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2014年12月12日 (金)

千葉ロッテマリーンズ 西村徳文前監督講演会

12月6日(土)、千葉県・京葉銀行プラザにて、NPO「千葉ふれあい野球連盟」30周年記念納会が開催され、千葉ロッテマリーンズ西村徳文前監督による講演が行なわれました。

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「千葉ふれあい野球連盟」は、野球というスポーツを通して地域での交流を深めるために活動をしています。この日はその活動を応援すべく「ふるさとアスリート」のプロジェクトの一環として、千葉に縁のある西村氏が駆けつける運びとなりました。


講演のテーマは「和の力」。

「和」は、西村監督率いる千葉ロッテマリーンズが日本一に輝いた2010年のチーム・スローガンでもありました。スローガンに掲げた経緯や、その原点となるエピソードを中心に話は展開していきます。20141212144501-39ee3f92879e4531e57f2b633e3f95ef5f078921.jpg

西村氏の出身校、宮崎県立福島高等学校(串間市)は、強豪校を倒し、夏の高校野球甲子園大会出場を果たしました。しかし、宮崎市内を中心とした強いチームに比べ、選手1人1人の力は劣っていたと言います。では、なぜ甲子園へ行けたのでしょう――。


「田舎のチームで、中学の時から知っている先輩・後輩たちが多かったものですから、気心は知れていました。その中で相手を理解してお互いに思いやり、大事なところで打てなくてもエラーをしても、『仕方ない。結果を出すためにまた頑張ろうじゃないか』といういい雰囲気でやれたのがよかったと思います。あと、『宮崎市内の強いチームにだけは負けない!』と、合言葉のように毎日練習をしていました。まさにチームワークの勝利ですよね」  と、チームワークでもって甲子園出場を果たしたことに加え、この経験が「和」の原点であることを明かしました。

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高校卒業後、社会人を経てプロへ進み、選手として16年プレーしたのちに、コーチ・監督を務めた西村氏。監督へ就任する前年の2009年、ヘッドコーチだった際に、チームが置かれた状況こそが、2010年のスローガンを「和」へと導いたようです。


2009年のシーズン終盤、当時の監督ボビー・バレンタイン氏の今季かぎりでの退任が明らかになったことで、チーム内はぎくしゃくしていたとのこと。それがファンにも伝染したのか、ホーム球場のライトスタンドに、選手やフロントを誹謗中傷するような横断幕が出されたことがあったのだとか。

「このままではチームが崩壊してしまう。もう一度ユニフォームを着ている監督・選手・コーチ、裏方さんを含めた現場や、フロント、ファンの皆様がひとつにならなくては、長いペナントレースを勝ち抜いていくのは厳しいのではないか。こういった考えにもとに2010年のスローガンを『和』にさせて頂きました」と話します。

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また、スローガンを決めると同時にチーム・キャプテンに指名した西岡剛選手(現・阪神タイガース)について語る場面も。
「(先述の)ライトスタンドの一部のファンの方からバッシングがあった日、試合が終わると、西岡選手がファンの皆様に向かって『我々も勝つために野球をやっています。まだシーズンが終わってないのに、フロントあるいは選手を責めるような横断幕は下げてもらえないでしょうか』というような言葉を発したんです。その勇気ある行動を見て、キャプテンにするにはこの選手しかいないと感じました。チームを引っ張ってくれる選手が必要だという点では、西岡はすごくそこの役割をしてくれて、2010年の日本一に繋がったと思います」と、チームリーダーの重要性も伝えました。

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講演終了後には、「千葉ふれあい野球連盟」に所属するチームから10名限定で、西村氏にバットスイングを見てもらうという企画が用意されていました。さらに「良い」と判定された3名には、サインボールのプレゼントと、西村氏から直々にアドバイスを受けられるという特典が。選ばれた中のお一人が「(今年の試合で)全然打っていない」と言うと、「今は悪いかもしれないけれど、打てる時がくるんじゃないかな」と優しく助言していました。

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最後には参加者全員がステージに上がり、笑顔で記念撮影。西村氏が会場を去る際には、ハイタッチで見送り、皆が楽しいひと時を過ごしました。