よしもとニュースセンター : THE舶来寄席への道〜よしもと諸芸フェスティバル〜

11月6日（木）、「THE舶来寄席への道〜よしもと諸芸フェスティバル〜」が、なんばグランド花月にて開催されました。諸芸とは、漫才・落語とともに寄席になくてはならない、マジック、ジャグリング、紙切りや腹話術など熟練の技に笑いを交えて見せる"芸"のこと。この日は2015年2月に開催される「THE舶来寄席2015 winter」出場枠をかけて、よしもとのパフォーマー7組が火花を散らしました。

まずステージに登場したのはMCの吉本新喜劇・すっちーと清水けんじ。すっちーは「最初に聞いた時、手芸フェスティバルと間違えました」とボケたり、「アクロバット・バスケチームが楽屋の廊下でアップするのが怖くて怖くて」と今年5月に行われた「THE舶来寄席2014」上演時のエピソードを語るなど、笑いで客席の雰囲気をほぐします。清水は「皆さんの拍手、笑いの量で審査員のジャッジも変わってきますよ！」と協力を呼びかけました。

続いて、エグゼクティブプロデューサーの澤田隆治さんが挨拶を。「こんなにたくさんのお客さんが来てくださるなんて」と感謝しつつ、「新喜劇や漫才、落語にはスターがいっぱいいるが、諸芸の人はあまり知られていない。それはとてももったいないこと」とコメント。「諸芸は言葉がいらないから世界に出て行ける。大阪から世界へ通じる芸人さんを育てたいと、こういう企画を考えました」とイベントの狙いを明かします。2位、3位に選ばれると「THE舶来寄席2015winter」の第一部「オールよしもとジャパンプレミア」、1位に選ばれると第二部の「ワールドバラエティアクト」への出演が可能に。澤田さんは「1位に選ばれたら、同じ楽屋で世界から集まった出演者と交流できる。そういうチャンスを作ってあげたい」と話しました。

審査は澤田さんと在阪テレビ局のプロデューサー5人が担当。7組がそれぞれ持ち時間10分でネタを披露し、審査員が与えた得点の合計点数で順位が決まります。さあ、いよいよAブロック4組からスタート！

一番手はキャプテン★ザコ。お笑いコンビ・キャベツ確認中としても活動する彼は、バルーンアート全国大会「ツイスターズ2014」パフォーマンス部門優勝の実績を持つバルーンアーティスト。小手調べに風船でクマを作り拍手を浴びると、お客さんをステージに上げ一緒に作品づくりをしたり、人気キャラクターをかたどったバルーンアートを次々とプレゼントしたり。「欲しい人！」と呼びかけるたびたくさんの手が上がり、すっかり人気者となっていました。

二番手は「THE舶来寄席2014」にも出演したモンブラン。ローラーバランスに挑戦する木下を、ちぐはぐなサポートで逆に邪魔してしまう池本...そんなふたりのスリル満点かつコミカルなやりとりは爆笑の連続！　もちろん大技も見事成功させ、実力者ぶりを見せつけました。

13歳の少年マジシャン・あきとは、知恵の輪や新聞紙を使って不思議なマジックを次々と見せていきます。カードマジックでは、その見事な手さばきにどよめきと拍手が起こっていました。

Aブロックの最後、吉本新喜劇でおなじみの松浦真也は登場するなりギターを弾きまくりテクニックをアピール！　そこから即興作曲やピック以外のものを使っての演奏、関西圏の鉄道駅で流れる音楽再現などさまざまなネタを繰り出して笑いを巻き起こしました。

Bブロックへ入る前に、ひとり目のゲスト、マギー審司さんが登場！　ふだんのなんばグランド花月では見られないスペシャルステージに、客席のテンションは急上昇です。マジックと巧みな話術で爆笑を巻き起こし、すぐさまお客さんのハートをがっちりつかんだマギーさん。ハンカチの色を変えてみせるマジックでは、客席からリクエストを募るも次々と難癖をつけ却下、さらにタネを見破ろうとする子どもたちと丁々発止のやりとりを繰り広げて笑わせます。おなじみの大きくなる耳やラッキーのネタももちろん披露。最後はカードの手品でしっかり見せ場も作り、終始、会場を魅了しました。

Bブロックのトップを飾ったのはAFRA。ご存じ世界的に有名なヒューマンビートボックスのパフォーマーです。客席には子どもや年配の方も多く来られていましたが、AFRAが繰り出すビートに気付けばノリノリ！　コール＆レスポンスにもしっかり応え、声だけで奏でる音楽に「すごい！」と感嘆の声が上がります。『上を向いて歩こう』など名曲の演奏には手拍子も。最後は入門編として、誰でもできるヒューマンビートボックス講座（？）まで行い、ライブさながらの雰囲気に...。

ジャグラーのもりやすバンバンビガロは、一輪車に乗っての三角コーンジャグリングでスタート。リンゴをかじりながらのジャグリングには、拍手と爆笑が起こります。ほかにもお客さんに協力を仰いで一輪車に乗っての輪投げに挑戦したり、子どもをステージに上げて連携プレーでのジャグリングを見せたり...。ボケもたっぷり織り交ぜたハプニング続出のショーは、まさにもりやすワールド！

B ブロックの最後は、こちらも「THE舶来寄席2014」出演実績のあるKAMIYAMA。パントマイムで独特の世界観を作り上げる技術は折り紙付きです。この日は新ネタをひっさげての登場！　箱に翻弄される男の不思議なストーリーを演じて沸かせました。

全7組のパフォーマンスが終了し、審査員の皆さんは別室での審査へ。結果発表までの時間は、ゲストのGABEZがお客さんを楽しませます。ふたりが演じるのは、ダンス、アクロバット、セリフのない芝居を組み合わせた「ダンス＆サイレントコメディー」。目を見張る動きの数々に加え、客席通路を走り回るなどコミカルな演出もたっぷり。いつしか自然と手拍子が沸き起こり、会場が一体となった盛り上がりを見せていました。

ついに運命の時、結果発表の時間がやって来ました。3位はモンブラン、2位はもりやすバンバンビガロ、そして1位にはAFRAが選ばれました！　

澤田さんは「前回の『THE舶来寄席への道』に出演した方々は、ネタを変えてきており、それで苦労しているところがあったと思う。AFRAさんはこの世界でNo.1の人。悠々とやってましたね」と総評を。世界の名だたるパフォーマーと肩を並べ「THE舶来寄席2015winter」に出演することとなったAFRAは「本当にうれしいです。ありがとうございます。（今日の）パフォーマーとの戦いは勉強になりました。2月に向け、まだまだ芸を高めていきたい」と意気込んでいました。

● 公演概要