よしもとニュースセンター

かつて、吉本興業創業者の吉本吉兵衛・せい夫妻は、大阪中の寄席を手中に収めたら、通天閣の上で漫才をしようという夢を抱いていました。その後、昭和13年9月、念願の通天閣買収を実現。残念ながら吉兵衛は他界していましたが、夢を叶えたせいは亡き夫の写真を胸に、通天閣から大阪の街を見せたといいます。（その後、昭和18年、火災で焼け落ちた初代通天閣は軍需資材として大阪府に献納され、昭和31年、通天閣観光により再建されました）

そして今年、創業100周年を迎えた吉本興業では、月替わり12本のお芝居でその歴史を見せる『吉本百年物語』を上演しています。第4弾の7月公演「笑う門には、大大阪」は、ちょうど前述の時代を舞台とした物語。そこで、これを記念して、公演中日となる7月20日（金）、同じく100周年を迎えた通天閣「黄金の展望台」にて、せい役の南野陽子さんと、のちに社長となった吉本社員・橋本役の金子昇さんが、千秋楽までの成功祈願を行いました。

展望台に設けられたミニステージに登場したおふたりに、集った観光客の皆さんは大喜び。南野さんは、「このお芝居の中にも通天閣のシーンが出てきます。亡くなった吉兵衛さんに、ここから大阪の景色を見せてあげるのですが、初日を迎える前にみんなで一度、通天閣に来たんですよ。今日、『この感じだな』と改めてわかったので、またお芝居に生かしていきたい思います」と、ニッコリ。すると金子さんから、「南野さんは前に通天閣に来たとき、『意外と下を見下ろすんだね』って言って。最初のほうの公演では、舞台でも本当に下を向いてましたよね」と指摘が。南野さんは、「リハーサルでは普通に顔を上げてたんですけど、『いや、大阪を見下ろすんだから下だな〜』と思って。その後も、高さを感じさせるほうがいいのか、そのためにどうすればいいのか、まだ迷ってる（笑）。今日しっかり覚えて帰って、ここから変わると思います！」と、演技への細やかなこだわりを披露していました。

１カ月にわたる長丁場、大阪での滞在も楽しんでいる様子で、「皆さん、気さくに声をかけてくださる。フランクであったかい人が多いんですよね」と、金子さん。南野さんはグルメも満喫しているようで、「食べ物もおいしくて……このお芝居の衣装が着物でよかった（笑）」と、茶目っ気たっぷりにコメントしていました。

既に8回の公演を終え、「個人的には変な緊張がとれて、いい舞台になってきていると思う。毎日、同じことを繰り返すわけですが、飽きずに楽しくやらせてもらっています」（金子さん）とも。南野さんは、「（これまでの公演では）真面目に作ってきたものを、千秋楽へ近付くにつれ、面白く崩していくという話を聞いていたのですが、今回はいたって真面目」と語り、「いつも新喜劇をやっている舞台で、新喜劇とは違うものを見ていただこうということで、もちろん笑っていただくところは笑っていただくが、そうでないところはきちんと締めている。最後までこの感じで行くんじゃないかな」と予想していました。また、「日に日に、小籔（千豊）さんが小籔節を出してきている一方で、（山崎）邦正さんは本当に役者になるんじゃないかというぐらい、ぶれないんですよね」（金子さん）、「意外に一番緊張しているのは小藪さんで、今も舞台袖でずっと台本をチェックしているほど」（南野さん）と、メンバーの意外な（？）素顔を明かし、「こういう長いお芝居だと、出演者の皆さんのいろんな面が見れて楽しい」と声を揃えていました。

この後、おふたりはそれぞれ絵馬に願い事をしたためて奉納し、通天閣に鎮座する幸運の神様・ビリケンさんの足の裏をなでつつ、公演成功を祈願。後半も心を一つにして舞台に臨むべく、決意を新たにしていました。

ちなみにこの日は、展望台の舞台で創業者夫妻の夢を叶える「通天閣laugh花月」と題したお笑いライブも開催。イキのいい若手芸人たちが、全４ステージにわたり、来場者を楽しませました。同イベントは、今後も不定期・サプライズで行っていく予定ですので、どうぞご期待ください！

吉本百年物語 7月公演「笑う門には、大大阪」
脚本：長川千佳子
演出：佐藤幹夫
出演：南野陽子、小籔千豊、藤林美沙、山崎邦正、金子昇ほか
公演日：7月8日（日）～8月2日（木）※7月11・14・16・18・23・25・28・29日、8月1日を除く
開演時間：平日・土曜・祝日19：00（開場18：30）／日曜16：00（開場15：30）
会場：なんばグランド花月



料金：全席指定　1階席7500円　2階席6000円

　
※チケット好評発売中！
※お問い合わせ：チケットよしもとお問い合わせ専用ダイヤル　☎0570-036-912（10：00～19：00）

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