『THE EMPTY STAGE』
12/1(月)、東京・Palazzo Ducale Azabu(パラッツォ ドゥカーレ 麻布)にて、『THE EMPTY STAGE』の初日公演が行われました。
『THE EMPTY STAGE』とは、台本も道具もない空っぽのステージ(THE EMPTY STAGE)で、芸人の腕とパフォーマンスのみで繰り広げる新型エンターテイメントショー。『Stand-Up One-Man Talk Show』(芸人が身一つで舞台に立ち、一人で繰り広げる一人喋りショー)と『The Second City Japan Show』(アメリカ最大級のコメディ集団「The Second City」の即興コントのシステムを持ち込み、日本の芸人たちがパフォーマーとしてお届けする新ジャンルの即興コントショー)の2部構成でお届けする、まったく新しいステージです。
12/1(月)~14(日)の2週間、計18公演行われる本公演の初日を飾ったメンバーは、『Stand-Up One-Man Talk Show』にキングコング・西野亮廣、『The Second City Japan Show』はTeam B(バッファロー吾郎・竹若、キングコング・梶原、2700、インポッシブル)&Team D(2丁拳銃・修士、とにかく明るい安村、かたつむり、チョコレートプラネット)。
会場の雰囲気も通常の劇場とは違い、食事やお酒も楽しめる大人な空間で、ゆったりと楽しもうとするお客さんが多いよう。
まずは、「The Second City」にも在籍経験のあるマシ・オカが登場するVTRが流れ、『THE EMPTY STAGE』のコンセプトや、インプロ(即興)とはどんなものか?がわかりやすく映像で語られ、観客の期待をあおります。
VTR終了後、突如高めのテンションで登場したのがこの日の司会を務めるあべこうじ。客席から登場したあべは「今日どんなことが行われるのか、イマイチ把握してないタイプで~す」と笑顔で語ったあと、この舞台はみなさんの協力で成り立っているということ、つまりお客さんからのお題をいただくことからすべてのコントがスタートするということを説明してから、「みなさんは好意的なお題出せるタイプ出せないタイプどっち~?」と問いかけます。さらに、今日はまずTeam Dの即興コントから始まり、次にキングコング・西野によるワンマントークショー、最後にTeam Bの即興コントという構成であることを明かし、いよいよ『THE EMPTY STAGE』のスタートです!
Team D(チーム・ダイヤモンド)の最初のコントは「ワンボイス討論」。これは、2対2であるひとつのお題について討論をするのですが、2人が同時にしか話せないという決まりがあるため、2人が肩を組んで息をピッタリ合わせ、同じ言葉を話さなければなりません。客席から出たお題は「よしもとvs他事務所」。かたつむり(他事務所)vsとにかく明るい安村&チョコレートプラネット・長田(よしもと)の対決が行われ、「他事務所は今すごい勢い」「よしもとはデカい」等、さまざまな意見が出ますが、とにかく相手が何を言おうとしているのか探り探り話すため、異様に遅いスピードでたどたどしく語られるさまに観客は大ウケ。結果、「よしもとが嫌いです」と言い切ったかたつむりの2人が勝者となりました。
続いては「コマーシャル・リプレイ」。これは、まずお題をもらって、とある商品のコマーシャルを作ったあと、アレンジを加えて同じコマーシャルを違う雰囲気にしていく、というもの。お題は「トイレの消臭剤」との声が出ましたが、「もう少し絞って」とのあべの言葉に、お客さんが「エステー」と答え、あべが「うちの嫁がお世話になってま~す!」と答える一幕も。このコントでは、修士、チョコレートプラネット・松尾、かたつむり・林の3人が出演。修士がトイレで用を足したはいいものの、匂いが臭すぎて、次に待っている人(林)の手前、出るに出られず困っていると、エステーの人間(松尾)がやってきて消臭剤を渡し、「これで安心!」というCMができあがりました。
次にこれに感情をプラスする、ということで、なんの感情をプラスするかも客席からお題をもらいます。出てきたお題は「悲しみ」。さきほどのCMを悲しそうに演じる3人。松尾が「喪中のエステーの人間です」と泣きながらやってきて「亡くなったアイツが作った消臭剤......。匂いは消すけどアイツの思い出は消さないぜ!」など、ムリヤリすぎる悲しみの感情を加えた芝居に客席も大爆笑。
さらに次は、このCMに有名人を当てこみます。誰にどの人を当てこむかもお客さん次第。結果、松尾は向井理さん、林は渡部篤郎さん、修士は大島優子さんに決定。こうなると設定もおかしくなってきて、トイレの次の客に「ここ女子トイレですよ!」とツッコミが入ったり、それぞれモノマネを入れたりするのですが、松尾の向井理さんのモノマネがまったく似ていなくて、さらなる爆笑をさらっていました。
このあとも、「スペース・ジャンプ」(1人加わるごとにシーンが変わっていき、6人全員そろったら今度は1人ずつ減っていき、シーンも戻っていく)、「サイレント・リプレイ」(2人がとあるシーンを演じ、それを別の2人がヘッドホンをして動きだけを見たあと、どんなシーンだったか再現する)、「ミュージカル・フリーズ」(2人があるシーンを演じ、それを見ていた別の人が途中で「フリーズ!」と言って手を叩いてシーンをフリーズさせてから、どちらかと入れ替わり、まったく別のシーンを始める。さらに音楽もかかるため、その音楽の雰囲気に合わせた芝居をしなければいけない)など、スリリングかつ面白い即興コントの数々が繰り広げられ、チーム・ダイヤモンドのステージは終了。
続いてはキングコング・西野によるワンマントークショー。こちらも同じく即興ということで、事前に特に何を話すかを決めていなかったようすの西野。自然と"僕、嫌われてるんです"という話題に......(笑)。
とにかく同期に嫌われ芸人が多いと嘆く西野。ウーマンラッシュアワー・村本に始まり、ノンスタイル・井上、南海キャンディーズ・山里と、みんな同期で「炎上のロイヤルストレートフラッシュが揃っている」と語ります。最近では「あ、西野さんだ~!」と近寄ってきたはいいものの、その場を去るきっかけを失って困っている人に、きっかけを作ってあげようという優しさから「握手しましょうか?」と聞いたところ、あっさり断られたという悲しいエピソードを披露していました。また、飛行機の中でおばさんに勝手に写真を撮られ、怒って写真を見せろと言って携帯を奪って確認したところ、相方の梶原しか写っていなくてめちゃめちゃ気まずかったというさらに悲しいエピソードも披露。
この他にも、スリムクラブ・内間のビックリするような下ネタ話や中田ボタン師匠の仰天エピソードなど、ほとんどが紹介できないような「ここだけの話」のてんこ盛りという大サービスぶり。ラストは「相方の悪口で終わりたいと思います」といい、この後出てくる梶原への西野なりのはなむけ(?)のつもりなのか、梶原のなかなかの(言われたくないであろう)エピソードをバラし、客席は終始笑いに包まれていました。
そして、いよいよラストを飾るチーム・アンサンブルことTeam Bメンバーの登場です。あべによると、先のTeam Dよりもコントの難易度が高くなっているとのことで、さらなるお客さんの協力が必要であることを訴えます。
最初の即興コントは「ザ・討論」。これは、政治家2人が討論を交わすのですが、討論のテーマは知らされず、「形容詞」「名詞」「動詞」をお題にもらって、それぞれのお題を3人がジェスチャーで順番に政治家に伝え、政治家はジェスチャーを見て、自分が何について討論しているかを想像しながら、交互に発言をしていく、というもの。
もらったお題は「初々しい」「キリン」「壊れる」。政治家は竹若と2700・八十島の2人。ジェスチャーするのはインポッシブルの2人と梶原。それぞれの政治家になんとかしてまずは「初々しい」を伝えようとしますが、「初々しい」のジェスチャーが難しく、途中から「鵜」(鵜飼の鵜)と「胃」を伝えてわかってもらおうと方針を変えます。最終的に、見事3つのワードをつなげて討論し、勝利したのは八十島でした。
続いてのコントは「紙のセリフ」。これは、事前にお客さんから自由に一言を書いてもらった紙をそれぞれ数枚ずつポケットに入れておき、コントの要所要所でその言葉をはさんでコントを続けていく、という、お客さんからのセリフを織り交ぜたシチュエーションコント。シチュエーションは「富士山頂」だったのですが、思わず「おおっ」とどよめきがあがるようなピッタリなものから、全く似つかわしくなく、それゆえに面白いものまで、さまざまなセリフが織り込まれていきました。
このあとも、「シーンタッグ」(2人1組になり、それぞれ「時代」「関係性」「場所」のお題をもらってシーンを順番に演じるが、次の組が始めるときは前の組の最後のセリフから始めなくてはならない)や、「ジャンルリプレイ」(場所のお題をもらって2人でコントを始めるが、そのあと芝居のジャンルを変えて同じコントを演じなければならない)、「ミニミュージカル」(職業と感情のお題をもらい、その設定で即興のミュージカルを演じる)など、次々と新しい即興コントが演じられ、観客を沸かせていました。
「ジャンルリプレイ」では、お客さんから「オペラ風に」「歌舞伎風に」等、ムチャぶりが多く、それぞれのメンバーが想像するところの「オペラ風」「歌舞伎風」に観客は大爆笑。思わず梶原が「歌舞伎そんなんちゃうやろ」「どんな歌舞伎観てきてん」と突っ込む場面もありました。全体的に、やはりあべの説明通り、Team Bのコントの方が設定の自由度が高く、制約があまりないため、難易度の高いコントだったよう。
あべが「近くに来て気づいたんですけど、みなさん尋常じゃない汗ですね」とコメントしたとおり、即興というのは演じる側に相当なプレッシャーを与えていたと思いますが、それぞれのチームがそれを感じさせない、素晴らしいチームプレイで即興コントを披露していたこの日の『THE EMPTY STAGE』。14日まで、いろんなチームや芸人が登場し、ひとつとして同じ舞台はなく、どの日も二度と観られない貴重なコントやトークが繰り広げられること間違いなしのこの舞台。ぜひ一度、体験してみてください!
●公演概要
日程:2014年12月1日(月) ~ 12月14日(日)
会場:パラッツォ ドゥカーレ麻布
席種・料金:前売3,900円/当日4,300円
※飲食メニューあり(別途1オーダー制) ※整理番号付自由席
お問合せ:チケットよしもと ☎0570-550-100(10:00~19:00)
出演者:
『Stand-Up One-Man Talk Show(一人喋りショー)』
千原ジュニア(千原兄弟)/博多大吉(博多華丸・大吉)/
兵動大樹(矢野・兵動)/黒田有(メッセンジャー)/
田中直樹(ココリコ)/ケンドーコバヤシ/陣内智則/
礼二(中川家)/小籔千豊/高橋茂雄(サバンナ)/
河本準一(次長課長)/徳井義実(チュートリアル)/
品川祐(品川庄司)/川島明(麒麟)/大悟(千鳥)/
綾部祐二(ピース)/西野亮廣(キングコング)/
村本大輔(ウーマンラッシュアワー)
『The Second City Japan Show』
【Team A】
バッファロー吾郎・バッファロー吾郎A、ギンナナ・菊池、ギンナナ・金成、
少年少女・坂口、いぬ・有馬、いぬ・太田
【Team B】
バッファロー吾郎・竹若、キングコング・梶原、2700・ツネ、
2700・八十島、インポッシブル・井元、インポッシブル・蛭川
【Team C】
水玉れっぷう隊・アキ、水玉れっぷう隊・ケン、かりすま~ず・幹てつや、
犬の心・押見、犬の心・いけや、スパイク・小川、スパイク・松浦
【Team D】
2丁拳銃・修士、とにかく明るい安村・かたつむり・中澤、
かたつむり・林、チョコレートプラネット・長田、
チョコレートプラネット・松尾
【Team E】
2丁拳銃・小堀、ニブンノゴ!・宮地、御茶ノ水男子・おもしろ佐藤、
御茶ノ水男子・しいはしジャスタウェイ、横澤夏子、平田敦子
【Team F】
デッカチャン、POISON GIRL BAND・阿部、チャド・マレーン・チャド、
ピクニック、伊藤修子、児玉絹世
【Team G】
徹道、ジェラードン・西本、ジェラードン・海野、
ジェラードン・かみちぃ、かりすま~ず・あゆ、伊藤真奈美
●THE EMPTY STAGE公式サイト
http://the-empty-stage.jp
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