『SLAVA’S SNOWSHOW スラバのスノーショー』
世界30ヶ国以上で500万人以上を動員し、世界7ヶ国15もの国際演劇賞を総なめにしてきた話題作、待望の日本公演! ロシア出身の世界最高峰のピエロ=道化師スラバ・ポルニンの創作・演出によるファンタジーショー『SLAVA’S SNOWSHOW スラバのスノーショー』の模様をレポートします。
会場には、お子さん連れのご家族から、若いカップル、お年寄りまで、幅広い世代のお客さんでいっぱい。期待ふくらむ中、ステージに現れたのは一人の年老いたピエロ。深刻な表情で自分の首にロープを巻き付けて…というショッキングなシーンからスタート。一体どうしたのだろう? 何が起こるのだろう? とお客さんたちが釘付けになったところで、ピエロがロープを引っ張ると…
こうして幕を開けたショーは、他のピエロたちも交え様々な芸を繰り広げていきます。出演するのはピエロのみ。ストーリーもセリフもなく、動きと表情だけで様々な喜怒哀楽を表現。ピエロたちのコミカルで不思議な動きに、子どもたちは声をあげて笑い大喜び。大人たちも思わずハッと声を上げてしまうような、予想もできないトリッキーな演出も。そして、ただ楽しいだけでなく、おどけた動きの中にもピエロの悲哀を感じ、心を打たれます。言葉はないのに、その心の動きがしっかりと伝わってくるのです。この日の公演を観劇したプリンセス天功さんも「感動して涙が出てきて。5回も泣いてしまいました」と感想を。観る人の心の奥底を震わせる感動と出会えます。
そして、1シーン1シーンが絵画のように美しい!スラバ氏は、このショーを作るにあたり「シュールリアルスティックな絵画やアバンギャルドな演劇など、現代の芸術を取り入れていった」と語っていましたが、それらがショーの中に息づいています。深く青い空間に、星が輝き、シャボン玉や雪が舞い…とても幻想的。ファンタジーの世界に迷い込んだ気分が味わえます。
このショーの醍醐味は、観るだけでなく体感すること! 掃除中のピエロがしつこい蜘蛛の巣に悪戦苦闘していると、突然、巨大な蜘蛛の巣が出現し、お客さんの頭上を覆い尽くします。お客さんたちは、驚きながらも大興奮。みなさん楽しそうに触っていました。休憩中も気を抜いてはいけません。ピエロたちが客席を歩き回り、雪をばらまいたり、霧吹きで雨を降らせたり、お客さんのカバンを拝借したり、さらにはお客さんを抱えてステージに上げたり…ピエロたちのイタズラで会場を楽しませてくれます。ピエロにいじって欲しい人は、手を挙げて積極的にからんでいきましょう!
最大の見どころはラストシーン! なんと劇場で吹雪が巻き起こります。すごいすごいとは聞いていましたが、想像のはるか上をいくすごさ! ものすごい風と雪の猛吹雪が吹き荒れるのです。その迫力と美しさは圧巻。さらに、エンディングには客席に巨大バルーンが出現。さらに離席&写真撮影OKなので、お客さんたちはみんな童心に戻ってバルーン飛ばしに夢中になっていました。これがあまりにも楽しくて、お客さんはなかなか会場を立ち去ろうとしないほど。誰もが子どもになって楽しんでいました。この昂揚感は体感しなければわかりません。ぜひ、あなたも劇場へ!
『SLAVA’S SNOWSHOW スラバのスノーショー』は、8/6(水)~17(日)東京・シアター1010、8/20(水)~24(日)大阪・シアターBRAVA!にて上演。 詳細はこちら:http://slavasnowshow.jp/