NSC大阪で「よしもと1DAYアカデミー」を開催! ジャルジャルが特別講義で登壇!
芸人・タレント養成所「吉本総合芸能学院(NSC)」と、スタッフ・クリエイター養成所「よしもとクリエイティブカレッジ(YCC)」では、2013年より合同でワークショップ型セミナー“よしもと1DAYアカデミー”を開催しています。
このセミナーは、未来の人気芸人・クリエイターの卵たちに、現在活躍中の先輩が実践の場で必要な経験をとくと共に、より多くの若者に芸人やクリエイターなどエンターテインメントを仕事とすることの素晴らしさ、人を笑顔にする仕事の魅力を伝えたいという目的のもとに実施しています。
東京では過去4回行われ、大好評だった“よしもと1DAYアカデミー”。今年は大阪でも開催されることとなり、二部構成のセミナーにはNSC36期生と一般見学者約130名が参加。第二部の“NSC特別講義”では、NSC大阪25期卒業のジャルジャルが講師として登壇、ピン芸人・堀川絵美の司会進行の元、トークセッション型講義を実施しました。
ジャルジャルのNSC入学から現在に至るまでをひも解いた特別講義。高校時代に出会った二人は、遊びで楽しんでいた漫才やコントの延長でお笑いの道を目指したそうですが、当時はNSCが存在することも知らなかったとか。そして高校卒業後、NSCと大学へ同時入学。
「よくNSCと大学の両立は難しくなかったですか?と聞かれましたけど、時間に余裕があったし、大学でネタ合わせし放題やったので、やりやすかった」と福徳。後藤も「4年間、誰よりも大学に行って空き教室とかで丸一日、ネタ合わせしていました」。福徳は「高校を卒業するとき、NSCか大学か迷う人もいるかもしれないけど、両立も可能だということを知ってほしいですね」とアドバイスしていました。
そしてNSC時代には、「誰よりも面白いと思ってNSCに入ってるから、なかなかウケへんかった時は思い描いていたものとちゃう、おかしいなぁ…」と思っていたと後藤。ただ、授業を受けている間は、講師に合わせて様々なパターンのネタを見せていたそう。福徳は「振り返ってみれば、在学中にネタに変化をつけていた人が、今でも残っていますね」としみじみ。講師陣に褒められるようになったのは、怒られるかもしれないと思いながらもやってみた1本のコントだそう。そのコント以降は、どんどん褒められるようになり、後藤は「これが手ごたえか」と初めての感触を得たそうです。
また、同期には結成以前の銀シャリの二人や、プラスマイナスの姿があり、特にプラスマイナスは漫才のうまさは同期の中でも群を抜いており、「その実力は化け物、びっくりした。大ベテランがおるやん!」と思っていたと後藤が振り返っていました。
そしてNSC卒業後、baseよしもとのオーディションを受けるようになったのですが、なかなか受からなかったふたり。「今、考えると大したことないけど」と福徳が前置きしつつ、あまりにもネタが受けないゆえに「何が正しい笑いなのか、分からなくなっていた」と当時の心境を吐露。だからこそ「信念を貫くしかない」と思ったそうで、それには後藤も「おもろいと思ったことをやるだけだった」。
そんな頃、先輩の言葉に助けられたというふたり。「オーディションで落ちまくっているときに、バッファロー吾郎Aさんが僕らのことをどこからか知ってくれて、『ホームラン寄席』というバッファロー吾郎さんのイベントに呼んでくれたんです。ネタも何分でもやっていいよって言ってくれて、それまで3分が限界やったんですけど、15分やらせてもらいました。その打ち上げの時、3次会でAさんと僕らの3人になって。3人でバーで飲んでたら、女の子がAさんに“握手してください”って来て。そしたらAさんが“この子らとも握手しときや、将来売れるから”って言ってくれて。芸人やってたら、こんなに嬉しいことがあるんやってその時初めて思って、明け方に一人でニヤニヤしながら帰りましたね」(後藤)。
鳴かず飛ばずの時期もあったジャルジャルですが、堀川が「芸人をやめようと思ったことは?」と尋ねると、「ない!」と福徳。ただ、二人ともがボケるようなコントが多いため、「ツッコミみたいな人をもう一人、入れようと思ったことはある」と後藤。そのもう一人とは、小谷真理だったそうです。
現在は劇場、メディアを問わず活躍しているジャルジャルですが、「劇場は唯一、失敗が許される場所」と福徳。後藤も「劇場でどれだけスベったか、その経験は将来のために大事かもしれません。駆け出しの頃は、劇場でウケた最高のものをテレビ番組で披露するので」と、劇場で場数を踏むことの大事さも伝授しました。
ほかに、アルバイトや一人暮らしについて、テレビ番組でスベった経験などを語り、約50分の講義を終えました。そして聴講生からネタの作り方や、ネタを作る際の着眼点についてなどの質問があり、その都度、虎の巻を惜しみなく披露する二人。最後は、芸人やエンタメ業界を目指す聴講生にエールを送ったのですが、福徳は急に滑舌が悪くなり、後藤も急に小声で聞き取れないという事態発生(!?)。二人とも何を言っているのか全く分かりませんでした。ただ一言、「己次第」(福徳)「自分を信じて!」(後藤)と伝え、会場を後にしました。
そして講義終了後のジャルジャルに、終えてみての感想などを尋ねました。
後藤は「初心に戻れました」とNSCに入学したころの自分を思い出したそう。当時はものすごくダサい格好をしていたそうですが、「それなのに尖っていて。でもこの時代があるから今があるんやと思います!」。
福徳も同じく初心に戻ったそうです。そして「NSCの頃に思い描いていた10年後は、東京にでっかい家を建てて、外車を何台も持ってるっていうもので、今はイメージしていたものとは違いますね…。でも、初心に戻るのは大事です!」。
また、改めてNSCでの日々を尋ねると、「厳しかったですが、人としての教育も受けました」と福徳。後藤は在学中、ジャージを忘れたことでものすごく怒られたそうで、「それ以来、ジャージを忘れることはありません」。
最後に、エールは何と言っていたのか聞くと、「本当、己を信じるしかない。周りに何を言われようが、自分次第です」と福徳。後藤も「場数を踏むことが大事。頭で分かっても、心で理解しないとできないので。心で理解するには、場数を踏むしかありません」。
“ブレイク”の秘訣を惜しみなく語った特別講義でした。