5upよしもと卒業公演 ななまがり単独ライブ「ななまがりの惜しまれ卒業単独」
2月27日(木)、ななまがりの単独ライブ「ななまがりの惜しまれ卒業単独」が、5upよしもとにて行われました。VTRもコーナーもなし、ふたりが自信を持って贈るコントだけを詰め込んだ、濃度120%の30分。息つく間もないネタの連続で、ななまがりの笑いを存分にアピールしました。
タイトルコールの後、紅白のハチマキをしたふたりがステージへ。世界最強の男・初瀬に、「山で10年修行を積んだ」という森下が挑戦にやって来ました。当初は自信満々の初瀬でしたが、いざ拳をまじえてみると、森下もなかなかの実力の持ち主。五分五分の勝負に思わず「強い…」と漏らすと、一方の森下は「上手い…」とひと言。この後、試合が進んでも決して「強い」と言ってくれない森下に、王者・初瀬はブチ切れ! この試合、どちらが勝つのか!? 初瀬の絶叫がこだまする幕切れで、爆笑のオープニングとなりました。
続いては、官能小説を通訳するというコント。森下がねちっこさ全開で官能小説を朗読すると、隣の初瀬がそれをわかりやすく訳していきます。しかし、せっかくの耽美(?)表現を多用した文章も、初瀬にかかると身もふたもない下ネタになってしまい…。
3本目は、自宅でくつろぐ男(初瀬)と、そこに突然現れたちん入者(森下)のやりとり。サプライズで誕生日を祝うべく入ってきたものの、実は部屋を間違えていたことが発覚。一度は帰ろうとした森下でしたが、何を思ったか「挽回させてほしい」と初瀬に懇願!? 事態を飲み込めない初瀬をよそに、得意の数学を生かし円周率をそらんじていきます。この後も、満足して去ろうとするたび必ずアクシデントが起き、ふたりは終わりのない“無限挽回ループ”の中に…。
RPGの勇者と村人の会話のみで見せる4本目。村人・初瀬のセリフは、「北の洞窟にドラゴンがいる。誰かが退治してくれれば…」。ところが勇者は何度となく話しかけ、さらには叩き、くすぐり、村人を翻弄。同じセリフながら、くるくると変わっていく初瀬の口調で笑わせます。ついにはおなじみの「なんじゃい!」も飛び出して…。
次のネタでは、幼なじみのお年寄りに扮したふたり。懐かしい公園で再会し、思い出話に花を咲かせます。かつてのクラスメートたちのその後は、いずれも波乱万丈で初瀬は大興奮! しかし、近況を聞くと必ず悲しい事実が明らかになっていき…。森下が何度も発する救いのないひと言が、客席を笑いの渦に巻き込んでいました。
6本目は漫才! とはいえそこはななまがり、一筋縄ではいきません。グローバルな芸人を目指し、世界で活躍したいと夢ふくらませる初瀬に対し、森下は「ずっと日本でやりたい」と主張。暗雲立ちこめる中、「別々の土地でも中継でつなげばいい」と、実際にやってみるとこに。ところがふたりの間には、衛星中継のタイムラグという大きな壁が立ちはだかります。かなり遅れて繰り出されるツッコミや、先に漫才を終えてしまった森下のまさかの行動など、独創的な展開はさすが!
ライブも終盤、7本目は先輩と後輩が居酒屋で飲んでいる場面から。飲み物のセレクトからタバコ、好きな女性タレントまで、ことあるごとについかっこよく振る舞ってしまう先輩・森下。そのたびに、選択の自由を失い追いつめられていく姿が、悲哀と笑いを誘います。
最後のネタでは、正義の怪人(森下)と悪のヒーロー(初瀬)が対決。ゴミを拾ったり、財布を交番に届けたりといいことばかりしている怪人、方や鉄パイプを武器にするなど悪どさでは右に出る者のいないヒーロー…善悪がぐるりと入れ替わったまさかの設定に、客席は大爆笑。それぞれのネーミングも絶妙です。
エンディング、初瀬は「入った8本! よかった!」と時間内に収めて安堵の表情。「5upは卒業しますが、どこにおっても応援してください!」と呼びかけ、拍手を浴びました。そして最後はやっぱりこのひと言! 「30分ってなんじゃい!」(初瀬)、「30分、なぜだ!」(森下)とそれぞれ絶叫し、ななまがりの卒業公演は幕となりました。これからも、ふたりの活躍に注目してくださいね!
【ななまがり】