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2015年10月24日 (土)

品川ヒロシ、映画監督としての夢を語る! 第28回東京国際映画祭提携企画「2015東京・中国映画週間」日中若手映画監督及びプロデューサーによるトークショー

10月24日(土)、東京・TOHOシネマズ日本橋にて「中国若手監督作品『十二公民』上映&日中若手映画監督及びプロデューサーによるトークショー」が行われ、品川ヒロシ監督、桝井省志プロデューサー、シュー・アン監督、ウー・イェンイェンプロデューサー、リ・イン監督の5名が登壇しました。

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本イベントは第28回東京国際映画祭提携企画「2015東京・中国映画週間」の一環で開催されたもので、中国の若手監督の代表作としてシュー・アン監督の『十二公民』が上映されたあと、「若手監督の育成と未来」をテーマに日中の監督と彼らを支援・育成するプロデューサーらによる熱いトークが繰り広げられました。

進行役のリ・インさんは、日本で活躍中の中国人監督。今の中国の若手監督の現状を「大変厳しい時代」と話した上で、ウー・イェンイェンさんに呉天明青年電影専項基金の考え方について尋ねます。

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ウー・イェンイェンさんは、「中国はこの1年、映画の興業実績が伸びている。でも、マーケットが大きいからといってすべての映画の質がいいとは限りません」と語り、「今の若手監督たちの成長を手助けするべく呉天明青年電影専項基金があります」と続けます。

シュー・アン監督は映画監督になる前はずっと舞台劇の仕事をしていたそうで、資金が足りないときは自分で役者をしたり脚本を書いたりしていたんだとか。その経験が映画監督をする際にも役に立ったと語ります。また、自分の住む北京は「街のイメージが定着しないおもしろい都市」で、そこでの人物ウォッチングが趣味だとも話していました。

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映画監督になった経緯を尋ねられた品川は、「『ドロップ』という、自分で書いた小説がありがたいことにベストセラーになって。その小説を映画化したいという話をいただいたときに、自分で監督をやりたいと思いました。よしもとには『今もし失敗したらリスクが大きい』という理由で反対されたんですが、どうしても自分でやりたかったので、脚本をまず自分で書いてみて、それをプロの人たちに見てもらって、それでダメならあきらめますと言ったんですが、実際見てもらったらOKだったんで、じゃあやらせてもらいます、ということになりました」と最初の映画を監督することになったいきさつを語り、続けて「日本では1本当たったら3本映画が撮れると言われてるので、『ドロップ』と『漫才ギャング』の貯金で今、まだ映画を撮れている状況です(笑)」と話し、笑わせていました。

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桝井プロデューサーは、日本の若手監督育成の現状を「この10年で50人程度の若手監督の育成を行ってきたが、やっとここ1~2年で実績が作れるようになった」と人材の育成には時間がかかることを話したあと、現在の文化庁が行っている育成の方法を「監督以外は全てプロフェッショナルという環境での映画製作」と話し、この方法はプロの側も勉強になることが多く、「文化庁がした最大のいいことだと思います(笑)」と賞賛。

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また、リ・インさんが日中2人の若手監督に「今の時代、どうやって自分の作品を作っていきたいか」と問いかけると、シュー・アン監督は「観客は選べません。つまり、どんな人が見るかわからない。だから私は友達や彼女、両親などの大事な人たちに向けて映画を作っていきたいと思う」と話し、品川は「1円でも多くお金をかけたいし、1人でも多くの人に見てもらいたい。今回のような機会にいろんな人と積極的にコンタクトをとって、将来アジアの人々に向けて作品を作り、その中で日本の文化も見せられたらいいなと思っています」と壮大な目標を語っていました。

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また、日中のプロデューサーもそれぞれの国の現状や課題について聞かれ、ウー・イェンイェンさんは「商業作品が主流となっている現状では、芸術的な作品を作るのは難しいが、両方の要素を兼ね備えたバランスのよい作品をこれからは作っていきたい」と語り、そのためにも現在、若手監督がどんどん映画を作っていけるようなプロジェクトを進めている最中だと語ります。

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一方、桝井さんは「育成をしているとは言っても、本当の意味での育成はできていないのが現状」とし、埋もれている人材を発掘し、育成していくことが日本映画界の今後の大きな課題だと話していました。

最後の挨拶の場面では、シュー・アン監督が「さっそく今日、『ドロップ』を探して、見てみたいと思います」と話すと、すかさず品川が「今日、英語の字幕付きのDVDを持って来ているので、あとでお渡しします」と返すというほほえましい一幕も。

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品川が「映画って、すぐ『なんかやろうよ!』ってなるんですけど、その9割が口約束で終わってしまう。だから僕が海外で映画を撮るなんていうことは、細い糸を見つけて、それを引っぱり続けるような難しいことだと思うんですけど、それでもそれをやっていかないと実現しない。いつかその糸が中国にもつながればいいなと思います」と、日中の映画についての希望を話すと、リ・イン監督は「例えば、中国に留学して映画を学んでいる日本人にも呉天明青年電影専項基金が割り当てられるといいなと思います。また、その逆で、日本でがんばっている中国人の若手監督にも文化庁の支援の機会があるといい。これからの映画は、どこの国もマーケットを広げてインターナショナルな視野を持つことが必要。日中共通する夢を持ち、手を組んですばらしい映画を作っていけたらと思います」と締めのコメントをし、トークショーは終了。記念撮影の後はそれぞれ固く握手を交わしたりと、日中の映画界にとって有意義なトークショーが行われたことを物語っていました。

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なお、『第28回東京国際映画祭提携企画 2015東京中国映画週間』は、10月28日(水)までTOHOシネマズ日本橋で開催。詳細は公式サイト(http://cjiff.net/schedule_jp.html)でご確認ください。



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