を読んでもらって、「これやったらええぞ」っていう許可をもらいました。ありがちですけど、「俺にはなんぼくれんねん?」とか、そんなことばかり言ってました(笑)。「3万部を超えたら、還元できます」とは言っておきましたよ。
――「ラブユー貧乏」の世界ですね(笑)。『深夜ラジオとひょうきん族と』というタイトルですが、深夜ラジオとは現在も続いている『MBSヤングタウン』のことですよね?
前田 そうです。『ヤングタウン』、『ヤンタン』を通して、さんまさんを好きになって、さんまさんと出会ったところがあり、『オレたちひょうきん族』でさらに一緒になることが多くなったので、このタイトルにしました。『ヤングタウン』は有名な長寿深夜ラジオ番組ではあるんですけど、地域的に知らない人もいっぱいいて、「ヤンタン? 白いウサギのアニメ?」「それノンタンや」みたいになったらイヤなので(笑)、わかりやすくこうしました。
――さんまさんは現在、土曜日担当ですけど、当時は月曜日の"ヤン月"担当でしたね。
前田 そうです、さんまさん、長江健次くん、びわりん(大津びわ子さん)、伊東アナウンサーという布陣でしたね。「何人トリオ」以前からスタジオ見学へ行ってたんですけど、そのうち「スタジオ、入って来い」みたいなことになって、徐々に出演者になっていった感じですね。他の曜日も原田伸郎さん、笑福亭鶴瓶さんなどが担当して、盛り上がってましたよ。
――『ひょうきん族』はもちろん『オレたちひょうきん族』のことですが、リアルタイムで見ていない世代でも、楽しめますでしょうか。
前田 そうですね。今のさんまさんしか知らずに、今のさんまさんが面白いっていう若い子もいっぱいいると思うんですけど、「昔からこんな感じの人やったんだ」っていう話もいっぱい出てきます。あと、35歳より上の世代だと、コアなさんまさんファンっていっぱいいるじゃないですか。そういう方でも、いろんな事件を通して、「さんまさんってこんな時、こういう行動取る人なのか」「こういう時、怒る人なんや」って、初めて耳にするような話がいっぱい出てきます。
――「人前で眠らない」「自分の出演VTRで爆笑する」といった都市伝説的な話もありますが。
前田 その辺の真相もわかりますよ(笑)。
――初の著書となった前作『ノーブランド』では、若き日のダウンタウンらNSC一期生の青春群像を、今回はさんまさんとさんまさんの周辺について書きました。気が早いですが、第三弾の構想は?
前田 次に出すとしたら、暴露本じゃないですか(笑)。墓場まで持っていけない話を書こうかな?(笑)
――NSCの教え子たちのエピソードをまとめた本も面白そうですよね。
前田 それも考えてはいますね。こいつらはこうやったみたいな。NSCに入ってきて、直感的に「5年位内に売れる!」と思った子は、前田選抜クラスというのに入ってもらって、ネタ以外のこと、売れてからの立ちふるまいみたいなことを教えるんですよ。最近では、8.6秒バズーカーは前田選抜でした。授業の時に、1回だけリズムネタと違うようなことをしてたから、「違う違う! お前らとりあえずそれ(リズムネタ)で押せ。誰に何言われようがそれで押せ」みたいなアドバイスはした覚えがあります。ただ、こんなに早く売れるとは思わなかったですけど(笑)。
――東京校と大阪校、両方のNSCで講師をされているので、かなりの数の教え子がいますよね。
前田 大阪は19期の途中、東京は12期から教えてますね。チーモンチョーチュウは大阪の23期生で入ってきたんですが、僕、めったに言わないけど、「お前ら、東京向きやわ」って言った覚えがありますね。
――直感的にそういうことがわかるってすごいことですね。
前田 ただ、NSCを卒業して、荒波にもまれているうちに、ジワジワくるスロースターターもいるんですよ。ソラシドがいい例で、ボケの本坊は、まともに話が出来ないくらい恥ずかしがりでした。「かわいそうやけど、絶対無理やろうな」って思ってたんですが、卒業してから荒波にもまれているうちに、ちょっとずつ面白くなってきましたもんね。卒業の時期に、そういう例を上げながら、「5、6年くらいは、何があっても続けろ」って言いますね。
――貴重な話をありがとうございます。第三弾も期待しております!
●書籍情報
『深夜ラジオとひょうきん族と - ラブユー貧乏たちとおバカな事件簿 -』
著者:前田政二
ヨシモトブックス(http://shop.wani.co.jp/detail.php?Item_ID=3807&Item_Code=c0a3f2326be519cdaac27a8c3f38bf10)
定価:1404円(税込)