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2015年6月 9日 (火)

DOWNTOWN FOLLIES 15th ANNIVERSARY CELEBRATION DOWNTOWN FOLLIES Vol.10

5月26日(火)~31日(日)、東京・ルミネtheよしもとにて、『DOWNTOWN FOLLIES 15th ANNIVERSARY CELEBRATION DOWNTOWN FOLLIES Vol.10』が上演されました。

『DOWNTOWN FOLLIES』(ダウンタウンフォーリーズ)は、高平哲郎さんの構成・演出のもと、島田歌穂さんらミュージカル界の実力派俳優が集い、歌やダンスはもちろん、ミュージカルファンなら思わずニヤリのパロディやコント、漫才などをも詰め込んだレビューショー。
今回は島田歌穂さん、玉野和紀さん、吉野圭吾さん、北村岳子さんというオリジナルメンバー4人に、振付家としても活躍し、『DOWNTOWN FOLLIES』では5回目の出演となる平澤智さんを加えた5人編成で行われました。

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構想から15周年、2年ぶり10回目という記念公演として、ルミネtheよしもとにて初上演となりましたが、ここでは初日の5月26日(火)の様子をレポートします。

開演時間を迎えると、舞台下手の扉から黒いスーツ姿の島田歌穂さんが登場。
『序曲』と題し、ダウンタウン・フォーリーズ管弦楽団を指揮するばかりでなく、大胆なコマネチポーズをしたり、ハエを追って客席へなだれこんだりの熱演で、冒頭から笑いを誘います。

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続いて出演者5人が勢揃いすると、華麗なタップダンスを披露したかと思えば、島田さんが「東西東西!」と口上を始め、出演者紹介、来場者への感謝、そして下ネタや蔑視などを禁じるとする『ダウンタウン・フォーリーズ・コード』を歌い上げ、さっそく手拍子で大盛り上がりに。


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前半の軸は、ブロードウェイ・ミュージカルの足跡を辿る『今世紀、映画になったブロードウェイ・ミュージカル』。
『ジャズ・シンガー』から今世紀までのブロードウェイ・ミュージカルの映画化作品を一気に紹介した吉野圭吾さんは、「心配ないさー!」の決め台詞で拍手を浴びました。

北村岳子さんが『ドリームガールズ』を、吉野さんが『夢やぶれて』の替え歌を歌い上げれば、『アニー』として登場した島田さんからは「子役あがりです」「芦田愛菜だよ」との台詞も飛び出し、北村さんとの"Wアニー"による『トゥモロー』で魅了。

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その後も『アラジン』では、玉野さん、吉野さんが青タイツでジーニーの座を争うシーンをコミカルに見せれば、一転して『ジャージー・ボーイズ』から『SHERRY』『君の瞳に恋してる』を披露するなど、その振り幅にも感心させられます。


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そんなさなか「♪おねえさんの 爪弾く 三味線に~」と調子のいい曲とともに始まったのが、島田さん、北村さんの『トクホン姉妹』による漫才。
旅行や外国語を題材にしつつ、「かまぼこブス、ブスが板についてます」といった罵り合いで爆笑を誘いました。


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『THE EMPTY STAGE』のひとつで、フリーズをかけ、入れ替わりながら即興ミュージカルを展開する『インプロヴィゼーションとミュージカル・フリーズ』も爆笑を呼んだシーンのひとつ。

プロのミュージカル俳優としての地力が試されるわけですが、ここでは『DOWNTOWN FOLLIES』の名物キャラで、島田さん扮する謎の小学生"のりお"が「ここしか出られない」と加わります。

観客の一人から出された「やっちまったな」という台詞を皮切りに、次々とミュージカルを繰り広げると、ラストは5人並んで「結婚、結婚、結婚しましょう」の大合唱でハッピーエンド(?)を迎えました。

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後半の軸となったのは、『教養講座「グリム童話とアンデルセンの正しい読み方」』。
大阪芸術大学舞台芸術学科教授でもある島田さんが両者の相違点などを講義し、『白雪姫』、『灰かぶり姫』(シンデレラ)、『マッチ売りの少女』、『人魚姫』などの童話を楽しい寸劇や歌で紹介します。

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そして、今回の大ネタとも言える『雪の女王』では、『生まれてはじめて』『とびら開けて』『Let it Go』といったお馴染みの曲でつなぎながらも、北村さんの父・北村英三さんの出演映画『吸血鬼ゴケミドロ』へのオマージュなども飛び出し、オチの『海女と牡蠣の女王』へとノンストップで駆け抜けました。


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島田さんのソロ『Someone To Watch Over Me』でしっとり聞かせた後は、怒涛のフィナーレへと突入。
『いい仲間』『これでおしまい』と続け、『グッバイ』の「気に入れば人に言え つまらなきゃ黙ってろ」といった歌詞を強烈に印象づけたところで、スタンディングオベーションの中で終演を迎えました。

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他にも島田さん&北村さんコンビは、童謡デュオ姉妹や某夫人&某セレブに扮して誕生月の来場者を祝うなどサービス満点。


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また、平澤さんがリバーダンスなどアイルランド文化への造詣の深さを垣間見せれば、玉野さんはタップにこだわり、歌舞伎『高坏』での下駄タップ、島田さんと華麗に舞う『ビギン・ザ・ビギン』でも魅了しました。


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今回も、本物のエンタテインメントを惜しげも無く繰り広げた『DOWNTOWN FOLLIES』――次回「Vol.11」が待たれるところです。