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2015年8月27日 (木)

ココリコ・田中、広大准教授の長沼毅さんと生き物について熱くトーク! 『ココリコ田中×長沼毅 presents 図解 生き物が見ている世界』刊行記念トークショー&サイン会

8月16日(日)、東京・紀伊國屋書店本店にて、ココリコ・田中直樹と広島大学准教授の長沼毅さんが、共著『ココリコ田中×長沼毅 presents 図解 生き物が見ている世界』(学研パブリッシング刊)の出版記念トークショー&サイン会を開催しました。

「生き物たちの目に、この世界はどう見えているのか?」という疑問を持った田中が、科学界のインディー・ジョーンズという異名を持つ長沼さんの賛同を得てスタートさせ、2年半の歳月を経て完成させた本著。人間はもちろんのこと、動物園で人気のゾウやライオン、ペットとしても愛されている犬や猫などのなじみ深い生き物から昆虫、は虫類、鳥、魚にいたるまで全34種類の"生き物が見ている世界"がオールカラーのイラストにて掲載。小学生や中学生はもちろん、大人も楽しめる充実した内容となっています。

小さいお子様とそのご家族、学生や年配の方など、幅広い年齢層の方々が参加してくださったトークショー。
「本日はお越しくださって、ありがとうございます」とまずは感謝を述べた田中は、「元々、家で飼っているダックスフントが見ているところから派生したもので、自分のやりたいことがめちゃくちゃ詰まった本なんです」と説明しながら、「だから来てくれて、本当に嬉しいです!」と再び来場に感謝。「(興味があるといえど)いち芸人がつくれるものなのかと思っていたところで、長沼先生に相談したら"面白いね。なんでも手伝うよ"と仰ってくれた。先生がいないと実現しなかったものなので、この場を借りてお礼を言いたいです」と、隣りにいる長沼さんにも頭を下げます。
長沼さんは「いちばん大事なのは、言い出しっぺであること。"こんな本がつくりたい"というスタートが大事なんです」と、田中の提案を賞賛。「いろんな人の話を聞いて、言葉を借りてつくった本で、生物学としてもプロの内容が詰まっています。読んで楽しく、観て楽しい。そんな本をつくることができて嬉しいですし、我々と喜びを分かち合っていただければ嬉しいです」と挨拶しました。
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今回は著書内に描かれたイラストを用いて、より詳しく動物の観ている世界を語っていくことに。
まずは、ダックスフントの見ている世界を紹介。
自分のイラストを指した田中が「たぶん、イラストレーターさんが気を使ってくれたのか、いつもよりしゃくれてないんです」と話すと、ドッと笑いが起こります。田中の説明によれば、人よりも広い視野を持つ犬ですが、色としては赤と緑の認識が難しいらしく、どちらも茶色っぽい色に見えていいるんだとか。
長沼さんが「人は三原色に相当する遺伝子を持っているから、色彩豊かに見えるんですね。だけど、犬は二原色しかないのでカラフルな世界が見えないんです。では、盲導犬はどうやって赤信号を認識しているのか。あれはねぇ、光っている場所で(とまらないといけないと)覚えているらしいですよ」と補足説明すると、田中は「先生はなんでも答えてくださるので、質問があれば随時おっしゃってくださいね」と呼びかけ。長沼さんも「夏休みの自由研究を、この場で終わりにするくらいの気持ちで質問してください」と微笑みます。
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続いては、ライオンの見ている世界を。
田中が「見えている範囲は狭いかもしれないけど、距離間をつかめるために前のほうについてますよね」と言えば、長沼さんは「ライオンは長く走れないので、より速く走って追いついて獲物を引きずり倒すんだけど、行って捕獲できるかどうかの距離間を感じるための目を持っているんです」と説明します。
すると突然、「チーターのたまらないなと思うポイントを言ってもいいですか?」と言い出す田中。「長い尾での方向転換だったりと走れる体を手に入れていて、小さい頭が風の抵抗を受けることもぶれることもないから獲物を捕らえやすいんですけど、頭が小さいから噛む力が弱くて完全に仕留めきれないうちに、ハイエナやライオンに横取りされるっていう(笑)。そこに胸が熱くなる。生き物って素敵やなって思うんです!」と嬉々として語ります。そんな話を笑いながら聞いていた長沼さん。「特化した部分が吉と出るか凶と出るかはわからないんですよね。テングザルって鼻がデカくなればなるほど女性にモテるらしいんですけど、デカくなり過ぎた雄は(鼻を手で)どけながら食べなきゃいけない。そういうところは面白いですよね」と賛同していました。
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また今夏、各地の海岸に出現したサメについても言及。
「サメの見ている世界は、白黒であろうと。海の中はあんなに色鮮やかな世界なのにね。ぼやけて見えるから、人を亀やアザラシと間違って襲ってしまう」と田中。「出会わないことがもちろんなんですけど、もしサメに出会った時はどうしたらいいんでしょう?」という質問に、長沼さんは「本来、魚はもう少しカラフルな世界を持っているんだけど、サメは進化が早かったから、振動や匂い、電気的なものを感じながら周りの環境を認識してるんです。だから、サメの世界観で出会う時、私たちは見えてないんだけど、バチャバチャ慌てると振動になるでしょ? あと、怪我していたら(血が出るので)匂いの世界に(人間の存在が)入っていく。サメの世界観に入っていかなければいいので、(出会っても)バチャバチャしない。悠然とゆっくり泳いで去るのが正しいと思います」とアドバイスします。
熱心に聞いていた田中は「サメの前で悠然といるなんて、なかなかの強いハートがいりますねぇ」と言いつつ、「この時期、蜂も多いですよね。出会うと動いちゃいけないって言われますけど、動かないでいるって心臓はバクバクですよね」と問いかけ。すると、長沼さんは「蜂は紫外線が見えるので、安物の洋服というか化繊は、紫外線を出すから見つけられてしまうんです」と返答。「え! 安物の服は、蜂をおびき寄せるんですか?」と驚く田中に、「木綿は大丈夫だけどね」と頷く長沼さんでした。

そのほか、シマウマや深海魚、トンボ、カメレオンの見ている世界も解説したのち、参加者からの質問に答えました。
「人間は赤外線や紫外線が見えないけど、昆虫は見えますよね。それぞれ、なぜそのように選択したんですか?」という質問に、長沼さんは「理想からいえば、なんでも見えたほうがいいですよね。でも、進化は結果論なの。昆虫にある紫外線を通して見ると、(昆虫にとって必要な)花が見えたということで。それって結果としての組み合わせなんですよね」と返答。すると、田中は突然、質問してくれた方に「紫外線と赤外線、どっちが見たいですか?」と問いかけ。「紫外線のほうが不思議な感じがある」という返しに、「そうかも!」と大いに納得の様子です。
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女の子からの「羊の見ている世界は?」という質問には、「羊は草を食べる生き物なので、シマウマに近いんじゃないかなと思います。が、まだ調べてないので、これから調べます」と長沼さん。田中が「羊って仲間と一緒にいることが多いじゃん? 襲う動物が来て一頭が走り出したらみんな、走り出すけど、真ん中で走ってる羊は自分がなんで走ってるのかわかってないらしいよ!」とまめ知識を挟むと、クスクスと笑いが起こります。
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「深海魚は目がいらないのに、なぜ大きいのか」という質問には、田中も興味津々。長沼さんが「深海の定義は水深200メートル。植物的に光合成はできないんですけど、深海1000メートルまで光は届くから、そこまではトワイライトゾーンといって、完全な深海とは言わないんですよね。だから、そのトワイライトゾーンにいる魚の目は大きくなる。淡い光で観ようとするんでしょうね」と説明すると、田中は「深度で変わってくるんですか。深海ザメって目が大きいものは多いですけど、意外と光って届いてるんですね」と関心していました。

「デメニギスはどう見えてるんですか?」と問われた瞬間、「うわぁ! デメニギス! お好きなんですか?」とテンションを上げる田中。「デメニギスは頭とか中の器官が透けてて、飛行機のコックピットみたいな感じかな」と説明すると、長沼さんは「やってみます!」と形態模写しながら解説。「うわぁ! 先生のデメニギスが観れるとは!」と興奮しきりの田中でした。
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書籍情報
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ココリコ田中×長沼毅 presents 図解 生き物が見ている世界
著者:ココリコ・田中直樹、長沼毅
価格:1500円(税別)
発刊:学研パブリッシング



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