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2014年7月16日 (水)

又吉「年々、家族への思いは強くなる」母の故郷へ再訪した旅特番『又吉直樹、島へ行く。』DVD化記念インタビュー!

7月30日(水)、DVD『又吉直樹、島へ行く。母の故郷~奄美・加計呂麻島へ ディレクターズカット』がリリースされます。

こちらは今年3月、BSジャパンにて放送された番組に、未放送分を加えたもの。母親の故郷である加計呂麻島へ15年ぶりに訪れた又吉の、島民とのふれあい、親戚との再会、妖怪・ケンムンの存在などを、感じたままの言葉で綴られていくドキュメンタリーは放送後、話題となり、第51回ギャラクシー賞テレビ部門も受賞しました。

今回は、DVDリリースを控えた又吉へインタビュー。島を訪れた際の率直な気持ち、改めて感じた家族への思いなどを訊きました!

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——加計呂麻島へは、どういういきさつで行くことになったんですか?

「元々、(番組スタッフから)何かやりたいことはないですか?と言われていて。“旅行したいです”っていうところから、“島へ行くのはどうですか?”と言われたので、“だったら、母親の生まれた加計呂麻島に行きたいです”って答えた流れからですね。テレビで奄美大島や自然の風景が映るたびに、母親が“お母さんの生まれたところはすごい田舎でね、バスもなくて学校まで何キロもあったんだよ”って。ほんまに何回も同じ話をするから、わかってんねん!みたいなところもあったんですけど(笑)、そうやってずっと聞いてたんですよね」

――高校卒業して上京する前に、一度行かれたことがあったそうですね。それ以前は行ったことがなかったとか。
「父親の実家がある沖縄に行かなあかんっていうのがあったんですよ。沖縄に行くための交通費って、結構かかるじゃないですか」

——どちらも遠いから、お母様の実家へは行けないと。
「そうです。母親は4つ上の姉が産まれる前に、父親と二人で島に行って親戚とか同級生に結婚したことを話したきり、22年間帰ってなかったみたいですね」

――本編の冒頭、東京の喧噪の中にたたずむ又吉さんが映っていますけれど。
「島へ行く前に撮りました。めっちゃ疲れてたでしょ?」

――(笑)。
「前日に結構飲んでて、遅刻して行ったんですよ。それが東京の暮らしというか、日常になっていることなんですよね。東京にいると、日々がどんどん過ぎていきますよね。“え? もう給料日?”って言うと、お金に余裕のあるような言い方ですけど(笑)、毎日がすぐに終わっていくのでビックリします」

――そうやって忙しく過ぎる東京から、15年ぶりに加計呂麻島へ行った率直な感想は?
「めっちゃ良かったです。以前行ったときは不安が大きかったし、状況もあんまりわかってなかったんですけど、今行くと自分にすごく合ってる場所やなと感じました。住人のリズムとかテンポが割と近いというか。大阪におったときから、周りにテンポが違うって言われてたんですけど、(実際行っていて)この島のタイプの人間やったんやなって思いましたね」

――お父様も沖縄の方ですし。
「基本ゆっくりなんです。小学校なんか、時間通りに行ったことがなかったですもん。登校班があったんですけど、8時半まで観たい漫画があって観てたら、遅れてたんですよね……。大人になってからはそれなりにちゃんとしてるつもりなんですけど、僕、ほんまによっぽど気をつけていないと時間を守れないんですよ。どれだけ待たされても怒らない。早く来られるのも嫌です。ボーッとしたり、本を読んだりしようと思って30分前に待ち合わせ場所に着いたのに、相手が15分前に来られると、“あぁ~”ってなります。やから島に行って、ペースが近いなと思いました」

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――何日間行ってたんですっけ?
「3泊しました」

――収録のない時間、例えば夜とかはどんなふうに過ごしてたんですか?
「基本、ご飯を食べて寝るだけでしたね。句集と歳時記だけ持っていって1つだけ俳句はつくりました。けど、東京と同じような仕事の仕方をするのは島に来た意味がないなと思ったんで、何もしないようにしてました。早く寝て早く起きるから、2日目からはお酒も完全に抜けて、目がしっかりと開いているような感覚もありましたね。あと、星が尋常じゃないくらいキレイでした。年始にコートジボワールに行ったんですけど、そこよりもすごかったです」

――島の方々と触れ合う中での、漁業と農業を営みながら生活しているご夫婦のお話が非常に印象的でした。
「島と東京との違いが、いちばん掴めた瞬間だったかもしれないですね。もちろん、東京の便利さを求めていく生活もおもしろいんですけど、あの暮らしを幸せで楽しいって言える力はすごいですよね。野菜を作って、魚を捕って生活していくことを楽しいって言えるなんて、最強じゃないですか?」

――又吉さんもできそうな気が、なんとなくしますけど。
「そうですね。僕は大阪で暮らしていたとはいえ、狭い文化住宅で育って。トイレも電気がつかなかったり、エアコンもつけてもいいけどホースから漏れる水で床をびちょびちょにしない程度で、しかも外に落ちる水のポツポツっていう音で親父を起こさないように考えながらエアコンをつけなあかんっていう生活をしてましたから。上京してからもアパートでエアコンのない生活でしたし……。都会に住んでいると言っても、みんなが住んでる東京と僕の住んでる東京ってちょっと違いますからね。あと、いちばん好きなのが一人でいろんなことを考えることやから、それさえできればどこでも暮らせるんじゃないかなとは思います。……でも、ほんまにできるかはわからないです。この3年くらい、今だけやと思って美味しいものを食べ過ぎて、舌が肥えてしまった可能性があるので」

――ははは。でも、ああいう生活はやってみたいですか。
「そうですね。いざとなったときに、ああいう暮らしができる人間でありたいです。で、ああいう技術を身につけた上で、東京での暮らしを選択して、しんどいけどもうちょいやろうかな、と思いたいですね」

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――親戚の方々とも会われていましたね。
「西のおじさんっていうおばあちゃんの弟が、僕と似ていて。親戚に立ち方とか喋り方、雰囲気が似てるって言われて、それだけでウケてくれるから楽でした(笑)。あそこにいる親戚はふた従兄弟っていうらしいんですけど、それくらいの距離の親戚って(都会の暮らしの中では)あんまり交流なかったりするじゃないですか。やから、最初はどの程度の距離間でいったらいいのかわからなかったんですけど、(触れ合ううちに)こっちでいうところの従兄弟くらいの感覚になって、一気に親戚が増えた感じがしました。その家には、ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんの写真が飾ってあって。ここにおる全員はこの2人から生まれてるんやなって思うと、みんな家族なんやなとも感じましたね」

――若かりし頃のお母様の写真も映っていましたけど、可愛らしい方ですね。
「可愛らしいというか、はっきりした意思を感じる顔ですよね。グッと来るものがあるというか(笑)。若い頃の写真は1枚しか観たことがなかったんで、新鮮でした」

――親戚と触れ合うことによって、改めて家族というものを見つめ返したんじゃないですか。
「そうですね。この中の誰かが欠けていたら今の親戚はない訳ですし、家族っていうものは受け継いでいくものなんかなと。僕も、家族は――絶対的に血がつながっていないといけないということではないんですけど――つくらなあかんなと思いましたね。あと、おかんは頑張ってたんやなと。あの島から大阪へ行って、看護師をやって、22年間帰らずにいた……。そう思うと、ちょっと変な人やなとも思いましたけど」

――(笑)おじいさまやおばあさまはすごく淋しかったと思いますよ。そう考えると、実家に帰れる状況があるならば、できるだけ帰らないといけないんだな、とも思いますよね。
「確かに、これって実家に帰らせる作品かもしれないですね。加計呂麻島は自給自足の生活で、お店もない。兄弟が多いと暮らしも大変やから、島を出て生活していかないといけないっていう必然性があるんですよ。僕の母親もそうでしたけど、なかなか帰れる場所でもないから、島の人達は“加計呂麻”っていう文字を新聞やテレビで見かけると、みんな観るんですね。今回、僕が島へ行ったことがきっかけで、母親が誰々と喋ったとか連絡取ったとかっていう交流も結構あったみたいなんで、それは良かったなぁと」

――島から又吉さんが送ったはがきについて、何か言われてましたか?
「いえ、“届いたよー”くらいしか言われてないです。母親はそういう感想を一切言わないんですよ。まぁ、あれは母に送っていたものではあるんですけど、自分に送っていたようなところもあったので。……でも、家族への思いは年々強くなっていきますよね。上京する前に行ったときは、おかん、22年も帰ってへんって言うし、島にどうしても行きたかった訳じゃなったんですけど、僕が行くって言うたら行くかなと思って“行きたい”って言うたところがあったんです。それくらいの気持ちで行ったから、自分のことばっかり考えていて全然記憶がなかった。で、この前、NHKの番組で自分のルーツを探るっていう内容で、父親のほうをやってもらったんですよ。それもあって、おかんに気を使ったというか。おとん側のルーツを探ったことによって、また奄美大島がないがしろになってるんじゃないか? 同じくらい大事に思ってるのに(伝わらない)っていうところから、“島に行きましょう”って言われたときに加計呂麻の名前を挙げたところがあるんです、実は(笑)。普段やったら、“どこ行きたい?”って訊かれても、行きたいところなんて言わないですもん。やから、今思えば、おとんとおかんとのバランスを取りにいったところはあったのかもしれないですね」

――いやいや! 十分、家族思いですよ!
「(笑)そうやったらいいんですけど」

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――ある連載で「今年の目標は、仕事でもいいから旅をすること」と話していましたよね。正月からコートジボワールへ行ったり、加計呂麻島へ行ったりと、目標を叶えているなと思いました。
「あぁ、ほんまですねぇ」

——もし今後同じような機会があれば、どんなところへ行ってみたいですか?
「国内やったら行きたいところはいっぱいあります。海外やったら、サッカーを観に行きたいなとは思いますけどね……でも人かな、今は」

――いろんな人に会ってみたい?
「そうですね。喋りたいとは思わないんですけど、日本では会われへんようなスペシャルな人をたくさん知りたい。(FIFAワールドカップの)イタリア対ウルグアイを、(マンボウ)やしろさん達と観ていて、“芸人ってワールドカップがない。そう考えたら、サッカーっていいな”っていう話になったんです。日本に面白くてすごい人はいっぱいいますけど、ワールドカップを観てると海外にも面白い人がいっぱいいるんやろうなと。……やから、そういう人に会ってみたいですね」

――では、最後によしもとニュースセンターを読んでくださっている皆さんへ、DVDのPRをお願いします。
「このDVDは一切ボケてません。お笑いのDVDやと思って観てもらうとちょっと良くないかもしれないですけど、ドランクドラゴンの鈴木(拓)さんが“この前のあれ、面白かったよ”と言ってくれました(笑)。心に刺さる人もいると思うので、刺さりそうやなぁと思ったらぜひ観てください。ジャケットの渋すぎる僕の顔もポイントですが、僕の東京での疲れきってる表情と島での表情の差も感じていただけたらなと思います」

――島の風景も美しいですし。
「そうですね。日々の生活に疲れ気味の方にもおすすめです。実家に帰ってない人にも観ていただきたいですし……。あと、結婚するか迷っている人の背中を押せるかもしれない作品です。良かったら観てください」

8月1日(金)には、東京・TSUTAYA TokyoMidtownにてDVD発売記念サイン会も開催! 参加券にはまだ少し余裕があるそうなので、早めにお求めください。また、同所では、8月17日(日)までDVD発売記念パネル展&又吉直樹 書店フェアも開催しています。ぜひとも足を運んでください!


●イベント情報
『又吉直樹、島へ行く。母の故郷~奄美・加計呂麻島へ ディレクターズカット』
発売記念イベント サイン会
日時:8月1日(金)19時~

場所:TSUTAYA TokyoMidtown
http://store.tsutaya.co.jp/storelocator/detail/2025.html


・TSUTAYA TokyoMidtownにて、7月30日発売のDVD『又吉直樹、島へ行く。 母の故郷~奄美・加計呂麻島へ ディレクターズカット』をお買い上げのお客様に、先着でDVD1枚につき「整理番号付きイベント参加券」を1枚差し上げます(註:ご予約者優先)
・参加券の整理番号はご購入順でのお渡しとなります
・イベント当日、「整理番号付きイベント参加券」をお持ちのお客様は、サイン会にご参加いただけます。「整理番号付きイベント参加券」は予定数がなくなり次第配布終了となりますので、予めご了承ください

【先着特典】
・TSUTAYA TokyoMidtownにてDVD『又吉直樹、島へ行く。 母の故郷~奄美・加計呂麻島へ ディレクターズカット』をお買い上げの方に、先着でオリジナル特典「オリジナルポストカード」を差し上げます(註:ご予約者優先)
・先着特典につき、数に限りがございます。なくなり次第終了となりますので予めご了承ください

【注意事項】
・整理番号に関するお問い合わせはご遠慮ください
・対象商品を複数枚購入した場合、整理番号付イベント参加券は購入した枚数分に応じて配布します
・商品入荷後の整理番号付きイベント参加券のお取り置きはお断りさせていただききます
・整理番号付イベント参加券の配布は指定枚数に達し次第、終了とさせていただききます
・整理番号付イベント参加券紛失の際の再発行は致しませんので、大切に保管してください
・イベント当日は整理番号付イベント参加券を忘れずにお持ちください
・イベント開始30分前にTSUTAYA TokyoMidtown1Fに集合してください。整理番号順にイベント・スペースへご案内致しますので、係員の指示に従ってください。集合時間に遅れた場合は、整理番号が無効となり、最後尾のご入場になる場合、もしくはご入場頂けない場合もございますのでご了承ください
・集合時間前の会場および近辺での場所取りなどの行為は、一切ご遠慮ください
・整理番号付イベント参加券を2枚以上お持ちの場合、参加券1枚使用後、2回目以降は列の最後尾にお並び頂きます
・整理番号付イベント参加券は1枚につき1名様のみ、指定日時に限り終演まで有効です(小学生以上は参加券が必要です)
・都合によりイベント内容の変更・中止をさせて頂く場合もございますのでご了承ください
・会場内での録音・録画・複写はお断りします
・酒類・危険物の持ちこみは固くお断りします
・会場内にロッカー・クロークはございません
・会場内で係員の指示及び注意事項に従わない場合、入場をお断りすることがあります
・会場内で係員の指示及び注意事項に従わずに生じた事故については、主催者は一切責任を負いません
・お買い求め頂いたイベント対象商品は、払い戻しは一切行いませんので、あらかじめご了承ください

※整理番号付イベント参加券配布枚数・配布期間には限りがございますので、お早目のご予約・ご購入をお願い申し上げます。

【お問合せ先】
TSUTAYA TokyoMidtown tel:03-5413-3773(営業時間10:00~23:00)


●DVD情報
又吉直樹、島へ行く。母の故郷~奄美・加計呂麻島へ ディレクターズカット
商品番号:YRBN-90792
本体価格:2500円+税

第1章 僕の知らなかった島の日々
第2章 島人よ なぜシマ唄をうたう
第3章 僕はケンムンに会えるのか
第4章 母を育てた小さな集落(シマ)

未公開映像を収録したディレクターズカット版
<特典映像>
「ケンムンとぼく」
「フォトギャラリー 曾祖父 永田政廣さんのシマ唄にのせて」

コピーライト: ©2014BSジャパン/テレコムスタッフ
初回封入特典:『加計呂麻島―旅の足跡―』又吉直樹の軌跡をたどる特製MAP封入

よしもとネットショップplus Y!店
http://store.shopping.yahoo.co.jp/shop-yoshimoto/yrbn90792.html

楽天市場 よしもとネットショップ
http://item.rakuten.co.jp/yoshimoto-shop/yrbn90792/

※よしもとテレビ通り各店&ネットショップ、テレ東京本舗、ヴィレッジヴァンガード、紀伊国屋書店でお買い求めの方には、それぞれ異なるオリジナルポストカードが先着にて特典となります。また、楽天ブックスでお買い求めの方には「オリジナルデスクトップ待受壁紙」が先着にて特典となります。

詳細は下記サイトまで
http://www.randc.jp/artist/matayoshi-shima/


【又吉直樹】【ピース】