よしもとニュースセンター : ザ・プラン9 コントコレクション〜2014年秋・冬新作〜

11月24日（月・祝）、大阪・HEP HALLにて、「ザ・プラン9 コントコレクション〜2014年秋・冬新作〜」が行われました。13時開演の公演は、2日間にわたる同ライブの追加公演。「ヤナギブソンラジオ休みの為追加公演（おまけトーク付）」という副題通り、ヤナギブソンがレギュラー出演しているラジオ番組「こんちわコンちゃんお昼ですょ！」（MBSラジオ）が祝日のため休みになることが判明し、急きょ上演が決定しました。

オープニングコントの舞台は、とあるカフェのアルバイト面接会場。ごく普通の待合室の光景でしたが、集まったなだぎ武、浅越ゴエ、ヤナギブソン、そしてお〜い！久馬のプロフィールには、それぞれ衝撃の事実が!?　カフェにちなんだ言葉遊びで初っぱなから笑わせます。

続くオープニングVTRも、カフェをからめた映像に。今回のポスタービジュアルにもなっている、ラテアーティスト・じょーじさんが手がけた4人の似顔絵ラテが、制作過程を含め披露されました。

さらに各コントのタイトルも、カフェのメニューをイメージした映像で紹介。1本目は「救急隊員」。交通事故に遭ってしまったなだぎが、痛みに耐えながら救急車を待つシーンからスタート。ところが、やっと現れた救急隊員は、揃いも揃ってヨボヨボの老人！　骨は折れるわ力はないわ動きは遅いわ...ボケまくりの隊員たちに、ツッコミを入れまくるなだぎ。終わりの見えないカオスな状況の中、何度も爆笑が起こります。

ご存じザ・プラン9の陰の構成員・覚王山によるグッズおすすめコーナーを挟み、2本目は「調べさせてもらいます」。自転車に乗り通りかかったゴエに、職務質問する警官・ギブソン...そんなありふれたシーンが、気付けば互いに一歩も譲らぬ、壮大な意地の張り合いへと発展していきます。

3本目の前には、なんとファッションショーが！　タイトルの「コントコレクション」にからめ、コント内で使われた衣装の数々を、モデルが着用して舞台を闊歩していきます。ここでは「救急隊員」でゴエが演じた"剛力さん"の個性的すぎる全身コーデ、「調べさせてもらいます」でゴエが乗り回した小さすぎる自転車が再登場しました。

3本目は「ウイルス」。体調を崩して病院にやって来た久馬を、医師・ゴエは「ウイルスに冒されている」と診断。おなじみのインフルエンザ等と思いきや、全く別の「あるウイルス」に感染しているとのことで、久馬だけでなく付き添いの妻・なだぎも徐々に様子がおかしくなり...!?　次々と現れる珍症状に、客席は大ウケ。最後はあの人にまで病魔の手が！

4本目はガラリと雰囲気を変え、モノクロのシリアスなVTRで始まった「幸せのスプーン」。病に倒れた父（久馬）、家を飛び出したものの俳優の夢破れた長男（なだぎ）、その幼い息子（ギブソン）、家業を継いだ次男（ゴエ）という家族の心の機微が、丁寧に表現されていきます。どこまでもコントとは思えぬ展開に戸惑う客席...そしてラストには、衝撃かつ破壊力満点のオチが用意されていました。

ギブソン考案のゲームに興じる4人の様子を記録したブリッジVTRの後は、5本目のコント「テヅルモヅル」。久馬＆ゴエ扮する地下アイドルを、記者・ギブソンが取材にやって来るという設定ですが、ふたりもマネージャー（なだぎ）も怪しさ全開！　長年、地下に潜伏（？）しすぎたため、進化ならぬ退化を遂げてしまったアイドルの真の姿には、笑いを通り越して戦慄が走っていました。

ファッションショーの後半では、「ウイルス」でギブソンが着用した看護師の衣装、「幸せのスプーン」のオチに使われたある食べ物、そしてラストを飾るゲストとして、近江のこかじろうが登場！　スタイリッシュなコーデで舞台を練り歩いた後は、「チューリップ」という謎のギャグを発し、さらなる魅力をアピールしていました。

最後の「笑って許して」は、ここまでの全コントがリンクする"まとめコント"。「調べさせてもらいます」の警官・ギブソンが、先ほどのショーに出演したこかじろうを尋問。そこに「1本のスプーン」の長男・なだぎや「ウイルス」の患者・久馬が加わるという夢の競演に、現場は大混乱！　と、ここで"ファイナル・ウェポン"と化したゴエが現れ、和田アキ子さんの『笑って許して』を熱唱！　さらにこかじろうまでが乱入してデュエット状態に突入するという、ゴージャズかつ爆笑のフィナーレとなりました。

エンディングでは、来年1・2月に大阪と東京で上演される本公演「虹色の風が僕らをお喋りにさせる」の告知も！　本作は「LEAD HOT CHILI Pistols」以来3年ぶりとなる覚王山の作・演出となり、こちらも今から期待が高まります。

また、本編終了後、休憩を挟んで始まった「おまけトーク」では、ライブの裏話が続々。中でも気になる「どのコントを誰が作ったのか？」は、クイズ形式で明かしていくことに。とはいえ観客の皆さんには、すっかりバレている様子!?　拍手の大きさで決めるべく順番に名前を挙げますが、どのコントもほぼひとりに集中してしまいます。

「救急隊員」は、なだぎ作。「あるところに行った時、スタッフが全員おじいさんだった」という奇妙な経験から発想したのだとか。コント中にギブソンがしつこく繰り返すも、なだぎから「全然おもしろくない」と言われ続けていた「どれにしまんのや」というフレーズが、『キン肉マン』第1巻のあるシーンに出てくるものだったことも発覚。「じじいと言えばこれ。子どもの頃から面白いと思っていたシーンへのオマージュ」と熱く語るギブソンでした。

「テヅルモヅル」を作った久馬は、「あんなに引かれると思ってなかった」と苦笑い。これまでずっとあたためていたアイデアながら、さまざまな企画会議で出してはスルーされていたものだそうです。なお、タイトルの意味については「帰って検索してみてください」。

ギブソンが「一番の問題作！」と太鼓判（？）を押す「幸せのスプーン」は、覚王山によるもの。オチを担当したゴエは、セリフを発する際の極限の緊張状態を振り返っていました。ほかにも、ギブソンが「年長者のセリフ覚えが悪くなってきている」と指摘したり、「調べさせてもらいます」でなだぎが見せた安倍首相のモノマネを久馬が絶賛したりと、ココでしか聞けない話がたっぷり。

なんと急きょジャンケン大会を行い、勝者となったお客さんひとりがメンバーとともにHEP FIVEの観覧車に乗れるというサプライズプレゼントも！　さらに、ゴンドラの定員が4人のため振るい落とされてしまったギブソンが、ひとり残って「『誰が興味あんねん』ピンポイントツッコミサービス」を繰り出すなど、最後までお楽しみ満載で締めくくりました。

● 次回公演概要

「虹色の風が僕らをお喋りにさせる」

☆大阪公演

日時：2015年1月30日（金）18:30開場 19:00開演