来春、月亭八天が「七代目月亭文都」を襲名!
月亭八方の二番弟子の月亭八天が来年3月に上方落語の大名跡である「月亭文都」を襲名することになり、3月18日に大阪府立演芸資料館(ワッハ上方)4階の上方亭で襲名発表会見が行われました。文都としては東西を通して七代目となり、「月亭文都」としてはなんと113年ぶりの復活になります。会見の司会は月亭一門と親しいなるみが担当。「普段はきっちりしないといけない襲名会見ですが、月亭一門らしいフランクな会見となっております」と最初から会見はリラックスムードでスタート。なるみが八天の略歴を紹介したあと、吉野伊佐男(吉本興業株式会社 代表取締役社長)と月亭八方一門(八方、遊方、八天、八光、方正、八斗)が舞台に登場しました。
「月亭文都という名跡が113年ぶりで復活ということでございます。昨年来より、師匠の月亭八方さんから八天に襲名させたいということで、会社としても100周年の記念事業もございまして、来年の3月に襲名と言うことで我々も協力させていただこうというつもりでおります」と真剣な面持ちの挨拶をしていた吉野会長も「今日は月亭を自認しておりますなるみさんが司会を買って出てくれましたので楽しい会見になるであろうと私も期待しております。ぜひ楽しんでお帰りいただくようどうかよろしくお願いいたします」となごかモードに。
2年ぐらい前から「月亭文都」の名前の看板が上がるのを見たいと思っていたという師匠の八方は「文都の二代目の系譜であります文枝一門の三枝会長に『文都という名前を月亭文都としていただけませんか』ということで、まずお話させていただきました。その後1年半くらいたった時に許しをいただきました。113年ぶりの『月亭文都』復活で、私の気持ちは本当にうれしいものでございました。本人にはそれから申しました。それから本人は本当に意識を持った高座を重ね、嬉しく思っています」と襲名への熱い想いと経緯を語りました。
立川談志の弟子だった先代の文都は2009年に病没。大阪在住の先代文都の母の所へも挨拶に行き、「八天さんが七代目文都として活躍をすればするほど、六代目の私の倅も浮かばれます。ぜひとも文都と言う名前を広げてほしい」と逆に激励をうけたという八方は「ますます七代目月亭文都襲名に対する思いも強くなりました」と語り、「本当にうれしく思います。なんかわがことのようでございます。八天は今年52歳。落語家としてはチャレンジするにも一番熱く、熱く燃えることのできる年齢で月亭一門、期待をしています」と感極まるようす。
次にあいさつに立った八天は昨年、入門25周年と50歳という二つの節目に挑んだ25日連続の落語会を成功させた後の4月4日に八方から襲名の話があったこと、そして八方が米朝師匠のお宅にうかがい、「これは大きな名前でええ名前や、めでたいこっちゃと米朝師匠も言ってくれはった」と言われたこと、襲名は考えていなかったが、「人じゃなくて月亭という一門の代表として、お前が一番ふさわしい」と言う言葉に師匠の熱い想いを感じたことなどを告白。「これから1年は最後の八天と言う形で師匠に今までのお礼を返すという気持ちで一年間、一生懸命つとめます」と意気込みを語りました。
会見場の上手に飾られていた「七代目月亭文都」の書は今回のために東京在住の書家・金澤翔子さんが手がけたもの。金澤さんは「吉本百年物語」などの題字も手掛ける時流に乗った書家で、八方も「舞台で熱演しているようなそんな姿が浮かぶような文字。絵のような感じがいたします。この書に恥じないように頑張っていってもらいたいと思います」と感激。
その後は質疑応答に。「文都の名をなぜ八天さんに?」という質問に「思い浮かんだのが八天でした」と答えた八方。そこへすかさず、なるみが「師匠の口から言いにくいと思います。古典落語をちゃんとできるのは八天さんしかいないので。ちなみに師匠は何本できるんですかね?」と質問。「私でちょうど5本になります」と返答した八方に場内は爆笑。一門の中でも古典に真剣に取り組む八天を見て、「月亭文都」というレトロなにおいにぴったりだと思ったと話しました。
また、八天の人物評を聞かれた八方は「何と言っても古典芸能、和芸ですね、和というのは日本の和。縁のないこともすぐさま取り入れて、そして笛も見事な笛裁きと聞いております。落語の方も計り知れないほどネタがあると言う。ひょっとすると宇宙に広がるほどあるという(笑)」 そこで、なるみが放送局で八天が八方に落語を教えていたのを見たというエピソードを暴露。方正も八方の「持ちネタ5本」を聞き、自分は持ちネタが20本で師匠の4倍あると告白。場内は再び爆笑に包まれました。
「これからの月亭一門」と言う質問には「舞台芸の屋号として残ってもらいたい」と八方。八天は「月亭という言葉が宇宙的ですんで、壮大なロマンがございます。芸の上で宇宙的な大きさ、壮大さを出していけたらと思っています」と語りました。
来年3月19日の襲名に向けて、これから予定されているイベントも発表されました。4月1日に天満天神繁昌亭、6月2日には5upよしもとで一門会が開かれます。そこでは八方が「ヤングオーオー!」などで昔やっていたような「ちょっとレトロな大喜利を入れた一門会」を企画しているということです。襲名披露公演は来年3月19日のなんばグランド花月を皮切りに全国で行われます。
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「月亭八天の嘘も誠も都構想」
日時:4月1日(日) 18:00開演
会場:天満天神繁昌亭
料金:前2000円、当2500円(全席指定)
出演:月亭八天 月亭八方 月亭八斗 月亭天使
お問い合わせ:チケットよしもと 0570-036-912