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2014年9月28日 (日)

『髙平哲郎スラップスティック選集』トークイベントVOL.2 に小堺一機が登場

9月26日(金)紀伊国屋書店新宿本店にて、髙平哲郎の殊玉の作品をテーマ別にまとめた選集シリーズ『髙平哲郎スラップスティック選集』創刊記念トークイベントVOL.2 「真面目が嫌いだからアチャラカ~人はなぜ笑うのか」が行われました。毎回、ゆかりのある著名人を招きトークを展開する本イベント。第2回目となる今回は、30年にわたる親交のある小堺一機をゲストに迎え、本書のテーマである「アチャラカ」をキーワードに、“大将”こと萩本欽一らとの秘蔵エピソードを交えながらトークを展開しました。





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「“アチャラカ”という笑いが消えないうちに、“アチャラカ”について少しでも知っていただければ」との思いから執筆したという本書。イベントでは、まずは“アチャラカ”の代表、エノケン(榎本健一)や古川ロッパから、それを発展させた帝劇、東宝ミュージカル、そして由利徹、三木のり平、コント55号らアチャラカが得意なコメディアンまで、アチャラカの系譜を簡潔に紹介。そして混同されがちな“軽演劇”との相違については、台本通りキチンとやるのが“軽演劇”、そのキチンとしたオリジナルを曲げていくのが“アチャラカ”と解説を。それを興味深く聞いていた小堺は、「この本、今の若手(コメディアン)に読んで欲しい!」と力が入ります。



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アチャラカはパロディであるという観点から、さらにトークは発展。『金色夜叉』も『三銃士』も『忠臣蔵』も、オリジナルより先に子どもの頃に見たパロディ作品で知ったという2人。髙平が手がけた人気番組『今夜は最高!』も、人気者が大ヒット映画などのパロディを披露していた『新春かくし芸大会』をヒントに企画したという誕生秘話も飛び出します。しかし、現在は著作権の問題や、世論も厳しくなったことにより、「パロディやモノマネがやりにくくなった」と髙平。小堺も「真面目じゃないと怒られちゃう。テレビに出る人に真面目を求めるのは本来おかしいんですけどね」と現状を憂います。そんな中、小堺が子どもの頃に体験した、両親のエピソードを披露。「出ていけー!」と怒りを爆発させる父親に対し、母親が「どこから?」と言い、ずっこけたという小堺。一方、髙平も、飲みすぎて嘔吐した際、血が混じっていて動転し「血を吐いちゃった」と言うと、奥さんは「どこに?」とすっとぼけた発言をしたという体験が。深刻な状況でも笑いに変えることができる、それはとても大切なものなのではないかと考えさせられる話題となりました。


そして、会場が一番盛り上がったのが、2人がともに縁のある萩本欽一との秘話や、勝新太郎の武勇伝。芸事に厳しいことで知られる萩本。小堺は、「最初に会った時、『愛は地球を救う』の人じゃないと思った」と笑わせます。稽古中も食事休憩も一切なく、公演中も毎日が反省会。1991年、博品館での公演『やっぱりコント55号』の構成を行った髙平は、萩本欽一との打ち合わせの際、あまりの緊張感に胃が収縮し嘔吐してしまったと告白。勝新太郎が稽古場に陣中見舞いに来た際も、同じく嘔吐してしまったそうで、意外にも繊細な一面を垣間見せました。中でも爆笑をさらったのが、小堺が披露した『萩本欽一欽ちゃんのどこまでやるの!? 』での、萩本と、美術のクサマさんとの、まるで“アチャラカ”のようなエピソード。萩本の無茶ともいえる注文に、偉い人なのに腰が低いクサマさんは職人としてのプライドをかけ対応するものの、萩本は自分の言ったことを忘れて厳しいダメ出しを…というやり取りを、モノマネを交えながら熱演。髙平も会場も大爆笑で、予定時間をオーバーするほど盛り上がりました。



萩本欽一との対談も収録した『髙平哲郎スラップスティック選集②定本アチャラカ―真面目が嫌い』は好評販売中! 第1弾「銀座の学校・新宿の授業」も販売中。第3弾の「スラップスティック・ジャム―変人よ我に返れ」は、10月発売予定です。