軽快な掛け合いやコミカルなコントで観客の心をつかんだオーシャンの初単独ライブ
12月6日(日)、沖縄よしもと花月にて「冬の1日沖縄若手単独まつり!オーシャン初単独ライブ"OCEAN FES~どうでもいいからあついのちょうだい~"」が開催されました。
この日は、沖縄よしもとの若手芸人4組の単独ライブを一日まるごと立て続けに行う単独まつり。2公演目に登場したのは、よしもと沖縄三期生、稲福心輝 (いなふくしんき)と新垣諒二(あらかきりょうじ)のコンビ、オーシャンです。
スタイリッシュなオープニング映像の後、「どうも~」と声高らかに二人が登場すると、待ちに待った観客からは大きな拍手が沸きおこりました。
ギターをかかえ音楽フェスさながらの新垣と、靴の塗料がはがれたのでマッキーで塗った話を披露した稲福に、会場はすぐに和やかな空気に包まれました。そして、せっかくのフェスなのでみんなでウェーブをやろうと、「オーシャンフェス始まるぞ~」の稲福の勢いあふれる掛け声に、「続けて~」と観客が呼応し、新垣のエアギターも組み合わさって、しょっぱなから大盛り上がりです。
続けて、ドキュメンタリーをテーマにした漫才が披露されました。情熱大陸とか仕事の流儀のような番組に出演するのが目標と話す稲福に、「実際に番組に出てバシッと決められるように練習しよう」と、様々なシチュエーションを想定し稲福を盛り上げようとする新垣なのですが、どうもかみ合わない二人に会場は笑いの渦に包まれました。
次は、どんな落書きでもイラストに変えることができる特技を持つ新垣に、さらにレベルアップしてもらおうというVTRネタ。企画内容を聞かされていない不安顔の新垣に、稲福は、タバスコの5倍以上の辛さのデスソースを口に含ませ、その上、水を飲ませずに「辛」の文字を使ったイラストに挑戦させます。あまりの辛さに「痛いッ」と叫び、暴れるような動きをみせながらも、ホッピングに乗るペンギンのイラストをなんとか書き上げた新垣に、大きな拍手と歓声が上がりました。
続いて、ある豚の兄弟の絆を描いた物語のコントでは、豚鼻を着けピンクの衣装で登場した二人。兄弟の敵・オオカミに食べられないように、オオカミを倒そうとあれやこれや画策するというドタバタ劇を披露。沖縄の豚肉メニューも盛り込みつつ、ラストの兄(新垣)の大どんでん返しに、会場からは「え~っ?!」という悲鳴にも似た声が上がり、少しだけざわっとした雰囲気になりました。
そして「攻」をテーマに展開するVTRネタでは、「攻」の漢字を「功」と書き間違えてしまった稲福に、観客は大受けです。新垣の上着を脱がせピンポン玉のような小さな球を何度も投げつける稲福。さらに「熱いのちょう~だ~い」と言いながら、熱湯を新垣にあびせる稲福ですが、それでも新垣はひるまなず、可愛らしく喜ぶ女の子のイラストを完成させました。
忘年会にまつわる漫才では、スローモーションの動きや照明さんとのやりとりが笑いを誘い、カウントダウンをテーマにしたコントでは、稲福がキレキレのダンスを披露する場面が繰り広げられるなど、会場は沸きに沸きました。
寝起きドキッリを仕掛けるVTRネタでは、稲福が朝の4時に新垣を直撃。寝ぼけまなこの新垣に「レベルアップしたいよね」と、無理やり「ねる」をテーマにイラストを書かせます。さすがにつらい新垣は「これ書いたらすぐ寝ていい?」と懇願しながらも「おっ!今回は成長見えてるかも」と出来上がりに手応えを感じたよう。ユニークなとかげのイラストに、客席からは「お~」っとその出来栄えに感心した声があがり、すっかり観客の心をつかんだ様子でした。
終盤のVTRネタは、これまでやられっぱなしだった新垣が稲福に仕返しをする企画。化粧室のドアにサランラップを貼り、何も知らない稲福がドアを開けると、まんまとラップに引っかかる、という設定なのだが、「何やってんの?」とあっさり稲福にバレてしまい悔しがる新垣。仕掛け人には向いていないと判明した新垣に、観客は大爆笑です。
ラストは、結婚をテーマに、キラキラネームについてや成長した子供との楽しい遊び方などの漫才を披露。途中、新垣の心地よいラップの歌声に観客は聞き入っていましたが、「結局世の中マネー」の歌詞には客席からドッと笑いがこぼれました。そして新垣の子供のしかり方に対し「パパには向いてない」とコメントした稲福だったが、「俺の相方はお前が一番向いてる」との新垣の発言に、二人の間に一瞬やさしい時間が流れました。
エンディングでは「これでゆっくり眠れる」とホッとした様子の二人。そして「オーシャンのこんな単独ライブ~」と稲福の呼びかけに「きらいじゃな~い」と観客が一斉に声を合わせ、一体感あふれるライブは大盛り上がりのうちに幕を閉じました。