一門の先人たちが手がけたネタに挑戦!天満天神繁昌亭で「三代目 林家菊丸独演会〜家の芸〜」開催決定
昨年9月27日になんばグランド花月で「染弥改メ『三代目 林家菊丸』」襲名披露公演を行った林家菊丸が、11月8日(日)、天満天神繁昌亭にて襲名後初となる独演会を行います。10月5日(月)には記者会見が開かれ、演目やゲストといった内容から独演会に対する思いまで、菊丸自ら熱く語りました。
一年におよぶ襲名披露公演を終えた菊丸は、「公演中は右肩に『染弥改メ』が付いていたが、これからいよいよ本当の意味でのスタート」と現在の心境をコメント。「温故知新、襲名させてもらった者として避けては通れない」という一門の先人たちが手がけたネタに加え、自身による創作落語もする予定で、そこから「家の芸」というサブタイトルが生まれました。
演目には人情噺、芝居音曲噺、滑稽噺と3つのパターンを揃え、「僕の芸の振り幅の広さをぜひここで発揮できたら」と菊丸。まずは、二代目菊丸の作である「吉野狐」。二代目菊丸が作った落語は4本ありますが、このネタだけがほとんど手付かずの状態だったそうで、だからこそ「やらないといけないと思った」と力を込めました。襲名披露公演の千秋楽(出身地である三重県四日市市)で一度演じ、手応えを感じたため、今回の独演会にもかけることに。心がけているのは「下げがわかりやすくなるよう、振りを丁寧に演じる。人物描写だけでなく心理描写も考える」こと。「このあいだ(四日市市)、いい感じでやれたので、早く皆さまに見せたい」と、今から当日が待ちきれない様子です。ちなみに師匠の林家染丸も「ぜひやりなさい」と背中を押してくれましたが、「アドバイスを求めたら『う〜ん、ないな』と言われました(笑)」。
林家蘭丸が作った「大晦日浮かれの掛け取り」は、師匠・染丸も得意としているネタ。「今回は、あえて古風なままでやりたい。最近は浄瑠璃の部分を省く傾向が強いが、自分は省かずそのままやります」と意気込みます。
さらに、創作落語の「眠れない男」も披露。東京出張のサラリーマンを主人公にした内容は「誰もが共感できる"あるある"的な話。気軽に笑ってもらえるポップな噺に仕上げています」。「7、8年前、壁にぶち当たっていた時期」に、「創作落語をやってみよう」と桂文枝のもとへ「読書の時間」を習いに行ったことがきっかけとなり、ネタづくりに取り組むように。文枝からは「創作落語はわかりやすくないといけない。誰が聞いても笑ってもらえるように」と徹底的に教え込まれたそうで、「古典でウケるのとはまた違う快感がある。落語全体の構成力も身についた。創作落語をやっていなかったら『吉野狐』にも挑戦していなかった」と振り返りました。
また、ゲストに女道楽の内海英華さんを迎えることも決定。「艶のある方。落語の合間に、雰囲気をガラリと変えてくださるのでは」と期待を寄せます。
その後の質疑応答で、襲名後の変化について「噺を掘り下げて取り組むようになりました」と語った菊丸。一方、プライベートでは「後輩とのつきあいは悪くなった」とも。翌日のことを考えると「(夜の)11時でもすごく遅い(笑)」と感じるようになり、「友達は減ったかも」。仕事への責任をさらに大きく感じるようになったことがその理由で、「ちゃんと準備しないと。邁進する時期なんだと思う」と話していました。
● イベント情報
第一回 三代目 林家菊丸独演会〜家の芸〜
日時:11月8日(日) 17:15開場 18:00開演
会場:天満天神繁昌亭
木戸銭:前売2500円(1階席)、2000円(2階席)全席指定 ※当日は500円増
出演:林家菊丸 【ゲスト】内海英華
☆ チケットは繁昌亭窓口、チケットよしもと、チケットぴあ、セブンイレブン・サンクス・サークルK各店頭で取り扱い
お問い合わせ:繁昌亭☎06−6352−4874
【林家菊丸】