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2015年11月 9日 (月)

小籔千豊、芸歴1年目のフレッシュ芸人30人に愛のムチ炸裂!『小籔とNSC卒業したての人たち30人と打ち合わせなしでトークしてみる2時間』レポート

10月27日(火)、東京・ルミネtheよしもとにて『小籔とNSC卒業したての人たち30人と打ち合わせなしでトークしてみる2時間』が開催されました。

幕を開ける前に現れた小籔。立見が出るほど満員の客席を見渡して「売れましたわ」とニヤリと笑います。
「トークライブって知ってるもん同士で喋りますやん。普通はトークのスキルを認めている人と話すもんなんですけど、そんなイベントはもうええ。お互いの面白エピソードトークを言い合うのは飽きた。俺はドキドキするようなトークライブをやりたいということで、NSC卒業したてで会うたこともない塊30人とやったらどうなるかなと。どこでどう喋るか、おもろいんかもわからん環境でやるとドキドキするんやないかと思って、以前、タイトルは違うけれどやったんです」と、このライブの主旨を説明。
「今日もどう面白くなるかの算段はついていませんが、ご覧いただければ。過去のライブでは東京NSC15期生、ニューヨークやデニスらが1年目の時にやりました。見たことない若手ばかりかもしれませんが、いつかテレビや劇場で活躍するかもしれません。覚えといて"俺、あいつら観に行ってたし"っていうイキり方もしていただければ」と観客に呼びかけました。
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幕が開けると、すでに舞台には30人の1年目芸人たちが。「何期?」との小籔の呼びかけに、「東京NSC20期生です!」と元気に答えます。
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小籔がまず目を引いたのは、女装姿の男性。しかも、左隣の男性とノンドルバワイカーというコンビを組んでいると告げられると、「まさかのコンビか!」と驚愕します。
「どっから聞いていいかわからんけど、男やんな? ジェンダーやから全然オッケー。イェイ!やけど、その格好は?」と訊ねられたノンドルバワイカー・茶漬けは「学生時代からやってました」と返答。茶漬けは"男の娘"という言葉をつくった人物だそうで、NSC入学前から雑誌にも出ている有名人なんだとか。
「女性が好きなん?」と聞いた小籔は「正直、どっちもあんまり興味がない」という返答を聞いて「将来どうすんの? 孤独死するで」と呼びかけ。すると、相方・澤井が「僕がいるから大丈夫です」と微笑みます。
そんな澤井にも凄まじい過去が。「24歳まで高校生やってました」と語ると、小籔は「脂っこいのからいってもうた......」と驚愕。小さい頃は劇団ひまわりに所属し、『中学生日記』(NHK)にレギュラー出演していたという彼。「高校と仕事の両立、さらに家庭問題がありまして学校を辞めて。でも、21歳で知識が欲しくなりまして(高校に)入り直したんですけど、顔面半分が溶ける病気にかかりまして」と話すと、「それ、ほんまやろうな! 履歴書パンパンやん!」と小籔。その後、病気が完治してから高校を24歳で卒業、フリーでMCや役者をやりつつお金を貯めて、NSCへ入学したそうです。また、「僕、チェリーボーイなんです」ともったいぶって語る澤井に、小籔は「実は......感、出さんでええ! そら、そうやろなって思うだけで、えー!とは誰も思わへん」とぶった切りました。
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「次、薄めのほう、いこうか」と反対側のいちばん内側に座る青柳正樹を指名。現在は40歳で、以前は新宿でホストをやっていたとか。
「誰みたいになりたい?」という質問に、「憧れているのは、とにかく明るい安村さん。裸芸に憧れているというよりも、身近にあるもので"あるなぁ"っていうものをやっているのがすごいなって」と返答すると、小籔は笑いながら「大してお笑いが好きちゃうんやろうね。いや、安村はもちろん面白いんよ。けど、旬なお笑い芸人を言うから、そこまでお笑い好きじゃないんかなと思ってん」と冷静に分析。さらに、「言うたら悪いですけど、来年売れる気がしない」とキッパリ言い切ったことから、青柳の本心が明らかに。
「お笑いに入るきっかけは、庄司さん(品川庄司)とミキティ(藤本美貴さん)の結婚。ミキティが大好きで、俺も売れればアイドルと結婚できるんじゃないかなと思いました。それが全てじゃないですけど」と言うと、「でも、大半を占めてると。まぁ、こういう薄っぺらいヤツのほうが売れるかもしれない。職歴見ても、やっては辞めてっていうね」と厳しい言葉をかけると「芸人になるのが遅すぎたかなと思ってるんです」と語る青柳。「40歳でよしもと入ったなんか、気ぃ狂ってるよ! やって、人気出ようと思ったら45歳。アイドルと結婚するなら、ある程度稼いどかんとあかん」と現実を語りつつ、「1回考えようか、ノートとペン買うて。70歳で死ぬ予定やとして、この年齢のときはこうやってプラン立てたほうがいいと思いますよ。まぁ、帳面に付けんでも考えたらわかりますやん。2年で売れるなんて、(現実に考えれば)宝くじが当たるようなもんやから」とアドバイスしつつ、「ええ大人やから甘噛みですけど、新喜劇の後輩やったらぼこぼこですよ!」と、先輩として諭しました。
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東京NSC20期生の主席だったブッタマリア。現在、ヨシモト∞ホールの若手ランキングシステム「彩~irodori~East」の「~Jr.」にいる彼らですが、ガッパー稲吉は「∞ホールのお客さんにハマってない。出待ちも0人。渋谷をあんなにすんなり歩けるとは思っていなかった」と悩みを打ち明けます。
元々、ガッパーは東京NSC11期生、かめ島は名古屋よしもと(東京NSCでは9期生が同期)だったそうですが、それぞれコンビ解散。2人で組んで違う事務所に入っていたものの、事務所のトラブルもあって再びNSCに入り直したんだそう。主席は売れないというジンクスについて、小籔は「それは絶対あると思う」と断言。「大阪のNSCで、俺らも主席やった。でも、COWCOWや土肥(ポン太)のほうが面白かった。結局、鳴かず飛ばずで解散した」と自身の経験を語りながら、「木村祐一さん以外のNSCの先生の言うことなんか聞くな! そこで選ばれたくらいで"俺、いけてんちゃうか"って安心するな!」と喝を入れます。
大阪NSCの主席で卒業後、上京したセブンセンスも同じ悩みを抱えているよう。「東京行くって言うたら、"仕事ないぞ"と言われて。それでも出て来たんですけど、本当に仕事がなくて......最悪です。今、大阪では2位のヤツらが優遇されてます」と語る楠元に、「若い頃の仕事量なんか関係ない」と小籔。「俺、昔は仕事がなくて、嫁さんもしくしく泣いてた。けど、今は金持ちや!」とハッパをかけます。
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ここで、茶漬けが「そういえば、2丁拳銃の修士さんの奥様、野々村友紀子さんが講師です」と発言。先ほど"祐一さん以外の講師の言うことは聞くな!"と言った小籔ですが、前言撤回。「野々村さんは面白いから、言うことを聞いたほうがいい。俺がこの世界を辞めるって言うたとき、電話かかってきて"ご飯行こうか"って誘ってくれて"あんた、辞めんとき"って言うてくれた人。俺は野々村さんの言うことを聞いたからこそ、死ぬほど金持ちになれた」と先輩への恩義を噛み締めました。
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女性コンビも多く出ていたのですが、「娘ができてから、女の子には優しくなってしまった」という小籔。メレリルドラゴン・ミッチードプリンが好きな地下アイドルについて熱く語り始めると、会場には困惑の色が。小籔も「もうやめや! 痛々しいわ」と制します。また、「落としたりして、お金が自然と10万円単位でなくなる」と語ったパワープランツ・岡本には「財布落とし過ぎや。神社行け!」とアドバイスします。

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「ウケなくてほくろの数が増えた」と語るのは、暴動天使・山崎。「芸人を辞めたい。(周りにいる)こういうヤバいヤツらが笑顔で話しかけてくる状況に耐えられなくなって......」と弱々しく語ると、小籔は「気持ちはわかる。それが普通や」と寄り添います。
また、黙って座っていた左中央の白髪の男性が、隣りの女性とコンビだとわかるとまたもや驚愕。「売れたくて、コンビを組みました」と話すフェアリーモンスター・本水。相方・宮原は47歳にして、親が購入した億ションに住んでいたそうで、ニートから「小説家になりたい」という夢を持って上京したものの、全くものにならなくてNSCに入学したという経歴(?)の持ち主。
説明もうまくできない宮原を冷静に見ていた小籔。「相方、大丈夫か?」と声をかけられた本水は「面白いと思ってます!」と笑顔。「そんならええか。ニートだとて、頑張りようによってはなんとかなります。今別府(直之)だって、今は仕事がありますからね。希望を捨てないで頑張って!」と温かい声をかけました。
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学生時代、野球部を辞めてコンテンポラリーダンス部をつくったと話すのは、いじわるモルモット・森川。アイドルが大好きでコンテンポラリーダンスにも目覚めたそうですが、ある女性アイドルが好きすぎて、実家にその方専用の部屋を用意していることを話すと、会場が騒然!「万が一来てくれたら」と妄想を炸裂させる様に、全員が動揺を隠せません(現在は姉によって壊され、その部屋は阪神・鳥谷選手の部屋になっているそうです)。
また、相方・上茶谷が尖っていて困っていると語ると、小籔は「尖ってるヤツがいちばんおもんない! 尖っててウケてないヤツがいっちばんあかんからな」とバッサリ切り捨てます。
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ブルーレディ・佐野が「僕も尖っていて、小籔さんをテレビで観ても笑いません」と浅はかに噛み付くも、もちろん全く動じない小籔。「そら、そうやな。全然ええよ。佐野くんやっけ? 君が観んでもなんとも思わへんし、俺、金持ってるし。佐野くんは死ぬほど金ないやん? あとで、財布の中身、見せ合おうか? ゼロ1つ違いで済むかな?」と静かにどんどん追いつめます。そうは言いつつも、「挨拶してけぇへんくらいのヤツのほうが可愛い。ダイアン・西澤は挨拶してけぇへんかったけど、ネタがウケてたからご飯誘ったった」と、面白いことが大事だと強調。さらに「俺の眼力ナメんなよ! ゴマすって来るヤツ、ろくなヤツおれへんから!」と喝を入れました。
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全員の話を聞いたのち、「そろそろ時間やけど、なんかある?」と声をかける小籔。悩みを打ち明けたり、エピソードを語ったり......それぞれがアピールする中、「鍋がおいしくなる季節ですよね?」と切り出した青柳に、「どんな入りやねん!」と指摘。「高校の時に、おでんが出たんです!」(青柳)「どこに?」(小籔)「家で!」(青柳)など話す順序すらままならないだけではなく、オチがまさかの下ネタ。「売れるか!」と激しくツッコみます。
「相方が大好きなんでぇ~、いいところを言いまぁーす!」と言い出したのは、かぼちゃのパンプキン・たん。終始、不思議ちゃんキャラを炸裂させていた彼女を冷静に見つめつつ、「自分、ずっとそんな感じやったけど、スベったなぁって泣きながら寝るんか?」と核心をつくと、会場からドッと笑いが起こりました。
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時には冷たい言葉を投げつつも、一生懸命答えようとする若手に優しい言葉をかけ続けた小籔。最後は「この時間だけ、写真撮ってもいいですよ」とファンサービスも行なうなど、気遣いが光った2時間半でした。


【小籔千豊】