矢野・兵動の矢野、「俺がパイセンやぞ!」と東京シュール5をかき乱す!『東京シュール5 VS パイセン』レポート
10月18日(日)、東京・ルミネtheよしもとにて『東京シュール5 VS パイセン』が開催されました。
東京シュール5とはマンボウやしろ、犬の心、POISON GIRL BAND、しずる、ライス、かたつむりによるユニット。2008年、「カリカ」というコンビを組んでいたマンボウやしろが面々に声をかけたものの、最初のライブで諸事情によってしずるが欠席。代わって出演したかたつむりがそのまま残り、6組なのに「シュール5」という不思議な構成となっています。
カリカ解散によって存続が危ぶまれたものの、2013年末に開催されたライブで、今後の活動が決定。再開第1弾として、2014年に昼夜2公演が開催されました。
今回は、矢野・兵動の矢野勝也をゲストに招いての公演。この日欠席となったかたつむり以外のシュール5メンバーが全員、1人ずつマイクを持つ中、パイセンこと矢野がぽつんと1人でひな壇に鎮座し、イベントはスタートします。
開口一番、「公演が始まった感がない」と漏らす矢野。「お前ら、キャー!言われとったんちゃうんか! ほんで、ひな壇いるんか?(歓声も何もない)シュールなお客さんでビビったわ」など矢継ぎ早に思ったことを口にします。
そんな矢野を静かに見守りつつ、「2列目に座ってください」と冷静に告げたのはPOISON GIRL BAND・阿部。その言葉に従った矢野は「大体、東京やと(自分のことを)知らん人もおるやろ?」と不安げに語ると、すかさずしずる・池田がタメ口で「知ってるよ!」と発言。「なんでタメ口やねん。俺、パイセンやぞー!」と食いつきます。矢野は、この日からスタートした某番組についての心情も吐露。「俺がパイセンやぞ!」と客席に向かってアピールしました。
まずは「ひな壇トーク」。
「いや、ひな壇いらんやろ! デッカい椅子やん!」とツッコむ矢野に"人生最大のピンチ"を訊ねるシュール5メンバー。「いろんなピンチがあった」と切り出しつつ、ある夜の出来事を揚々と語り出す矢野ですが、トークは尻すぼみ気味。微妙な空気に、再びタメ口で「もう1つある?」と恐る恐る言い出した池田に、矢野がすかさず「なんでタメ口やねん!」とツッコミつつ、「来るなら、ガツン!と来い!」と言い切ります。
ライス・関町が「What's your name?」と聞くと「パイセンやー!」と前のめりに返答。関町は前後にも英語で「What time?」とエクスキューズ。その度に、矢野はわざわざ時計を確認して「半過ぎやー!(開演が19時30分だったため)」「ちょい前やー!(20時のこと)」などと応対。また、犬の心・いけやは客席に座る愛娘の元へ駆け寄っては舞台へ再び戻って来ると言う謎の行動を。首を傾げる矢野ですが、いけやが「子供が来てるんで」と告げると、優しい言葉をかけるなど、かなり寛大なパイセンです。
"一番腹が立ったこと"については「俺、あんまり怒らない」と言いながら、営業先のスタッフの態度が失礼だったため、「俺が言うたる!」と息巻いていたものの、相方の兵動に止められたというエピソードを披露。も、止めた兵動にいちばん悲惨なハプニングが起こったことを語ると、シュール5メンバーは「持ってますねぇ」と感心。阿部は「今の話面白かったんで、星1つー!」と絶叫し、矢野に「何個集めたらどうなんねん!」とツッコまれます。
ただの「ひな壇トーク」ではなく、それぞれが自身の役割に沿って、矢野に絡んでいく展開に。天然なのか優しさなのか、おかしな状況にはあまり疑問を持たず、常に明るく軽快にツッコミながら対応していく矢野......その心の大きさ、さすがパイセンです!
その後はマンボウやしろ、ライス、しずるがネタを披露。
舞台上手でそれぞれのネタを楽しそうに観ていた矢野。「面白いなぁ。大したもんやわぁ」と上機嫌でしたが、ネタ終了後、マンボウやしろに「覚えてますよね? 誰かのネタに入ってください!」と言われて唖然。「システムはお任せします。全部、覚えていらっしゃると思うんで」と有無を言わせぬ物言いのマンボウやしろの言葉に動揺しつつ、しずるのコントに加わって、そこに居るていの人物を演じることに。
村上の「池田の銃の先に居てください!」という指示を忠実に守る矢野。ネタ終了後、「完璧! すごい!」と誉めたたえたマンボウやしろ。「シュール5のシステムが分かったと思いますんで、次もちゃんと観ててください」とだけ告げ、続いて犬の心とPOISON GIRL BANDがネタを披露します。
悩んだ挙げ句、POISON GIRL BANDの代表的なネタに入ることに。阿部の「5人でやればいい」という提案から、犬の心を巻き込んでの5人漫才になったのですが、矢野が入ったことによって彼ららしからぬコテコテな展開になっていきました。
続く、「パイセンの部屋」では、シュール5メンバーによる悩み相談。
「自分の声がお笑いに向いてないのでは」と悩んでいるPOISON GIRL BAND・吉田は「どうやったらパイセンのような声になれますか?」と質問します。「ええ声やで? 漫才も聞きやすいし」と優しい言葉をかけられるも全く動じず、「その声になりたいんです」と断言。表情を変えずに揺るぎなく言い切る様に圧倒されたのか、矢野は「声帯の構造やわ。それは!」と、あっさりとさじを投げます。
「見た目の特徴がない」と悩むライスには、「特徴っちゅうのは、あとから付いてくるもんや」と返答。「無理に特徴を付けても、流行りすたりがあるから難しい」と言いつつ、「営業のときはどういう感じでしてるの?」と逆に質問を投げかけます。いつものようにやってみた2人に「ものすごくええやん! 好感持てるやんか!」と絶賛。「そのままでいい」と諭しました。
最後はマンボウやしろたっての希望で、矢野が熱唱。抜群の歌唱力を披露しつつ、客席に「皆さん、幸せになってください!」と笑顔で呼びかけたのでした。
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