ポテト少年団は「家族」「青春」... ラストステージ直後の3人へインタビュー
9月30日(水)、東京・ルミネtheよしもとでの夜公演の出番をもって、ポテト少年団が解散をしました。
ポテト少年団
(左から、中谷貴寛、菊地智義、内藤輝彦)
修学旅行生の団体客が来場したこともあり、前売券は完売、立見席もごった返して、熱気に包まれていたこの日のルミネtheよしもと。
終盤に登場したポテト少年団は、中谷の「おげんこおげんこ~!」という挨拶、パーティグッズのメガネという黄金パターンで、さっそく客席のハートを鷲づかみにします。
そして、代表的なネタでもある自己紹介替え歌、夜道の一人歩きとつなぎ、菊地のメガホンツッコミのたびに爆笑を起こしていました。
拍手に包まれながらネタをやり遂げますが、解散などには触れず、通常のルミネの出番をやり遂げたポテト少年団。
その直後、芸人仲間、関係者が大勢駆けつけた楽屋にて合同取材会が行われ、現在の心境、今後への展望などが語られました。
* *
――お疲れ様でした。ポテト少年団としてのラストステージを終えた感想からお聞かせください。
中谷 いいお客さんでよかったです。手前味噌ですけど、そんだけウケんのにもったいないなと思いました(笑)。
内藤 いやー、よかった。俺らも芸人やってて、ルミネに1日出るのがみんな好きだったのでね。
菊地 前半、疲れちゃうんじゃないかっていうくらい盛り上がってたんで、最後まで盛り上がってる感じで、助かりました。スベって終わるのだけはイヤだったので(笑)。
――お馴染みの「自己紹介」ネタでしめくくりましたね。
菊地 ルミネは有名人がいっぱい出ている中、自己紹介はちゃんとやらないとっていうので、最後にそこだけ急に変えるのも気持ち悪いなと思いまして。
中谷 "忘れないで"っていう思いも(笑)。
内藤 いつもやってたオーソドックスパターンでやりましたね。
――修学旅行生も多く、今日初めてポテト少年団を知った方もいたでしょうが、解散も告げずにネタを終えましたね。
中谷 学生からしたら、全然知らないトリオのおっさんが解散するって言っても、混乱するかなとか。
菊地 逆によかったです。最後の日、ワーって集まるよりは、僕ら、始めから修学旅行生の前でやるの好きだったので。
――トリオ結成から15年。思い出もたくさんありますよね。
内藤 仕事で言ったら、佐久間一行さんとのツアーとか?
菊地 それは毎年、夏の恒例イベントみたいなイメージはありましたね。
内藤 俺らが初めてロケに行かせていただいた時に、中ちゃんが遅刻したっていうのがあるね。めったに遅刻しないんですよ。
菊地 まあ、遅刻したことない、なんだったらいつも早すぎっていう奴が、初めてテレビでロケみたいな仕事の時に、一人だけ来ないってなって。
中谷 緊張してね。寝られなくて寝られなくて、寝っちゃったら起きられないっていう(笑)。
菊地 よしもとの一大イベントの『LIVE STAND』の時も遅刻して。
中谷 『LIVE STAND』に遅刻したらめちゃめちゃ怒られるって聞いてたんですけど、普段遅刻しないんで、社員さんみんなが、「大丈夫やった?」って心配してくれました。あとは、『M-1グランプリ』で初めて準決勝に行った時、前のブロックの最後が安田大サーカスさんで、うわーって盛り上がって、僕らが出ていったら(ネタで使った)紙吹雪が残ってて。あのインパクトの後に出てって、「あ、俺って普通やな」って思いました(笑)。
菊地 余談ですけど、そこでビックリしたのは、クロちゃんが、舞台袖で「クロちゃんです!」って、あれ練習してんだ!(笑) ププってなりましたね。
――9月8日放送の『芸人報道』で解散を発表されたわけですが、今日までどんな心境で過ごされてましたか?
内藤 僕はそこまでいつもと変わらない感じで、今、やっと解散の実感が湧いてきた感じです。
菊地 過去にも解散する芸人を見てきたんですけど、解散を発表すると、それにともなった仕事がバババって入ってくるよっていう、解散バブルみたいな話聞いてたんですけど、我々に関しては何もなかったです(笑)。
内藤 通常興業だったね(笑)。
――中谷さんは芸人を辞められるそうですが、今後の予定は決まっているんですか?
中谷 今日の出番が終わってから考えようとずっと思っていて、その前に考えたり決めたり実感持ったりすると、残りの仕事がモチベーションが持っていけなかったので、明日から考える感じです。
菊地 なかなかこんな顔の一般人いないですよね。それはそれで心配なんですよ。
内藤 普通の顔になっちゃったりしてね(笑)。
――『芸人報道』では、カラテカの入江さんが作る人材派遣会社の副社長にというお話も出ていましたが。
中谷 まだ話し合ってないですが、会社決まってないのに副社長になっちゃった(笑)。入江さんにはずっとお世話になってるんで、心配してくれてますね。副社長の話もそうですけど、「他の仕事も紹介できるから、中谷くんのやりたいことフワッとでもいいから教えて」とは言われました。
菊地 入江さんとどうすんだろ(笑)。
――菊地さん、内藤さんはもう送り出す気持ちになってるわけですね。
内藤 そうですね。最初、解散したくないって言いましたけど、今はもう完全に。普通に仕事してもちゃんとできそうだよ。真面目だからね。
菊地 誰かついていくボスみたいなものを間違えなければ、確実に成功すると思う。
内藤 今のところ入江さんだから...。
菊地 危うい...。
中谷 コラ!(笑)
菊地 言われたこととか与えられたものとか、しっかりこなせる奴なんで、そこは大丈夫かなと思いますけどね。
――例えば、(持ちギャグの)おそば関連のお仕事とか?
中谷 おかしいでしょ!(笑) 今後、「中谷さん、今何やってんの?」って後輩らで話した時に、「そば屋らしいで」って言ったらウケるでしょうけど。
内藤 おそば屋さんは、リアルにあるかもしれないよね。もしかしたらだけど。
菊地 職人としてね。
――ちなみにガリットチュウ・熊谷さんが中心のライブ『熊谷できない組』への未練はありませんか?
中谷 楽しいライブやったんで、寂しさはありますけど、ずっと感じてたんですよ。ライブやってて、ホントにできないのは俺だなって(笑)。みんな結構できはるんで。
――ナベさん、中谷さんの2名が抜けて、心配などは?
中谷 熊谷さんがいるんで大丈夫やと思いますけど。あと、僕より人気ある後輩が入ってくるので、安泰やと思いますよ。
――一方、菊地さんは、"レプロ芸人"の異名があるように、アイドル関連の活動を広げていかれるのでしょうか?
菊地 そうですね。アイドル好きが高じて、いろんな仕事をやらせてもらってるんで、もちろん伸ばしていこうとは思ってるんですけど、一人でやるからにはネタとかも考えたいなとは思ってるんですけどね。まだ芸名とかも考えてないですが。
――10月の出演イベントには、「ポテト少年団菊地」と表記されてますね。
菊地 とりあえずは「ポテト少年団菊地」でやって、芸名とかこの先どうするかを考えるライブをやる予定なので、ぜひいらしてください。
――今日も、レプロ所属の9nineさんのメンバーがいらしてたみたいですね。
菊地 合間をぬって来てくれて、ありがたいですね。
中谷 最初出会った頃よりも売れてはるんで、今日来てもらった時に緊張しました。どうやってしゃべってたかなって(笑)。
内藤 大人になったね。
――内藤さんもピン芸人として活動していくわけですね。
内藤 はい。僕もこの先のことは全然考えてないんですけど、なんかあればやりますし、ホント何も決まってないです。マジで0なんで。
――『芸人報道』では、ピンネタとかは作ってないともおっしゃってましたね。
内藤 今も作ってないですし、作ったこともないんですよ。『R-1(ぐらんぷり)』は出たことありますが...。
中谷 めっちゃスベったね(笑)。
内藤 スベった(笑)。芸名は本名の「内藤輝彦」でお願いしていまして、『R-1』もやっていくかもしれないですし、明日から考えます。
――改めて、ポテト少年団とはどんな存在ですか?
中谷 他人同士じゃないような感じはしますね。家族みたいな、2人のお兄ちゃんのなかに俺が入ったと思って、頼りすぎていろいろ怒られましたけど(笑)。
菊地 家族っぽさはあったね。俺からしたら2人の息子を連れて、お父さんもお母さんも俺一人でやらせてたみたいな感じはありましたけどね(笑)。ダメな息子のおかげでいろんな楽しい話があって、助かりました。
内藤 仲よかったから、青春じゃないけど学生時代の延長みたいなところはありました。良くも悪くもだったかもしれないけど。
中谷 最初の頃、内藤と2人でよくナンパとかいってたりしてましたね(笑)。
内藤 青春が長くて楽しかったですね。
――本当に仲の良いトリオでしたね。
内藤 逆にもっとケンカとかした方がよかったのかな?
菊地 解散ってギスギスするもんかなと思ったんですけど、意外とそうでもなかったですね。
――それでは最後に、これまでポテト少年団を応援していたファン、読者へメッセージをお願いします。
内藤 今までありがとうございました。基本、ポテト少年団っていうのは、入れ替わり自由なコンセプトで始めたので、もしかしたらどこかの形で、いろんな人が替わって残っていくのかもしれないですけど。
中谷 今0人?
内藤 今のところ0人だけど、もしかしたらどこかで復活するかもしれませんよ(笑)。
菊地 本当にありがとうございました。ただ僕、芸人を続けるんで、そのまま応援していただけたらうれしいです。この先もがんばります。
中谷 今まで応援してくれた方には、本当にありがとうございました。味あわせてもらったこと、経験をさせてもらったことを踏まえて、これから精一杯生きていきたいと思います。
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