相席スタート、サンシャイン、やさしいズ......演技派3組による極上のユニットコント『神保町ハナコ』をレポート!
10月18日(日)、東京・神保町花月にて『神保町ハナコ』が開催されました。
こちらは、相席スタート、サンシャイン、やさしいズの3組によるユニットコント・ライブ。構成作家のゴージャス村上氏が作・演出を担当する、全3回限定のライブとなります。
1回目となったこの日は、17時30分からと19時30分からの2公演が開催されました。ニュースセンターでは、17時30分の回をレポートします!
オープニングコントは、「ドカン!」。イギリスへの旅行経験を上から目線で語る男(サンシャイン・信清)と女(相席スタート・山﨑)。2人の言動や行動へのイラッとする感情を、「ドカン!」という言葉で表すというものです。
2人にかなり「ドカン!」と来ていた男たち(サンシャイン・坂田&相席スタート・山添)ですが、坂田の連れて来た友だち(やさしいズ・たい)が、さらに癖の強い男で空気が一変。自分のおかしな行動は気にならずとも、他人のそれを目の当たりにした時には気になってしまうという心理を突いたコントは、大きな笑いを起こします。
2本目「張り込み」はその名の通り、張り込みしている刑事立ちによる人間模様を描いたコント。なかなか出て来ない犯人の自宅を張り込み中の刑事たち。「こんなに出て来ないんだったら、いっそ帰りませんか?」と帰宅を持ちかけたところでツッコんだ山添扮する先輩刑事の言葉尻をとらえてイチャモンを付け始めたのは、信清扮する後輩刑事。鋭い指摘に必死で弁解するものの、結局丸め込まれた先輩刑事。そこへ、同僚の刑事(山﨑)が現れたことから新たな展開が。繰り広げられる軽快な会話に、細やかな言葉遊びが光ります。
3本目は、久しぶりに会った仲間による会話劇「私は知っている」。口に出す言葉は「仲がいい」などポジティブな言葉ばかりですが、その内に秘めた心の声を「私は知っている。○○は......」と本当のことを話すという見せ方。それぞれの闇の部分や本当の秘密を心の中で吐露しながらも、必死に体裁を取り繕おうとする面々ですが、山添のみ別のベクトルでこの席にいることを後悔しつつ、開き直っていることが分かって----。
男(坂田)が友人(たい)の元へ遊びに行ったところから始まったのは、4本目「10万円10年戦争」。借金まみれで発狂寸前のたい。カードでピラミッドをつくるほど追いつめられている彼に「借りた10万円が返せないから、少し待って欲しい」と、どうしても言い出せない坂田。その場から逃げ出そうと「お金を下ろしてくるのを忘れた。銀行に行って来る」と告げるも、「そうやってとんずらするヤツがいるから、俺も付いていくよ」と言われる始末。一緒に向かった銀行のATMで、坂田は隙を見計らって逃亡します。ここから始まる2人の10年戦争。2人の長い抗争の数々が、音楽に乗せてリズミカルに描かれました。
ラストコント「同窓会のそれぞれ」は、同窓会での同窓生たちを描いたもの。ずっと片思いしている"ともこ"に今日こそ告白をと意気込む男(坂田)、女性の心理を知ったふうに語る男(信清)など個性的な同窓生が入り乱れて、てんやわんやに。そもそも"ともこ"とは誰なのか? 途中で出会った人物(たい)が誰なのか? 同窓会で起きる1コマを観客に見せることによって、全体像を見せながら伏線が回収されていきます。その中でも、明らかにされなかった"ともこ"がなぜそう呼ばれているのかが分かった瞬間には、「なるほど、そうか」「やっぱりそうだったのか!」という様々な思いが入り交じった笑いが会場を包みました。
コンビでのコントや神保町花月でのお芝居とは、ひと味違う一面が観られるユニットコントライブ『神保町ハナコ』。次回開催は、2016年1月17日(日)です。ぜひともお楽しみに!
【相席スタート】【サンシャイン】【やさしいズ】