最新ニュースインタビューライブレポート

« プリンセス天功がデニス・植野&マテンロウ・アントニーを絶賛!? 映画『大脱出』公開記念イベント | メイン | 「よしもとプレゼンツうたごえ教室 supported by LIVE DAM」1月10日(金)幕張で開催! »

2014年1月 9日 (木)

「観るだけじゃなく、出る!」 沖縄国際映画祭で話題沸騰となった『デルシネ』を張本人、後藤ひろひとが語る!

2013年3月の『沖縄国際映画祭』に登場した全く新しい映画アトラクション「デルシネ~エル・シュリケンvs悪魔の発明~」が関東上陸! 1月13日(月・祝)に「よしもと幕張イオンモール劇場」にて上映します。

世界征服を企む凶悪組織「みなしね財団」のドン・悪童子博士と正義の覆面レスラーであるエル・シュリケンとの激しい闘いを描いたこの映画。出演は、稲垣早希、笑い飯・西田、池乃めだか、ハリセンボン、キングコング・梶原、今いくよくるよ、ナインティナイン・岡村、藤波辰爾(友情出演)など、超豪華。彼らが所狭しと暴れ回るヒーローもので、手がけたのはPiperの後藤ひろひとです。

そして冠にある『デルシネ』とは、お客さんも映画の1シーンに出演し、そのシーンを編集して初めて公開となる映画のこと。出演から公開までは約1時間。この「観るだけじゃない、出る」映画について、発案者の後藤にその全貌を聞きました。

Dscn4866


――まず、『デルシネ』を考案されたきっかけを教えてください。

自分が役者をやり始めた頃、エキストラのバイトがよく行きました。エキストラって台本ももらえないし、何のシーンかもいまいち説明してもらえないんです。でも「とにかく“頑張れー!”って応援してください」って言われて、「頑張れー! 負けるなー!」って何を応援しているのか分からず撮影して。何を応援しているのか聞くと、「公開を観てくださいっ」ってちょっと怒られたりして。で、できあがったらすごく大事なシーンだったりするんですよ。その扱いが本当に面白かったんです。その頃、撮影から公開まで何ヶ月も待つのではなく、1時間も待てば完成品が観られたら面白いなぁって思ったんですよね。それからだんだんデジタル編集の技術が進んで、今ならできるぞって思った時が15年前だったんです。ところが当時はコンピューターの性能が悪かったので、編集作業1時間のところが2時間ぐらいかかって、結局映画が出来上がらなかったこともありましたね。

――今、時代とリンクし始めた感じですね。

そうですね。今、「やりたいんだけど」って当時のディレクターに話をしたら、彼とは同い年なんですけど、「15年前にやった時に、40歳過ぎたらもう1回やろうって言ったの覚えてるか?」って。「いや、全然覚えてない」「40過ぎたらやろうってお前から言ったんだよ。本当にやるとは思わなかったよって、喜んでやるよ!」って言ってくれました。

――15年前にはできなかったけど、今だからできることもあるんでしょうね。

今回は吉本興業プロデュースで作ることができるので、面白い役者をいっぱい導入できるわけですよね。知名度の高い。それは思いっきり遊ばせてもらいましたね。

――3月の沖縄国際映画祭での手ごたえはいかがでしたか?

確かなものがありましたね。現場の大人が理解できていないのに、観に来た子どもたちがものすごく理解してくれていて。撮影までにうまく運ばないことがあって、「どうする? もう止めようぜ」ってところまで行ったんですけど、「いや、ここまで来て止めちゃいけない、楽しみにしてくれている人は絶対いるから」って言ってて。最初の上映の前にスケボーを持った子どもたちが何人か座っていて。子ども映画の上映も同じ会場であったので、試しに「君たち、何観に来たの?」って聞いたら、「観るんじゃないよ、出るんだよ」ってそのチラシを見せてくれて。その時、周囲の理解は完全にゼロでしたけど、この子達が分かってくれてるんだったら、この子たちのために最高のものをやろうって、みんな一丸となりました。

――お子さんたちのアンテナがいいですね。

新しい遊びを覚えるのが今の子達は早いんじゃないですか。わかんなくてもまずやってみようっていう子どもたちに救われましたね。沖縄は無料だったので、その子らが毎日来てくれて。そのたびに友達が増えるわけです。で、5つの部屋に分かれて、5つのシーンを撮るので、完成品を観て「ああ、こんなふうに出たのか。あ、あっちのシーンも面白そうだぞ」って次ぎは違うところに行くんです。今度の幕張は1回だけですが、沖縄は何回か出演できるようになっていたので、1回楽しんだら何度も楽しみたくなるシステムになってると思うんです。

――その時の上映風景はどんなものでしたか?

この映画は、故意にチープなヒーローをものにしたんです。で、何よりも素敵だったのが、そんな映画を観ながらお客さんが指さして笑ったり、立ち上がって拍手したりするんです。大きな声を出すんです、スクリーンに向かって。映画でそんなことないですよね。インドだけです、そんなことが起こるのは。それが起こったんです。その時に初めて「これは絶対大切なことだぞ」って、上映のたびに思いましたね。日本映画全盛期の頃も、そうやって楽しまれていたと思うんですよ。それが戻ってくるんですよ。完全に失われたはずのものが!

――それを実感されて。

はい。そこが一番素敵な時間だから、そこを求めてやっているし、それが観たいがために俺は必ず客席で見るんです。客席で観ていると、時々涙が出そうになりますね。映画を観て、楽しそうにして、声を出して笑って拍手をしている姿を見ると、「どれだけ素敵なヒット映画でもこういうことは起こらないだろう。でもここでは起こってんだよ、こんなにしょうもない映画なのに」って感じて、最高に幸せですね。

――あえてチープな作りにしたというのは?

この映画の一番大きな目的は自分が出ていること。さっきやらされたのはこういうことだったんだっていうことで喜ぶことであって、いい映画を作る必要はないと思って。映画がものすごくいい作品だったら、そこが何か薄れちゃうような気がするんです。たとえば、私の原作の『パコと魔法の絵本』ぐらいの、あんな映画に自分が出てたら邪魔に思えてくるかもしれないです。(『デルシネ』では)「いえいえ、この映画を救ったのは俺の演技だ」とお客さんが言ってもいいものを作るべきなんですよ。だからグダグダですし、何しろエル・シュリケンさんという主人公の方の棒読み、かっこよく言うとスティック・リーディングですか、すさまじいものがありますよ。感情ゼロですからね。

――参加されたお客さんはどんなことをおっしゃっていましたか?

『沖縄国際映画祭』が終わった翌日、車で沖縄観光してたんです。まあ、前日まで映画祭でしたし、あまりにも疲れていて、誰も『デルシネ』の話をしようとしてなかったんですけど、何気なく聞いていたラジオで「お便りをご紹介します、ファックスご紹介します」と流れてきたんです。「昨日、うちの息子が夕方ぐらいに家に帰ってきて、さっき映画に出てきたって言うんです。何の話だろうと。そんな映画に出て、いつ公開されるの?って聞いたら、もうちょっとしたら公開される。お母さん、観にいこうよ、僕の映画にって。で、何を言っているのか全くわからなくて行ったら上映が始まって。エキストラとして息子がすごく楽しそうに、いつも見せないぐらいの笑顔で楽しそうにやっていました。とってもへんてこりんな映画だったんだけど、すごいことですね」っていうのをラジオで言い始めて。

――それはすごく嬉しいですね。

もう、本当。車に乗ってたやつは、何人か泣いてましたね。すごく嬉しかったですね。窓を開けて「わー!!!!」って言った覚えがありますね。体験してくれた人はちゃんと楽しんでくれたし、楽しませることには成功したと思いますね。

――後藤さんの手がけられるジャンルにおいても、『デルシネ』はまた違いますか。

違いますね、全然違いますね。たとえられないですよ。今、映画でも大概、2Dと3Dの2バージョンが標準になってるじゃないですか。それすらもう、古いと思ってるんです。『デルシネ』の認知度が上がっていけば、こっちの方が勝つような気がするんですよ。“東宝が作る『デルシネ』”とか、“松竹が作る『デルシネ』”とか。“スティーブン・スピルバーグが作る『デルシネ』”とか。そうすると世界中の人が「俺もスピルバーグ映画に出たよ」って言える時が来るんですよ。この可能性ってすごいでしょう? これ、俺だけですかね!?こんなに盛り上がってるの(笑)。

――『デルシネ』の可能性という面で、さらに考えていらっしゃることがあれば教えてください。

そうですね、3Dという飛び出す映画よりも、出る映画の方が断然新しくて、可能性があると思います。あと、「俺たちも『デルシネ』撮っちゃった」と、自主映画を撮る連中が言えるような、ある街の町おこしのために「そうだ、『デルシネ』しよう」とか、このくらいまで浸透しちゃえば幸せですね。

――エキストラとは言わず、『デルシネ』と言うと、参加される方も心理的に違ってくるものがあるのでしょうか?

『デルシネ』を理解していたら、ちょっとおめかしして来たりするんじゃないですか。どんな人でも歓迎ですし、小さい子供を連れてきても、赤ちゃんも構わない。うるさくて迷惑がかかることは一切ない場所なので。

――では最後に、今度の幕張での『デルシネ』に参加される方、参加しようかなと思っている方にメッセージをください。

いろんなものを楽しんだり観たりしている人たちが来てくれるんでしょうけど、観てるだけに飽きた人たちにはまず、来てほしいですね。たくさんのすごい俳優と共演してもらいますが、おそらく完成したものを観るとき、主役に見えるのはあなただと思うんです。これを超える映画の楽しみはないんじゃないですか。そのぐらい思いますね。作る楽しみ、観る楽しみ、出る楽しみ、全部を体感できるわけですから。多分、一生忘れられない映画になると思いますね。

――参加するに当たって、お客さんは何か準備をすることはありますか?

何にも要りません。ジャージで来てもらってもいいですし、おめかししてもらってもいいです。小さいお子さんがいても構わないですし、泣いてる子はむしろありがたいですね。

『デルシネ』では当日、会場にお越しいただき、インストラクターの演技指導のもと60分程度の撮影を経た後、豪華出演タレント達とあなたが共演した世界に一つの映画が上映されます! 大人はもちろん、ご家族でも楽しめます! 世界に一つの映画『デルシネ』を是非ご堪能してください!

<タイトル>
デルシネ『エル・シュリケンVS悪魔の発明』
日時:2014年1月13日(月・祝)  開場10:30/開演11:00/終演13:45
会場:よしもと幕張イオンモール劇場
(千葉市美浜区豊砂1-1 イオンモール幕張新都心グランドモール内)

イベント出演:後藤ひろひと、エル・シュリケン

詳細スケジュール:
◎11:00〜11:10  後藤ひろひと監督よりデルシネの世界をご説明(10分)
◎11:10〜12:00  演技指導&撮影(50分)
◎12:00〜13:00 お客様自由時間 ※編集作業をいたします(60分)
◎13:00〜13:45 完成作品上映(45分)

チケット料金:前売/大人2,000円、子供1,000円
         当日/大人2,300円、子供1,300円
チケット:チケットよしもと予約問合せダイヤル/0570-550-100
Pコード:597-996/Lコード:30164


※映画出演:エル・シュリケン、桜・稲垣早希、池乃めだか、内場勝則、まちゃまちゃ、西田幸治(笑い飯)、ガリガリガリクソン、ウーイェイよしたか(スマイル)藤波辰爾(友情出演)、坂田利夫、今いくよ・くるよ、ぼんちおさむ、宮川大助・花子・さゆみ、Mr.オクレ、岡村隆史(ナインティナイン)、梶原雄太(キングコング)、ハリセンボン 他

【後藤ひろひと】