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2014年7月17日 (木)

本日ロンドンへ出発! カナダ出身の落語家・桂三輝がワールドツアーを開催!

7月17日(木)、吉本興業株式会社東京本部にて『桂三輝ワールドツアー開催発表会見』が開催されました。

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2008年に15番目の弟子として六代桂文枝へ入門したカナダ出身の桂三輝は、上方落語初の外国人落語家として活動。2011年からは三重県“住みます”芸人へ自ら志願し、活動自宅を改装した寄席の会場「伊勢河崎輝輝亭」をオープン。2012年には三重観光キャンペーンPR隊長となり、精力的に三重県をPRしてきました。また、昨年2013年には在日カナダ商工会議所文化大使に就任。約2ヵ月にわたる『北米巡回公演』を成功させ、今年、ワールドツアー開催の運びとなりました。

本会見のMCを務めるのは、芸歴5年目のマテンロウ。アメリカ人と日本人のハーフであるアントニーは、「僕はハーフで、三輝さんは外国人なんですけど、まぁ一緒みたいなもんだろうという会社の安易なキャスティングで、僕らがMCに選ばれました」と笑わせます。

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今回のワールドツアーですが、7月29日(日)のイギリス・ロンドン公演を皮切りに、スコットランド、南アフリカ、ガーナ、フランス、両親の出身地であるスロベニアなど7ヵ国38公演を敢行予定。六代桂文枝の創作落語を、英語、フランス語、スロベニア語に訳して広めていく予定で、本日、三輝はロンドンへ向けて出発します。

「ジャスティン・ビーバーと同じカナダ出身」と紹介された三輝は、「一緒にしないで! どうせならセリーヌ・ディオンと一緒でお願い!」と笑顔で登場。「こう見えても落語家です。皆様、ご指導ご鞭撻賜りますよう……」と流暢に続けます。

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桂三輝という芸名は、師匠である桂三枝改め六代文枝に名付けてもらったもの。「弟子は全員、師匠の“三枝”の“三”が付けられる。で、“輝くっていう字はわかるか? 辞書で調べてみぃ”と師匠に言われて調べたら、“あぁ、シャイン!”と。“そうや、君はサンシャインや”と言われた。子どもの頃、両親からサンシャインと呼ばれていたこともあって(六代文枝はこのことを知らなかったため)“師匠、天才やな!”と思いました」と、当時を振り返ります。

元々、カナダ・トロントで作曲家・劇作家として活動していたという彼。29歳の時、日本の伝統芸能である歌舞伎や能に興味を持ち、軽い気持ちで来日したところ、すっかり日本が気に入り、定住。日本語を勉強していくうちに、落語にも興味を持ち始めたそうですが、「うちの師匠の創作落語に、一発で一目惚れしました。三枝師匠のそばにいられたら、幸せや」と感じて、弟子入りを志願したんだとか。
弟子入り前にも、アコーディオン漫談をしながら落語会に出演していたそうですが、「○○の弟子です、という紹介に、侍の時代が生きているなと。しきたり、丁寧さ、気遣い、舞台で見えないところにも惚れました」と、落語の虜になってしまったようです。

落語を学ぶようになって、さらに日本語、特に丁寧語の難しさを実感したらしく、敬語辞典で日々猛勉強。「ありがとう」の言い方でも、英語なら「Thank you」で全て終わらせられるのに、日本語は47種類もあり、「特に素晴らしい敬語が、“なんと感謝を申し上げていいやら、言葉もございません”なんですよ。で、いちばん丁寧じゃないとされている言葉が“サンキュー”やったんです」と困惑しきりだったそうです。

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その頃から「師匠の落語を直訳英語でやったら、絶対ウケる」と感じていたらしく、昨年は2ヵ月半にわたって北米ツアーを開催。「落語への反応は最高でした。観たことがないものだから、着物で出るだけでおcお!と歓声が湧くんです」というように、十分な手応えを感じたようです。

会見の中盤には、英語、フランス語、スロベニア語で小噺を披露。その後、アコーディオンを奏でながら「幸せなら手をたたこう」を丁寧語バージョンで歌い上げました。

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パフォーマンスにすっかり魅せられたマテンロウから、三輝へ色紙のプレゼントが渡されます。そこには「Just Do It」の文字が……。大野曰く、「アントニーはケータイで綴りを観ながら書いてました」とのことで、三輝も大いに喜んでいました。

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「外国人落語家として、師匠の落語を世界に広めたい。落語は外国人にもわかりやすい。それに、外国人に合わせた言葉を使うよりも、そのままやったほうがウケるんです。例えば、師匠の創作落語『宿題』に、“鶴亀算”という言葉が出て来る。外国人にとって鶴は一般的じゃないから、昨年の北米ツアー前、噺を考えていたときに、師匠から“フラミンゴはどうや?”と言われた。確かにフラミンゴと亀の組み合わせは面白かったけど、鶴のほうが日本人らしさが出ていて、外国人にも日本らしい雰囲気が伝わる。『寿限無』に出て来る長い名前も、そのままで外国人にはどかんどかんウケます! みんな、日本の芸を観に来てるんやから、合わせる必要はないんです」と、熱い意気込みを語ります。

師匠である六代文枝の言葉では、昨年、北米ツアーを開催する際に言われたものが印象に残っているそう。「師匠に“今年2ヵ月ということは、来年は4ヵ月やな。で、再来年、日本を出たらもう帰ってこんでええ”と言われました。今年、“やっぱり4ヵ月になりそうです”と報告したら、同じことを言われた。師匠の創作落語はめちゃくちゃウケるから、本当に広めたい」と気を引き締めました。

最後に、マスコミ陣から「ワールドツアーにかけて謎かけをお願いします」とのオーダーが。「うわぉ!!」と一瞬驚いたものの、すぐに「いつでもどうぞ」と返答。「扇子のつくられている材料とかけまして、ワールドツアーに向かう輝く落語家と解きます。その心は、どっちもワシ(和紙)や~!」と見事に答えただけではなく、「センス(扇子)あるやろ!」と重ねる余裕っぷり。

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さらに、冒頭での敬語についての噺を、「今日はお忙しい中、心の底から感謝しております。なんと感謝を申し上げていいのやら、言葉がございません。サンキュー!」と見事に絡めて、マスコミ陣を唸らせました。

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【桂三輝】【マテンロウ】