ゴリ、江戸っ子役に「こんな濃い顔でいいの?」 映画『もういちど』製作発表会見
4月14日(月)、東京・深川江戸資料館にて、映画『もういちど』の製作発表会見が行われ、主演、企画、落語指導を務めた林家たい平さん、富田靖子さん、ゴリ(ガレッジセール)らが登壇しました。
本作は、「一人でも多くの人に“落語”に出会ってほしい」というたい平さんの思いから始まった『映画館落語』の第3弾。
撮影場所でもある深川江戸資料館は、たい平さんが二つ目昇進後、毎日のように通い、長屋の暮らしに思いを馳せ、「いつかここで映画を撮りたい」と夢見ていたというゆかりの地で、映画のカメラが入るのは初めてだそうです。
まず、たい平さんの挨拶後、登壇した板屋宏幸監督は「たい平師匠にこの資料館のことを聞きまして、プロットも何もない状態で、2日間くらい、5時間くらいボーっとしていたら、長屋のなかを歩く人々、住人がだんだん見えてきました」と着想を明かし、脚本もこの深川江戸資料館で執筆したとのこと。
続いて、貞吉役の福崎那由他さん、おまさ役の富田靖子さん、松次郎役のゴリ、お菊役の大野百花さんが登壇。
映画では、たい平に教わって落語も披露する福崎さんは、「ものすごく難しくて、落語家ってやりがいのある仕事だなって思いました」と語ると、「ありがとうございます。あとで美味しいもの、ごちそうするからね」と、たい平さんもご満悦です。
富田さんは、長屋の四畳半の一室に、キャスト、スタッフが入って撮影したエピソードを披露し、「夜になると、みんなの汗の匂いを感じながらの撮影は楽しかったです(笑)」と述懐。
また、枕屏風で部屋を仕切る仕組みに「四畳半が七変化するのが、うまくできてるな、日本家屋」と感心したそうです。
富田さんと夫婦役のゴリは、「噺も素晴らしいんですが、落語家さんって優れたパントマイマーですよね。手ぬぐいを焼き芋に見立てて食べるシーンがあるんですが、焼き芋にしか見えないんです!」と落語家の所作について熱弁。
また、沖縄出身者のゴリが江戸っ子を演じることについて、「江戸にこんな毛の濃い人、いないじゃないですか」「こんな濃い顔でいいのかな」と当初は戸惑っていたものの、「小倉さんの方がより毛濃いです(笑)」「まさかの僕が負けるっていう、非常に悔しかったです」と共演者の小倉久寛さんと毛深さ勝負で負けたことを報告し、笑いを誘いました。
貞吉の幼なじみとなるお菊を演じた大野さんは「平成にあるものがなかったり、変化しててそこが面白かったです」と初々しくも、しっかりしたコメント。
続いて、本作『もういちど』をお題とした大喜利なぞかけ大会が始まり、最初に挙手をしたゴリは「松次郎とおまさとかけて、私の故郷、沖縄ととく。その心は、年中、アツアツでございます」とまとめて、拍手を浴びます。
次に大野さんが、「長屋の人情とかけまして、ゲームセンターのもぐらたたきとときます。その心は、みんながポカポカしています」と、完成度の高いなぞかけに、思わず座布団を差し出すゴリ。
さらに福崎さんが、「お菊の三味線の稽古とかけまして、蛇とときます。その心は、どちらも飲み込みが早い」と答え、拍手喝采になると「最初でよかった。この後だったらゾッとしますよ」「膝が震えます」とゴリもお手上げ状態です。
最後にたい平さんが、「今回の映画撮影とかけまして、監督から言われた心に残るひとことときます。その心は、みなさんOKですけど、たい平さんだけ『もういちど』」と綺麗に落として、会見は終了。
フォトセッション後の囲み取材では、ゴリが「情熱的な監督なんで、自分が満足できる演技が出たら、「Marvelous!」「Excellent!」と言われて、どの国で撮ってるのかわからなくなりますね(笑)」と板屋監督の演出を再現します。
しかしたい平さんは、「私はほとんど言ってもらえませんでした。落語をやってる時に「Marvelous!」って言ってもらいたかったんですが…」と残念そう。
また、落語の素晴らしさに触れたというゴリは、「手ぬぐいと扇子の使い方が抜群なんですよね。すべてを演じられるんです。なんでもできちゃうんです。シルク・ドゥ・ソレイユもできるんじゃないかな?」と言って、一同を爆笑させます。
最後にたい平さんは、「人と人とがつながることって、やっかいなことが多いけど、やっかいの先にこんな楽しいことがあるんだなっていうことが、すごくあったかく伝わってくる映画となりました」とPR。
記者から『笑点』の収録を休んでいた桂歌丸さんについて訊かれたたい平さんは、「元気になられたようです」「次の公開収録から復帰するようです」との報告もありました。
映画『もういちど』は、8月より、イオンシネマにて全国公開。
©「もういちど」製作委員会
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