よしもとニュースセンター

５月31日（土）、東京・渋谷シアター・イメージフォーラムにて、映画『いなべ』初日舞台挨拶が行われ、松田洋昌（ハイキングウォーキング）、倉田あみという主演の２人と、深田晃司監督が登壇しました。

本作は、養豚所で働く智広（松田）のもとに、赤ちゃんを連れた姉の直子（倉田）が十七年振りに帰ってきて…といったところから始まる、ほろ苦くもちょっと不思議な物語。
沖縄国際映画祭の地域発信映画の一作として、三重県いなべ市のいなべ市文化協会が中心となり、市民とともに作り上げたこともあり、いなべ市のどこか懐かしい景観も見どころです。

ほぼ満員となった観客の前に３人が登壇すると、松田は「みなさんも理解できないところがたくさんあったと思うんですが、あのサッカーシーンはどういうことなんですかね？」とさっそく深田監督に質問。
松田の相方・鈴木Q太郎も出演するこのサッカーシーンについて、深田監督は、松田の見解を「そういうことかもしれない」と受け入れた後、「ああいうサッカーのボール回しをしているところを撮るのが好き」と熱く解説します。

同様に、松田が滑り台のシーンについて話題を移すと、深田監督は「思い入れあるシーンで、あの滑り台を見て、絶対使いたいと思った」とか。
このシーン、沖縄国際映画祭では上映時間の都合でカットされており、「自腹を切って編集し直して、そこまでして滑り台を残した」という渾身ぶりです。
撮影時、倉田は「どういう気持ちで滑ったらいいですか？」と監督に訊いたところ、「滑りたくなるから滑ったみたいな」と返ってきたそうで、「いい加減ですね（笑）」と自ら笑う深田監督。

本作では、ハイキングウォーキング以外にも笑い飯の２人や桂三輝、ほんこんといったよしもと芸人も出演していますが、松田はワンシーンしか出演していないほんこんが「自分で勝手に（セリフを）割愛してたのは衝撃的だった。監督が考えたセリフを“覚えられへんねん！”って（笑）」といった、ほんこんらしい（？）逸話を暴露します。
結局ほんこんは、監督からのダメ出しで、台本通りのセリフに直したとか。

さらに、金魚を扱うシーンでは、松田が怪現象を目の当たりにしたとのことで、「撮影のあと、なんとなく肩が重いなあ（笑）」と冗談を飛ばし笑いを誘いつつも、映画とのシンクロ性について考えさせられます。

一方、ロケ地のいなべについては、監督は「いなべのことが知らない人が見ても面白いって思うものを作らなければならない」といった志で臨み、名産品などで内輪受けで終わらないようにしたといった胸中も明かしました。

最後に、上映後の舞台挨拶が初めてという倉田は、「◯◯◯の直子役の倉田です…って言えることが出来て、うれしいです（笑）」とネタバレを気にせず、のびのびと話せて満足気。
男性陣は、「僕の演技はさておきなんですが、とても素晴らしい内容となっております。答え合わせとして二度、三度と見ていただくのがベストだと思いますので、何度も足を運んでください」（松田）、「結末が知ってから見てもいろんなところに伏線が張られていて、面白いと思います」（深田監督）とリピート観賞を推奨しました。

渋谷シアター・イメージフォーラムでは、 『いなべ』『ざくろ屋敷 バルザック「人間喜劇」より』の２本立てて、６月13日（金）までレイトショー。
連日、トークイベントも開催されますので、詳細は映画館の公式サイト（http://www.imageforum.co.jp/theatre/index.html）でご確認ください。


●作品情報
映画『いなべ』
出演：松田洋昌(ハイキングウォーキング)、倉田あみ、
伊藤優衣、井上みなみ、望月皇希、康光岐、鈴木Q太郎(ハイキングウォーキング)、西田幸治(笑い飯)、哲夫(笑い飯)、桂三輝、ほんこん
監督・脚本・編集：深田晃司
　 (C)2013「いなべ」製作委員会
http://inabecinema2013.wix.com/inabe


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