「戦争体験を伝えていく」 『この国の空』完成披露試写会に、二階堂ふみさんら出演者、監督が登壇!
7月16日(木)、東京・ニッショーホールにて、8月8日(土)公開の映画『この国の空』完成披露試写会が行われ、上映前には、二階堂ふみさん、長谷川博己さん、工藤夕貴さん、富田靖子さん、荒井晴彦監督による舞台挨拶が行われました。
芥川賞作家・高井有一さんによる同名小説を、脚本家の荒井晴彦さんが18年ぶりにメガホンを取り、戦時下の激しい空襲と飢餓が迫る恐怖のなかで懸命に生きる人々を描いた本作。
開演時刻を迎えると、登壇者の5名が大きな拍手と歓声に迎えられ、特に長谷川さんに黄色い声援が飛んだ様子を見て、「長谷川さん、アイドルだったんですね(笑)」と工藤さんが冷やかし、さっそく笑いに包まれます。
その工藤さんは、戦後70年という節目で本作に出演することについて、「ちょうど(二階堂)ふみちゃんと同じくらいの歳に、『戦争と青春』(1991年公開)という映画をやらせていただいたんですけども、その私が20歳の娘を持つ役を演じるようになったんだなあ、と感慨深い気持ちでこの映画に臨ませていただきました」とコメントすれば、工藤さんとデビューが近いという富田さんは、「まさかご一緒できる日が来るなんて」とこちらも感慨深いようです。
荒井監督は、「脚本家なので全然慣れないんで...」と居心地が悪そうにしながらも、阪本順治監督から『この国の上の空』と言われた逸話を披露した後、「『この国の上の空』は、僕じゃなくて安倍晋三じゃないかなって思います」とこの日の国会の動きを踏まえた発言で、沸かせます。
脚本についての話題では、富田さんから「日本語が綺麗だなと改めて認識した作品でした」との感想が出ると、「原作の日本語が美しいから...」と謙遜する荒井監督でしたが、「よかったね!(笑)」と口を挟み、笑いを誘った二階堂さん。
そんな二階堂さんは、中学の時に、教科書に掲載されていた茨木のり子さんの詩『わたしが一番きれいだったとき』を読み、戦争を肌で実感したそうで、脚本を読んだ際にもこの詩が思い浮かび、監督との意思疎通がはかれたと明かします。
また沖縄出身の二階堂さんは、「私は戦争を知らない世代ですけど、戦争を体験した方から話を聞いて感じて、伝えていくっていうことをやっていかなければと思いました」と戦争映画の意義を唱えました。
二階堂さんとは『地獄でなぜ悪い』以来2度目の共演となる長谷川さんは、「すっかり大人っぽくなって、成長の過程が見れた」と我が子を見つめるような視線を送る一幕も。
終盤には、国際派女優としても活躍する工藤さんが、二階堂さんを「いい意味でガツガツしている女優さん」と評し、「初日から"英語で話そう"ってなったんですよ」として、ずっと英語で会話をしていたとの逸話を明かしました。
フォトセッションを終え、最後にメッセージを求められた荒井監督は、「最近の映画を見てる人には退屈な映画だと思います。『マッドマックス』なんかよりは(笑)」とすると、続く二階堂さんは「『マッドマックス』、面白かったです(笑)」と切り返し。
続けて「『マッドマックス』とは全く違う映画ですが、19から20歳まで、この作品に出会えてホントに良かったと思います」とPRコメントを見事に締めくくりました。
『この国の空』は、8月8日(土)より、テアトル新宿、丸の内TOEI、シネ・リーブル池袋ほか、全国ロードショー。
詳細は、公式サイト(http://kuni-sora.com/)でご確認ください。
©2015「この国の空」製作委員会