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2015年9月25日 (金)

長渕剛さんにインスパイアされたロック調の楽曲にも注目!宮川大助・花子ファミリー劇場「花咲村の妖精」の見どころを直撃インタビュー

夫婦漫才の代名詞的存在、宮川大助・花子が長年ライフワークとして続けている芝居公演「宮川大助・花子ファミリー劇場」が、10月3日(土)・4日(日)の2日間にわたり、大阪・テイジンホールで開催されます。過去6年にわたり上演された「天使シリーズ」が終了し、新たなテーマで贈る今年のタイトルは「花咲村の妖精」。毎回、子どもたちもたくさん登場し、歌や踊りをふんだんに盛り込んだファンタジックなストーリーが展開しますが、果たして今回は...? というわけで、気になる見どころや公演に込めた思いなどを、大助・花子のふたりに直撃インタビューしてきました。

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みんなが知らない「花咲かじいさん」のお話



----今回は、どんなストーリーになるんですか?

大助 「天使シリーズ」を終えて、今度はもうちょっと身近に、天使から妖精にしようか、というところから始まりました。山の奥で人間と妖精たちが生活していて、そこでは「子どもだから」「おじいちゃんだから」というのが一切ないの。勉強する時はみんなが一緒になって考えるし、畑も子どもたちが率先して「僕たちに創らせてほしい」というような。

----現実とは少し違う社会が形成されているんですね。

大助 この設定は、ドキュメンタリーで見た話もアイデアの元になっています。最近、女の人ばっかりで作物を作る「レディース農業会」みたいなグループが生まれたり、子どもたちで野菜を作るという各学校での取り組みも増えているそうです。それを給食の材料にして、残ったものは子どもたちが市場に出て売るんですって! そんなことに刺激を受けたこともあり、舞台となる村は、今の学校システムとか家族のバランス関係とはちょっと違っているんです。

----ポスターやチラシに使われているビジュアルは、桜の木ですね。これも大きなテーマになるんでしょうか。

大助 そうですね。桜は日本を象徴する花、つまり日本は「桜の国」である、と。その日本の"四季"をからめて、冬のおばあさんや春の妖精などが登場するファンタジックな内容になっています。例えば冬は寒く厳しい季節だけど、だからこそみんなで集まってじっと耐える、温かい季節でもある。それぞれが、我が身を焦がして回りを照らすんです。それが家族、村、国、人類の基本なんだと教えたくて。そんな季節のシステムがちょっと故障して春が来なくなる、だからみんなで頑張って雪を解かそう、春を呼ぼう、人の心で春を作るんだ...というね。

----なるほど。


大助 もうひとつ、それと並行してあるのが、山里にある大きな桜の木にまつわるお話。あ男女が恋をして、「花が咲いたら帰ってくる」という言葉を胸に、いつまでも咲かない桜の木の下で、乙女は彼を待ち続ける...春が来るのを待ち続けるわけです。おばあさんになっても。やがて彼は風になり、春を連れて帰ってくるんですね。その中で、この人(花子)が演じるのは炭焼きのおばちゃん。

花子 !(艶やかにポーズとる)

大助 まあそういうの(シーン)はないですけど(笑)。

花子 ないんかいな!(笑)

大助 顔を真っ黒に汚して働いている、炭焼きのおばちゃんですから。モノが燃えると黒くなるでしょう? つまり、この役柄も「我が身を焦がして回りを照らす」の象徴でね。ほかにも四季の小屋を作る木こりたちやペンキ屋のお姉さん、畑を耕すモグラなど、いろんなキャラクターが出てきますよ。そして、これはある種の「花咲かじいさん」の話でね。

花子 それを先に言うとかな!(笑)

大助 花咲かじいさんはいっさい出てこないけど、「みんなが知ってる花咲かじいさんの話の奥にはこんなことがある」というのをやっているんです。花咲かじいさんが灰をまく、それはすなわち霾(ばい)で、春の海の潮風のことをいうんですよ。だから枯れ木に花が咲く。妖精が通った時に、灰をまくわけ。枯れ木はなんで生き延びているかというと、ヤニで生きているんです。そのヤニが、火と水と油。人間でいえば脂肪。だから「我が身を焦がす」。

----そうやって、すべてがつながって物語になっていくんですね。

花子 作家の先生と、常にそういう話をしています。去年のお芝居が始まる時には、既に今年の話が始まってました。だから話は尽きないと思います(笑)。

----「ファミリー劇場」では毎回、子どもたちが歌とダンスを披露してくれますが、それは今回も?

大助 もちろんです。子どもというのは未来を現すもの。子どもたちが未来を語る、未来を見つめる...そんな彼らの話を、もっともっとオレたちは聞いてもいいんじゃないのかな、という気持ちがあって。「お前たちの未来はこうだ」と大人が与えてばっかりで、「食うか食われるか」の考え方が子どもたちにとっても常識になってしまっているけど、「それだけではない部分があるんじゃない?」みたいなね。そんな思いを込めています。

花子 と、原案者が言っております(笑)。

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「心のガーデニング」をしてみませんか?



----今年ならではの見どころを挙げていただくとすれば、どのあたりでしょうか?

大助 今回は、嫁はんの衣装ですわ。これまで買った舞台衣装の金額を合わせると、なんと我が家よりまだ高いんですよ(笑)。

花子 何枚かは差し上げたりもしてんけど...。

大助 それでも大切なものがまだいっぱい残っているので、「それをいっぺん舞台で使ったら?」っていうことになったんです。ペチコートも山ほどあるし。大人たちは、そういうのを着て物語の世界観を表現します。

----それは華やかになりそうですね!

花子 私はね、実はいつも、出てるより見てる方が楽しいんです。できれば出ずに、ずっと見ていたい(笑)。今年も稽古が始まりましたが、もう子どもたちがかわいくて...何あれ!(笑) 歌も上手いし踊りも上手くてね。テーマは「平和」と「メルヘンの世界」やな。ほんまにメルヘンや思うわ。かわいいわ、みんな。

大助 「平和」という言葉が、すなわち「花を咲かそう」ということやね。あ、あとひとつ面白いのが、「大助・花子ファミリー劇場」の舞台はいつも歌で物語をつないでいくんですが、今回は珍しくロック調の曲があるんですよ!

----ロック調...というと?

大助 今年のお盆に、富士山のふもとで長渕剛さんが10万人のコンサートをされたでしょう。行けなかったんですが、これに合わせて作られた『富士の国』という新曲がありまして。それをすごく気に入ってしまって、作詞・作曲・演出・脚本ぜんぶひっくるめてやってくれてる先生(岩城利之さん)に、「『桜の国』という歌を作ってくれ!」とお願いしたんです。これがノリのいい曲でね。長渕さんを意識して、「向こうが『富士の国』ならうちは『桜の国』や」と(笑)。

----花子師匠自慢の衣装、今までにない熱いロックな曲、そしていつも通りの歌とダンスで彩られるわけですね。ところで「妖精」もシリーズになるんですか?

大助 そうですね。またシリーズでやると思います。

花子 妖精、フェアリーシリーズやね。

大助 ふっと手を出したらそこにいる。妖精ってそういうものやから。そして妖精というのは、自分たちの「素直な心」でもあるんです。今、人々の「素直な心」「純粋な心」が、いつのまにか「生きるための競争」という言葉に変わってしまっているからね。

----お客さんの反応は、毎回どんな感じなんですか?

花子 来ていただいた方がまず言われるのは、「こんなんやったら、他の人にも見てもらったらよかった!」。これ、絶対言われるんですよ。私が「出るより見たい」というのはそこですわ。アンダーグラウンドとかいろんな芝居の概念がありますが、そのどれとも違うんです。

大助 皆さん、舞台にセットがないから「何なんこれ」って言いはります(笑)。

花子 歌でつなぐから、飽きる部分がないですしね。

大助 老若男女、どんな方でも楽しんでもらえます。

花子 で、お母さんが必ず子どもさんに「あんたも今度出してもらいや」って(笑)。

大助 毎回、広くオーディションをやってキャストを決めるんでね。これまではヒッピホップとモダンを融合させたダンスでしたが、今回はモダンバレエがちゃんとできる、歌を歌える子を10人ほどオーディションで選びました。小学生から中学生、高校生かな。

花子 宝塚を目指しているような子ですね。実際に宝塚を受けた子もいますし。

大助 今回は応募された中には、20歳をまわった看護師さんもおられましたね。「昔、大助・花子さんの芝居を見て、やってみたいと思っていた」と言って来られた。そういう意味では、本当に幅広いですね。

----楽しみにしています! では最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

大助 「心に花を咲かそう」というのがひとつのメッセージなので、「心のガーデニングをやってみませんか」かな。

花子 お! ええこと言うやん! そういうこと最初に言わな!

大助 (笑)。

花子 気負わずに、そのひとときを楽しんでいただけたら。「大助・花子ファミリー劇場」で、心の春をもう一度味わってください!



● 公演情報

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宮川・大助ファミリー劇場「花咲村の妖精」

日時:10月3日(土)・4日(日) 

   両日とも1回目公演13:00開演 2回目公演17:00開演(全4公演)

※ いずれも開場は開演30分前となります。

会場:テイジンホール(大阪市中央区南本町1−6−7 帝人ビル)

原案:宮川大助

演出・脚本・音楽:岩城利之

振付:美苑えりか

振付助手:涼葉らんの(元宝塚歌劇団)

歌唱指導:梶岡志保

出演:宮川大助、梅乃ハッパ、翔つかさ(元宝塚歌劇団)、美苑えりか(元宝塚歌劇団)、中西喜美惠、鈴木亜由子、梶岡志保、宮川さゆみ、松下笑一、宮川隼人、オカン山口、おぎの信号、幸田早苗、小宮ひろあき、とことんトンちゃん、鈴本ちえ、寺田湧将、レイカ、宮川花子 ほか

料金:前売3500円 当日4000円

お問い合わせ:チケットよしもと予約問合せダイヤル☎0570−550−100(10:00〜19:00)



【宮川大助・花子】