【ライブレポート】吉本興業創業100周年特別公演初日「伝説の一日」1回目公演
吉本興業が創業100周年を迎える2012年4月、旗艦劇場であるなんばグランド花月がリニューアルオープンを迎えた4月8日(日)に、オールよしもと総出演による大感謝祭「伝説の一日」が行われました。なんと1日4回にわたり、東西のベテランから若手までの芸人が、なんばグランド花月の舞台に集結! 100周年の初日を飾るにふさわしい豪華ラインナップ公演となりました。しかも全国47都道府県と海外3都市計100会場ではライブビューイングも開催。ここでは、まず1回目公演の模様をお届けします!
8時30分という朝早い開演時間ながら、場内は立ち見も出る超満員。伝説を生で体験しようと詰めかけた皆さんで、開場直後から熱気いっぱいです。と、拍子木の音に導かれ、司会の博多華丸・大吉とともに、林家染丸、桂文珍、オール阪神・巨人、宮川大助・花子が舞台へ。ベテラン芸人らによる口上で、いよいよ夢の舞台の幕が上がります。
まずは染丸が、「1913年、大正2年に天満は天神さんの裏で寄席の経営を始めたのが、吉本興業の始まり。以来、雨の日も風の日も、平和なときも戦争のときも、皆さんにお笑いをお届けしてきました」とその歴史を振り返る言葉を。記念すべき100周年の口上に立てたことを「非常に光栄」としつつ、「できれば200周年も出していただきたい」と笑わせます。
花子は相変わらずのトークで場をさらいます。「宮川花子、そしてこちら向井理でございます」というお馴染みのボケに客席は大爆笑。夫婦そろって100周年に出られたのがうれしいと言い、大助にも「挨拶を」と求めましたが、「あの~」の一言だけで「まあ彼もこない言うてることですし」と話をスッパリ分断。「これからも末長くよろしくお願いします」と最後まで花子主導で締めくくりました。
三番手は阪神・巨人。「(なんばグランド花月の)オープンに合わせるかのように、桜の開花も遅れていたようで……今日の桜をしっかり目に焼き付けておきたい」としみじみ語り出した巨人でしたが、気づけば阪神とのモノマネ漫才に突入。ネタそのままの軽妙なやりとりで会場を沸かせていました。
口上のトリを飾ったのは文珍です。朝のテープカット式を振り返り、「朝7時半にハサミ持って表に立ってるのは、散髪屋さんだけや」と一言。さらに「大阪から日本国中が面“白く”なるように……(と、司会の華丸に向かって)これを『アタック25』でやってもらいましょうか」と突然、モノマネをリクエストするなど、茶目っ気たっぷりの語りでお客さんを楽しませました。
ここからはオープニングと題して、さまざまな“芸人仲間”が揃い、トークとともにスタートまでのカウントダウンを行います。1回目公演ではなんと、吉本印天然素材のメンバーが勢ぞろい! 雨上がり決死隊、ナインティナイン、FUJIWARA、バッファロー吾郎、ほっしゃん。、宮川大輔、へびいちごが登場すると、舞台上はまるで同窓会のような雰囲気に。もちろん、めったに見られない奇跡の顔合わせに、客席のテンションも急上昇。いたるところから大きな掛け声がかかります。
いきなり「みなさん、へびいちご見えてますか~」と言い放つ宮迫に、高橋は「(客席から)天然素材が見えへんって言われた……」と返して笑わせます。続いて宮迫が客席に向かって、「皆さん、天然素材って知ってますか?」と問いかけると、大きな拍手が起こり、メンバーたちもうれしそうな表情に。さっそく、各々が記念すべき舞台に上がった感想を述べて行きます。
岡村が「100周年ということで、呼んでいただきありがとうございます」とコメントすると、横から宮迫が「お前、休んでる間にハゲたな」ときつ~いツッコミ。全員から「ハゲ休み」とせめられてしまいます。原西は「吉本興業のますますの発展を願って、三三二拍子!」と叫び、自慢のギャグを披露。負けずに藤本もギャグを放ち、コンビ間の応酬でますます舞台は賑やかに!
また、宮川大輔が「祭り好きでいろいろ行ってるが、100周年のこの祭りが一番幸せ。しかも別れた相方とここに立てるなんて」とコメントすると、隣のほっしゃん。は思わず笑顔。バッファロー吾郎Aは「絶好調中畑清です!」「Oh!ポカホンタス!」を連発して盛り上げました。ここでスクリーンに1分前のカウントが映し出され、徐々に大きくなる手拍子とカウントの声で、場内が一体に。さあ、いよいよ本編が始まります!
ここからは、人気芸人が続々登場! トップバッターのパンクブーブーに始まり、スリムクラム、ザ・プラン9、ダイアン、トータルテンボス、メッセンジャー、Wヤング、宮川大助・花子、オリエンタルラジオ、ロバート、チュートリアル、ティーアップ、二葉由紀子・羽田たか志、林家染丸、オール阪神・巨人、桂文珍と、若手からベテランまでがずらりと顔を揃え、爆笑ネタを披露しました。
続いては吉本新喜劇……の前に、さすがは「伝説の一日」、幕間にもゴージャスに「幕間スペシャル」と題したコーナーが。1回目はピン芸人が1分ずつネタを披露するという贅沢なもの。ちゃらんぽらん冨好、土肥ポン太、あべこうじ、佐久間一行、くまだまさし、中山功太、楽しんごが次々と舞台に上がり、息つく間もない珠玉のネタリレーを披露しました。
公演の最後を飾るのは、内場勝則、辻本茂雄、小籔千豊、川畑泰史の4座長がそろい踏みするスペシャルな新喜劇! 若手座員が舞台上いっぱいに集まった迫力満点のオープニングに始まり、チャーリー浜、末成由美、島田一の介らベテラン勢のギャグを受けての大人数での“コケまくり”、ランナーに扮した間寛平、私生活同様妊婦役を演じた山田花子など、豪華なキャストが入れ替わり立ち替わり登場する贅沢なストーリーに、お客さんも大喜び。大団円のフィナーレでは、桑原和男のおなじみ「神様~!」が飛び出し、芸人人生の喜びと悲哀を切々と語り笑いを誘いました。そして最後は「これからも、吉本興業、そして吉本新喜劇を力を合わせ一生懸命やっていくつもりです。どうか皆さま、あたたかいご声援を末長くよろしくお願い申し上げます!」と力強く締めくくり、割れんばかりの大きな拍手が起こりました。
口上からネタ、新喜劇まで、すべてが「この日、この時しか見られない」特別なものばかり。贅沢すぎるひとときに、訪れた皆さんも大満足の様子でした。