高山トモヒロ原作の映画『ベイブルース 25歳と364日』がまもなく公開! 自らメガホンを取った高山監督が語る!
10月16日(木)から始まる京都国際映画祭でプレミアム上映され、10月31日(金)から公開される映画『ベイブルース 25歳と364日』。25年という短い生涯を生き抜いた伝説の漫才師・ベイブルース河本栄得と、相方高山トモヒロが猛スピードで駆け抜けた青春を描いた物語です。原作を執筆した高山トモヒロ自らが監督を担い、映画化した本作について、高山が語りました!
--高山さん原作の『ベイブルース 25歳と364日』が同タイトルで映画化となり、しかも自らメガホンを取られました。この作品を映画化するにあたって、監督としてどういうふうに見せようと考えられましたか?
尺の問題で全部は見せられないので、どこを生かすかとか、それがすごく苦戦しましたね。
--できれば全部生かしたい?
全部生かすには?とスタッフに相談したら4時間超えるんちゃうかと(笑)。『ベン・ハー』ぐらいになると(笑)。
--では、今回は映画でどうお見せしようと考えられましたか?
相方が亡くなるということは、映画を観る前から知って来られると思うので、亡くなって悲しいだけじゃなく、そこにどんな友情があったりとか、亀裂があったりとか、そこに乗っかってくる友達とか母親の愛とかが伝えたいことやったので、それが見えたらええなと。映画を観終わって悲しい気分で帰るんじゃなくて、悲しいことはあったけど、最後は「私も頑張ろう」って思ってもらえたらと思って作りました。
--なるほど。観終わった時には自分も前向きになれる。
はい。そういう形にしたつもりです。
--最も力を入れたシーンはどこですか?
やっぱり最後の病室で亡くなるシーンですね。僕が力を入れたっていうよりも、役者陣がすごく大変やったやろうなと思います。
--その最後のシーンというのは、当時の高山さんの目線ですか?
そうですね。完璧一緒じゃないですけど、ほぼ再現したような…。
--リアリティありますね。沖縄国際映画祭で3月にプレミアム上映されましたが、その時に観られた方のご感想など聞かれましたか?
「ベイブルースという存在は知らなかったんですけども、見終わって心打たれました」という声はいっぱいもらいましたね。それでちょっと自信がついたというか、「ああ、そうか、知らん人でも分かってもらえている映画なんや」って。観たら感銘受けてくださるんやってちょっと自信がつきました。
--それまでは何か気がかりがあったんですか?
ありましたね。それは、相方が亡くなったとか、ご家族の方が亡くなった方は、たくさんいらっしゃるので、ストーリーは普通といえば普通なので大丈夫かなって思ってましたね。
--そこに出てくる人たちの生き方に感銘を受けられたということでしょうか
そうでしょうね。多分、主婦の方は相方が亡くなったというよりもお母さん目線で見ているでしょうし、若い子が見たら、自分のすごく仲のいい友人が亡くなったらこんなんやって、それぞれ違うでしょうね。
--主役の趙さんと波岡さんはそれぞれいかがでしたか?
実は元々、役が逆やったんですよ。スタッフさんが先に動いていて、向こうにも話は逆で伝えていたんですけど、僕が無理やり…。波岡が僕、趙が河本にして。多分、スタッフは『パッチギ!』とか『クローズZERO』とかの波岡を見て、ちょっとやんちゃっぽい演技が見えていたんでしょうけど、僕はこの子は絶対引きの演技もできると思ったんですよ。で、趙と比べたら趙の方が顔がイカツイ。体もでかいんですよ。だから絶対、逆の方がいいと。
--それはバッチリはまって?
バッチリですね。元の形でもいけたんでしょうけどね、力のある役者さんなので。
--お二人での漫才シーンもありますが、そのあたりでは何かお話はされましたか?
実は、1週間、漫才稽古日を作っていたんです。彼らは元々若い頃からの友達で、稽古のための稽古をしてきていたんです。なので、その稽古の初日も台本も持たず、普通にできて、うまいな~って。
--じゃあ、もうセリフが全部、頭の中に入っている状態で。
はい。漫才が5本、コントも入れたら6本かな。それを全部入れていたので。聞いたら、大阪出身でどストライクの世代やったのでと。彼らの思い入れがすごく入っててんな~って稽古の時から思いましたね。漫才うますぎた。だから、1週間、漫才の稽古日がありましたが、4日目で「もう後の3日は止めよう」って。これ以上やったらうまくなりすぎて若手に見えないって。
--そんなに?
はい。普通の中堅漫才師が劇場に出るみたいな、そんなふうになるので
--あとは本番で?
はい。もう止めといていいよ、十分やからって。ただ、実はクランクインの初日に漫才のコンクールのシーンを祇園花月で撮ったんです。彼らの中では、河川敷で漫才の稽古のシーンとか、いろいろ経てコンクールのシーンを撮ると思ってたと思うんですけど、わざと初日にして(笑)。そしたらめちゃめちゃ緊張するでしょう。それが若手のコンクールっぽくなるやろうなって。
--そうなんですね。じゃあ、その緊張感も見事にカメラに…。
収まってますね。もう一発OKで。
--コンクルールのシーンを今から撮ると伝えた時、お二人はどんな反応でしたか?
「ええ?初日でコンクールのシーンを撮るの!?」って。映画では30秒、40秒のシーンですけど、実際には4分くらいやってますからね。そのシーンを撮る前も面白かったですよ。ほんまの漫才コンクールに出る若手みたいに、二人が舞台袖でネタ合わせしていて。今からいざ、お客さんの前に出て一発OKで撮らなあかんって思ってるので、ほんまにコンクールみたいでした。
--そういうリアリティも楽しみですね。監督というご経験はいかがでしたか?
本業じゃないので、今からクランクインまでに監督業の勉強をしたところで何十年もやっている方には追いつかないでしょうけど、だからポイントを絞っていこうと思って。僕は演者が気持ちよくできたらいいなと思って、それだけを考えてやりました。僕も長年、この世界にいるので、演者として何かやったときに、そこにいる偉い人がわーって怒鳴ったら、僕も委縮していたし、周りも委縮してましたから、そんな空気だけは絶対に作りたくないなって。ただ、漫才シーンとか、亡くなるシーンではどうしてもピリッとはしていましたね。
--これから封切になりますが、楽しみにされている方にメッセージをください。
こっちから絶対泣かせますとかは思っていないです。涙の押し売りだけはやりたくないなって。素直に観てもらって…。「ああ、芸人って大変やな」って思われるでしょうし。最後は晴れやかな気持ちで帰ってもらえたらと思います!
10月17日(金)には、トーク番組「祇園笑者」(関西ローカル)に同期の雨上がり決死隊・宮迫と出演。ベイブルースについてはもちろん、若手時代の数々のエピソードを語りつくした模様がオンエアされます! こちらもぜひ、お楽しみに!
「祇園笑者」
(読売テレビ/関西ローカル)
毎週金曜日 深夜1時33分~
★10月17日(金)オンエア
[出演]ケツカッチン・高山×雨上がり決死隊・宮迫
※都合により放送日時変更の可能性あり
高山トモヒロのYNN動画はこちら ⇒ http://ynn.jp/u/163/
【ケツカッチン】【高山トモヒロ】