『NOROSHI2015 presented by 大学芸会』 準決勝
2月28日（土）、東京・よしもと浅草花月にて『NOROSHI2015 presented by 大学芸会』の準決勝が開催されました。
『NOROSHI』とは、全国イチ面白いサークルを決めるお笑い団体戦のこと。お笑いの情熱はプロだけではない、大学サークルでもお笑いシーンを盛り上げていけるということを証明するために立ち上げられた大会で、サークルを代表する学生芸人がチームを組み、「漫才・コント・ピン」の3種目で競い合います。予選6日間、準決勝2日間、決勝に分かれて開催されており、この日はその準決勝の1日目となりました。
予選ではエントリー総数140チームの中から18チームが準決勝に進出。そこから、ルミネtheよしもとで行われる決勝への出場枠である8枠をかけて争われます。この日の出場サークルは全9チーム。お客さんの得票率で上位２チームが選ばれた後、得票率３位以下のチームから審査員によって2チームが選ばれ、計4チームが決勝へとコマを進めることになります。
この日のMCはしずる。投票方法やルールなどの説明が行われたあと、「自分が面白くないからって、『私には審査なんてできないわ』とか、そんなこと全然考えなくていいんですよ。特にそこのあなた！」となぜかピンポイントでお客さんを指さし、アドバイス（？）する池田。また、「審査員に構成作家の藤井さんとよしもとクリエイティブ・エージェンシー社員の内田さんをお呼びしております」との村上の紹介に、池田が「社員!? 社員に何がわかるんですか？ しかも遅刻してきたでしょ～？ したよね？」と非難の嵐で、紹介された内田さんはのっけから「すみません...」と謝るハメに（笑）。ただ、内田さんは大学時代にお笑いをやっていたそうで、そういう意味では本イベントにピッタリの審査員といえそうです。
そしていよいよ準決勝がスタート。まずは5チームが続けて登場します。トップバッターは「エントリーNo.6 早稲田大学お笑い工房LUDO(るーど) ありがとう」。まんぷくユナイテッドによる漫才、幹事長ヨシヒロによるピン芸、Gパンパンダによるコントがテンポよく行われました。まんぷくユナイテッドは警察vsサイバーテロのユニークな攻防の様子を、幹事長ヨシヒロはシュールな森のオーケストラネタ、Gパンパンダはボクシングのコーチと選手ネタをそれぞれ披露。コーチなのにいつまでたっても選手に実技を教えず、いろんな種類のノートに思ったことを書き留めていけというGパンパンダの畳み掛けるようなコントに、客席は大いに沸いていました。
続いて2番目に登場したのは「エントリーNo.56 日本大学文理学部落語研究会 チーム飛び蹴り」。フランスピアノによる漫才、ティーチャー先生によるピン芸、マラソンズによるコントが行われました。フランスピアノは、「UFOを見た」というが、目撃談を聞いていくと、「...それ、信号じゃね？」という頑固な勘違いネタを、ティーチャー先生は、部屋のヌイグルミが話しかけてきたと思ったら、イス、はては壁やいるように見えないカマキリの声までがガンガンに聞こえてくるコントを、マラソンズはなんともシュールなボクシングの試合コントをそれぞれ披露。全体的にシュールで完成度が高く、かなり見応えのあるネタの数々でした。
3番目に登場したのは「エントリーNo.110 早稲田大学お笑い工房LUDE（るーど） アルマジロ」。ご飯をよそう妻、見つめる俺。による漫才、ボロネーゼ楠本によるピン芸、リベレイションによるコントが行われました。ご飯をよそう妻、見つめる俺。は人間の3大欲求に勝つ氷川きよしや天童よしみの様子を、ボロネーゼ楠本は正統派の落語を...と思いきや突然立ち上がり「これオモロイか？」とキレ出す独自のキレ芸を、リベレイションは自分の親や知らない人が突然隕石になるというシュールすぎるコントを披露。ラスト、隕石が反応し合う様子が妙なカタルシスを生み、客席を沸かせていました。
次に登場したのは「エントリーNo.5 明治大学お笑いサークル木曜会Z Swallowtail Butterfly～あいのうた～」。笑顔バババーンによる漫才、喜びのラ・マンによるピン芸、マジョリカマジョルカによるコントが行われました。笑顔バババーンは歴女との合コン模様を、喜びのラ・マンは漫画『タッチ』の達也と和也による朝倉南争奪戦大喜利を、マジョリカマジョルカはアルプス一万尺の新解釈（？）コントを披露。達也と和也の大喜利の答えが同じだったり、２人が途中で入れ替わるなど、双子ならではのトリッキーな展開のあるピン芸を披露した喜びのラ・マンが特に印象に残りました。
そして、前篇ラストに登場したのは「エントリーNo.106 慶應義塾大学お笑い道場 O-keis（おーけいず） 東京世界」。世田谷スタンダードによるピン芸、没企画によるコント、ユーロビートによる漫才が行われました。SMの話を淡々と話す世田谷スタンダード、侍同士の決闘で、片方の洋風の持ち物に対し「南蛮がすごい！」と南蛮に憧れる侍を描いた没企画による侍コント、バツイチの母と息子の会話が繰り広げられるユーロビートによる漫才が披露されましたが、実はこの３ネタ、全て同じ人物が登場しており、この後登場したしずるに「すごいね～！ オレだったら絶対イヤだ（笑）」と言わしめるほどの活躍ぶりを見せていました。
10分間の休憩をはさみ、後半の４チームの登場となります。最初に登場したのは「エントリーNo.61 明治大学お笑いサークル木曜会Z チームZ友（チームずっとも）」。しおむすびによるコント、ブシドーワタナベによるピン芸、ニトロによる漫才が行われました。しおむすびはドラえもんなどをテーマにしたコント、ブシドーワタナベは結婚相談所に行く妄想、ニトロはカレーを毎日食べ続ける方法を独自の理論で展開する漫才を披露。ブシドーワタナベの妄想は、どんなパターンで妄想しても必ず最後は高島彩と結婚するというオチになってしまい、その自分に都合のよすぎる妄想に思わず客席からも失笑が......（笑）。
次に登場したのは「エントリーNo.59 日本大学文理学部落語研究会 チーム若者たち」。シンヤクンによるピン芸、レモネーションによるコント、サヨナラホームランによる漫才が行われました。シンヤクンは伊能忠敬になりきり、伊能忠敬あるあるを披露、「自己紹介の時名前噛みがち～」などで客席を沸かせます。レモネーションは、作品を軽い気持ちで見に来た客とイラッとする美術館の学芸員とのシュールなやりとりを披露。芸術を上から目線で語る学芸員がだんだんおかしなことになっていき、ラスト、学芸員の額をさわった客が「あ...すっごい熱ある」で終わるコントはイラッと感と面白さが絶妙に混じり合っていました。
３番目の登場となったのは「エントリーNo.26 日本大学文理学部落語研究会 バスルームで髪を切る100の方法」。シルバーブルーメによるコント、のぎみやこによるピン芸、ラブトレインの漫才が行われました。シルバーブルーメは道を聞かれた側が海抜などで場所を説明したり、聞かれてもいない自分の家までのルートを案内するコント、のぎみやこは小道具を使った、どことなく電波系のシュールなピン芸、ラブトレインはファミレスにクレームを付けた客が店長代理がテーブルに来るまで何日も待たされ続けるという漫才を披露。ラブトレインの漫才は途中から時空をまたぎ、いろんな場面からスタート、しかし結局ファミレスに戻ってくるという、バカバカしくも高度な技を見せていました。
いよいよラストに登場したのは「エントリーNo.21 早稲田大学お笑い工房LUDO(るーど) チームテキサス」。シャトルスーツによる漫才、柔くんによるコント、マカロン高橋によるピン芸が行われました。シャトルスーツは「オレはおしゃれ」だと言い張るが、どうも服を買っている店が婦人服のブティックなのでは？と怪しむ漫才、柔くんは役職がネクタイの数で表されるとある会社社員の悲喜こもごもなコント、マカロン高橋は一見退屈なやりとりのフリップ芸をするラーメン職人が、絵の中にラーメンを見かけると途端に湯切りのアクションをテンション高めに始めるというピン芸をそれぞれ披露。シャトルスーツの漫才の「それ婦人服のブティックちゃう？」というツッコミが、途中から「それふじブティちゃう？」と略されていくなど、プロ顔負けの完成度の高い漫才で観客を魅了しているようすが印象的でした。
全チーム終了したところで、投票用紙の回収がおこなわれ、集計に回されます。集計している間、ゲストがネタを披露することになり、ゲオルギー、すごい輪、ダイキリ、トンファー、インポッシブルの5組が登場しました。ゲオルギーは食堂のフルコースメニューをウグイス嬢風に発表していく漫才を披露し、すごい輪は独特の不思議な空気感で客席の爆笑をさらっていました。ダイキリは子どものあやし方が子どもにとっては地獄だと主張する漫才を、トンファーはスポーツ好きの女の人との合コンシミュレーション漫才を、インポッシブルは大統領を守るボディガードが撃たれて腸が出てきているのにそれでも大統領を守り続けるコントをそれぞれ披露し、客席を大いに沸かせていました。
集計の結果が出るまで、ゲスト5組としずるとでしばしフリートークが行われ、ダイキリは今回の出場チーム、早稲田大学お笑い工房LUDE（るーど）のOBということで縁が深い......などという話で盛り上がっていたところ、チロリロリン！という集計完了を知らせる音が鳴ったのですが、それを聞いた池田が「中継!?」と身構え、「なんでこのイベントで中継があるんだよ！」と村上にツッコまれます。
いよいよ結果発表となり、全出演チームが改めて舞台に集合したところで、結果を発表しようとした村上に「オレ読んでいい？」と池田（笑）。まるでダダをこねている小学生のような池田に根負けし、村上が発表の座を譲ります。ドラムロールが鳴り、いよいよ発表か......と思われたその第一声が「今から言うことは本当のことです！」。村上が「それいらないよ！」とすかさずツッコみ、やっとのことで決勝進出の４組が発表されました。
まず、得票率1位だったのが「エントリーNo.6 早稲田大学お笑い工房LUDO(るーど) ありがとう」（64.2%）。続いて2位となったのは「エントリーNo.21 早稲田大学お笑い工房LUDO(るーど) チームテキサス」（54.5%）。審査員によって選出されたのは「エントリーNo.56 日本大学文理学部落語研究会 チーム飛び蹴り」と「エントリーNo.61 明治大学お笑いサークル木曜会Z チームZ友（チームずっとも）」の2組となり、以上4組が見事決勝進出を決めました。
それぞれのチームから決勝進出への意気込みコメントが届いていますので、ご紹介します。
●ありがとう（早稲田大学お笑い工房LUDO）
「4年間の感謝の気持ちをこめて、すべての人にありがとう！」
●チームテキサス（早稲田大学お笑い工房LUDO）
「このまま優勝して式田に快くテキサスに留学してもらう！」
「チームテキサスがんばります！優勝するぜ！」
●チームZ友（明治大学お笑いサークル木曜会Z ）
「憧れの新宿ルミネtheよしもとで僕たちのZ友（ずっとも）力を見せられると思います！」
●チーム飛び蹴り（日本大学文理学部落語研究会）
「ここまで来たら優勝しましょう！」
決勝戦は3月9日（月）、ルミネtheよしもとで開催されます。いずれ劣らぬ強者ぞろいで、決勝戦も混戦が予想されるこの大会。プロ顔負けのお笑いクオリティで、お笑いを志すものに学生もプロも関係ないということを改めて感じさせるお笑いイベント「NOROSHI2015」に引き続きご注目ください！
●イベント情報
『NOROSHI2015 presented by 大学芸会』 決勝戦
日時：3月9日（月）18:30開場 19:00開演
会場：ルミネtheよしもと
MC:ジャルジャル
お問い合わせ：チケットよしもと TEL 0570-550-100
公式HP: http://noroshi.circleapp.jp
【しずる】【ゲオルギー】【すごい輪】【ダイキリ】【トンファー】【インポッシブル】
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