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2014年10月 1日 (水)

『KOYABU SONIC 2014 FINAL supported by uP!!!』3日目

吉本新喜劇・小籔千豊主宰の音楽とお笑いを融合させた個性派フェス『KOYABU SONIC』。小籔とレイザーラモンで結成したユニット・ビッグポルノを広めたいという思いからスタートしたこのフェスも、同ユニット解散に伴い7回目となる今年でファイナルとなりました。そしてファイナルは史上最大規模となる3日間の開催に! 1日目、2日目と熱いライブを繰り広げ、9月15日、いよいよ大千秋楽を迎えました。

会場のインテックス大阪5号館には、開場直後からたくさんのお客様がご来場。朝から熱気に包まれていました。そんな中、オープニングアクトを飾ったのはスモールポルノ。ビッグポルノの弟分という位置付けですが、下ネタソングを歌っていたビッグポルノとは180度異なる、社会貢献を目的に活動する宇都宮まき、今別府直之、男前によるユニットです。披露した「DVはダメよ!」も、DV撲滅を願っての1曲で、「心を込めて歌います」という宇都宮の挨拶に、歓声が沸き起こりました。

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そして引き続きスモールポルノが前説を。ここでは宇都宮の「吉本新喜劇で好きな先輩のプチ情報」を発表。「(浅香)あき恵姉さんは、ヤンキー役をした後は楽屋でもヤンキー口調になる」「(島田)一の介師匠は嬉しい時、2枚目の台詞を言う時、なぜか白目になる」などを挙げました。

スタート時間の11時になると、RGの「南港に建てられているマンションが満室になり、建てられているビルが満室になり、あの頃のバブルの賑わいをもう一度と思っている『KOYABU SONIC』ファイナル~!」の雄たけびで幕を開けました。「3日間やってお客さんが入るのか心配でしたが、ありがとうございます」と小籔。「7年やってきた『コヤソニ』も今年で終わりですが、みんなでいい思い出にしたいです。大いに盛り上がって、アーティスト、芸人を乗せてください! よろしくお願いします!」と続けました。続いてHGが力強い「コヤソニフォー!」をとどろかせました。

「オープニングを飾ってもらうため、えげつないのを呼びました。『サマソニ』にも来ないようなすごいアーティストです!」と期待を煽る小籔、ステージの画面には「Beyonce」の文字が浮かび、地鳴りのようなどよめきが上がりました。そして登場したのが“よしもとのビヨンセ”こと渡辺直美、ニューヨーク仕込みのキレッキレのダンスで、“エアビヨンセ”を体いっぱい表現しました。激しいステージを終えて「記念すべき最終日のオープニングを飾ることできて本当に嬉しいです」と息を弾ませながら感想を語る渡辺。RGも「この会場に限っては、本物のビヨンセよりも盛り上がる!」と大興奮の様子ですが、「ビヨンセを呼んだことないからわからへんやろ」と小籔から冷静にツッコまれていました。

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アーティストのトップは新垣隆さんです! 小籔は「今回、お招きさせていただいたのは、現代音楽を広めようとされている姿を見て、僕は新喜劇を広めようとしているのでシンパシーを感じたこと、また、現代音楽という本当にすごいジャンルを知っていただきたい。そして何よりすごく才能のある方だということを分かってほしい。あの“髪の毛の長い人”の一部ではないんだということを広く知っていただきたいというのが半分。あと半分は『呼んだらお客さんが来るんちゃうか』という考えもあります」という小籔にお客さんから拍手が。小籔の「皆さん、目を凝らして、耳を凝らして聴いていただきたいと思います。 えげつない人が来てくれました! この方です、どうぞ!」という呼びかけのあと、新垣さんがステージに! お客さんから大きな拍手が起こりました。

ステージでは『KOYABU SONIC』のために準備したという2曲を演奏。『新垣隆 現代音楽即興ソロ・ピアノ』では、六甲おろしのイントロも入れ込んだ、キャッチーでポップな調べ。お客さんの注目を一気に惹きつけました。続いては、バリトンサックス奏者・吉田隆一さんとのデュオ『新垣隆・吉田隆一により現代音楽即興デュオ』。ラストは週刊文春の依頼で作ったという『交響曲HARIKOMI』をお披露目。ところどころに『プロポーズ大作戦』などのフレーズを盛り込むなど関西ならではの味つけも。演奏後、拍手がなかなか鳴りやまないほどの盛り上がりを見せました。

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小籔とのトークタイムでは、「新垣さんは本当にいい人だった。悪い人にそそのかされただけ。これが個人的な感想です」というと、お客さんから小籔に賛同するように大きな拍手が。トークが盛り上がったところで、佐村河内守氏に扮した今別府がステージに登場! 新垣さんの隣に並び、「お久しぶり」と新垣さんに声をかけました。

これには新垣さんも苦笑い。続いて今別府が「ごめん。天地神明に誓ってごめん」と新垣さんに謝りました。小籔が「(今別府が)どうしても新垣さんの前でこの格好をやらせていただきたい、と。大丈夫ですか?」と尋ねると、「ありがたいです」という新垣さんに、お客さんから笑いと大きな拍手が。「こんなんされて『ありがたい』って言うからだまされるねん!『嫌です』と言ってください」と小籔にツッコまれていました。さらに、貴重な記念にと、新垣さんと今別府の2ショットも撮影。握手写真も撮影しました。

そんなところに、野々村議員に扮した千鳥・ノブ小池が乱入! 「あなたにはわからないでしょうね!」、「このくにをぉぉ~!!」と号泣するなど、さんざんモノマネしたあと、「これ絶対いらんやん! この時期の野々村は絶対におもしろくないやん」とノブ小池。さらに「『KOYABU SONIC』3日間やってきて、ノブの野々村議員のモノマネは唯一の失敗」と自虐的に語り、お客さんを沸せていました。

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その直後、HG扮する『コヤソニ』だけのレアキャラ、レディ画家が登場。この日も描いた絵をオークションし、入札した金額を大阪府社会福祉基金に募金するとのことです。すると、後方から「待った!」の声が。1日目、2日目も参加したミサイルマン・岩部扮する武将様です。二人して自慢のイラストを一日かけて仕上げると気合十分でした。

そしてステージは再び、アーティストのライブへ。登場したのはレキシさん。芸人も顔負けのトークで大爆笑を起こし、お客さんをぐんぐん乗せていきます。ライブは『狩りから稲作へ』 から始まり『きらきら武士』の全3曲。『狩りから稲作へ』では、お客さんが高く上げた腕がまるで風に揺れる稲穂のよう、金色の風景を作り出していました。1曲1曲のボリュームもたっぷりで、会場は横揺れの一体感を醸成。レキシさんは、『コヤソニ』の後に東京でライブが控えていたそうで、ハードスケジュールの中でのご出演。ライブ後はすぐに飛び出さなければならず、「帰りとうない。わらわはいやじゃ、着物のまま新幹線に乗ったらええんや」と名残惜しそうにステージを去られました。

続いてはN'夙川BOYSです! 『コヤソニ』へは2回目の出演です。『プラネットマジック』『Candy Peaple』などを披露しました。途中、シンノスケBOYsさんがステージのセットによじ登るパフォーマンスも見せ、大盛り上がり。そして「『KOYABU SONIC』めちゃいいよ! レキシさんも言ってたけど、好きっていう気持ちわかります。最高だと思います。終わらないでほしいけど、“小籔”が決めた。始めるのも“小籔”が決めた、止めるのも小籔さんが決めたらええねん!」とマーヤLOVEさん。イントロで「『KOYABU SONIC』、またやるときは一番に呼んでくれ。またやるときは絶対に一番に言ってくれ!」とメッセージを投げかけ、『物語はちと?不安定』を。終盤ではマーヤLOVEさんのメイクで、マーヤLOVEさんの衣裳をまとった小籔もステージに飛び出し、ドラムを披露するというサプライズもありました。「また『コヤソニ』に出れて嬉しい!」とリンダdadaさん、最後はマーヤLOVEさんのシャウト「ロックンロール!」で締めました。

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「大阪レゲエ界で1番、レゲエ界のダウンタウン。『コヤソニ』に出るようなアーティストじゃないんですよ! ジャマイカの雰囲気になって踊っていただきましょう!」とテンション高く小籔が紹介したアーティストが登場、MIGHTY JAM ROCK with ANADDA REBEL BANDです! 『いきなりダイナマイト』でスタート、重厚感あるサウンドで会場の底上げをします。「司会にかなりハードルを上げられましたけど!!」とJUMBO MAATCHさん。ですが、そのハードルを軽く飛び越え、『LOVE SO NICE』ほか全8曲を披露し、ジャマイカの空気を作り上げました。BOXER KIDさんとは“パパ友”という小籔。ライブ後のトークではその話題で盛り上がりました。小籔は、家の近所の公園で会ったことがあるそうで、その時とライブのギャップに驚いたとのこと。そしてJUMBO MAATCHさんは「楽屋にいる時点で緊張しました。でも、出ることができてよかった」と笑顔で話されました。

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ここでネタコーナーへ。まずは平成ノブシコブイシが登場、吉村はステージに登場するやいなや、フロアーに駆け下ります。ですが、5、6人のお客様しか反応せず、意気消沈。気を取り直して「面白いネタ」をと、『鶴の恩返し』をモチーフにした漫才を披露しました。ロバートは終電を逃した人への新サービスを提供するというコントを。秋山扮する風変わりなおじさんが繰り出す謎の動きで会場を笑いの渦に巻き込みました。千鳥の出番では、「平成ノブシコブシがスベっているのを見て、どうしようかと思った」と開口一番にノブ小池。続けて野々村議員のモノマネをするも反応はいまひとつ、「朝はもう少し受けていた」(ノブ小池)とのこと。ネタはお寿司屋さんが舞台の漫才を披露しました。麒麟も漫才で沸かせます。田村を翻弄する川島の声帯模写やナレーション。後半は一気に加速し、スパークしました。ネタコーナーのトリを飾ったのは中川家、電車や新幹線の音を再現と得意技を披露する礼二。剛も打ち上げ花火の声帯模写で魅せました。

ネタ後のトークでも盛り上がりました。麒麟は皆勤賞。『コヤソニ』1回目と2回目の間で彼女と別れたという川島、「『コヤソニ』って失恋の歴史なんですよ」と振り返ります。最初はそのことでいじられ、「ちょっと嫌な顔をしてた」(田村)そうですが、「7年目となると、もう誰もいじらなくなりましたわ」と川島、それはそれで寂しそうでした。千鳥・ノブ小池はここでも野々村議員のモノマネを。「これ、いっちばんおもんないですわ」と一刀両断するノブ小池。朝から5回やっても仕上がらないそうです。なお、千鳥が見せたネタは、小籔と一緒に行ったお寿司屋さんをモデルに作ったものだそうです。平成ノブシコブシは「吉村が帰ってきたよー!」と叫ぶも、『コヤソニ』へは初出演。なお、ネタの自己採点は「くそスベりました!」と吉村。でも「ノブシコブシらしいステージができました」と満足げでした。

ステージは再び、アーティストライブへ。お次は『コヤソニ』初登場、大阪といえばこの方々、多くのミュージシャンに影響を与えてきたブルースバンド、憂歌団です。メンバーの皆さんがステージに登場すると、『コヤソニ』には珍しい“野次”が。そんなライブでは定番のお客様とのやり取りに、早くも会場は憂歌団色に染まりました。『YOU BELONG TO ME』から始まり、『10 SONIC』に呼んでくれてありがとう。蟻が十なら蜂は八」(木村)と、MCも“大人”な味わいで笑わせました。ライブ直後、「かっこいい! すごい!!」と興奮気味の小籔。また、「こんな大先輩に出ていただきまして、ええソニックになりました」と、圧巻のステージに感慨深げでした。

続いても『コヤソニ』初登場、スガシカオさんです! NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』のテーマソング、『Progress』の弾き語りで始めたスガさん。そのなじみあるフレーズが流れたとたん、会場から大歓声が沸き起こりました。そして『俺たちファンクファイヤー』『奇跡』で最高潮。MCでは小籔との馴れ初めを。番組や串カツ屋さん、鍋屋さんなどで会うたびに「『コヤソニ』に出てください」と口説かれていたそうですが、「どこまで本気かよくわからなくて(笑)。でも本気で頼んでくれているなら失礼だなと思って。今日は絶対に出ようと思って来ました! お客さんも温かくていいですね」とスガさん。最後は「皆さん知っていると思うので、ぜひ一緒に」と『夜空ノムコウ』を聴かせてくれました。ライブ後のトークでは、スガさんに「『コヤソニ新喜劇』があったら、また出てください」と新たな提案をする小籔。出演の仕方もいくつかのパターンを用意しているそうで、ここでもまた熱心に口説いていました。

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ここですち子と吉田裕がステージへ。吉田は「ドリル、すな、すな、すな…」と“すな”に合わせて手拍子を煽り、フェス気分を盛り上げます。そして二人でお待ちかねの「ドリルすんのかい、せんのかい」を披露しました。

「『コヤソニ』がここまで大きくなったのは、最初から嫌がらずに出てくれたアーティストのおかげです」と感謝を込めて小籔が呼び込んだのは常連組、EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX! 音が奏でられたとたんライブハウスのような空気に一変。「ラストソニック、みんな一緒に盛り上がろう!」と中納さん、『love scene』では祝祭的なムードに包み込まれました。そして『サイコアナルシス』『アクション』でお客さんは総立ち、圧巻のライブを繰り広げました。

ライブ後、「いつもすごいけど、今日は一層すごかった!」と小籔。以前、EGO-WRAPPIN'で『異邦人』をカバーしたそうですが、そのきっかけは『コヤソニ』の打ち上げで歌ったからだそうです。2回目から出演されているだけあって、思い出もたくさん。『コヤソニ』きっかけでつながった縁もあったそうで、そんな話で盛り上がりました。ですが、やはり注目は中納さんの類まれなる歌唱力。「ここまで歌を上手に歌う秘訣は?」と素朴な疑問を投げかける小籔。「そうですね、笑うこと。そしてありのままで…」と中納さんから「ありのまま」というキーワードが発せされた途端、『レット・イット・ゴー~ありのままで~』のイントロが流れ始めました。そしてなんと! カラオケに合わせて中納さんが歌声を披露してくれたのです! 大歓声に包まれる会場、その圧倒的な歌唱力にみな、聞き惚れていました。そして中盤、ステージ袖から別の声が重なり、まさかの“ご本人登場”!? そこに現れたのは島田一の介! 最後の「少しも寒くないわ」を二人で声を合わせ、バッチリ決めました。

続いては小籔曰く「カオスタイム」、藤井隆&椿鬼奴による「新感覚!シンガーヒストリーショー」です。スポットを当てたシンガーは今井美樹さん。鬼奴が今井美樹さんになり切り、『ブギウギロンサムハイヒール』をBGMに藤井が読み上げる自身のプロフィールに耳を傾けています。そして、ところどころで一言コメントを挟みます。やがて藤井の読み上げを遮り、『ブギウギ~』を歌い出す鬼奴。そんな鬼奴に最初は不快感を顕にしていた藤井ですが、サビでは共に歌い、デュエット状態に。しかし、よくよく目を凝らすと小競り合いをしている二人。聞けば、鬼奴も今井美樹さんと思って生きてきて、藤井も今井美樹さんと思って生きてきた、互いが「自分こそが今井美樹さんだと思って生きてきた」ということだそう。最終的には「あたしが美樹~!」と言い合ってショーを終えました。その後、「何やこれは。大勢の前でやることか、これは」と小籔から強烈なダメ出しを受けた二人。なんと二人は、東京から飛び込みで会場に入り、このショーを繰り広げたそうです。

倖田來未さん、芦田愛菜さんのモノマネで人気のやしろ優さんもワンマンショーを展開! 倖田さんになり切ってのやしろさんによる、芦田さんのモノマネレクチャーもあり、お客さん全員でお決まりのフレーズを復唱しました。また、『キューティーハニー』の歌唱もあり、盛り上がりました。トークでは、芦田さんのモノマネで何でも言ってくれるやしろさん。小籔やRGは次々とリクエストしていました。

続いてはハナレグミ with U-zhaan。まず、7年間出演し続けただけあって、今年で『コヤソニ』が終わることを「さみしいですね。今日は思いきり歌いたいと思います」とひと言。『音タイム』、『大安』などをU-zhaanさんと『コヤソニ』バージョンでお届け。さらに、「自分にとっても大事な曲」と紹介し、「今日は『KOYABU SONIC』、これでさようならということでこの曲を贈りたい」と『サヨナラCOLOR』を。会場全体に、なんともいえない切なく、甘酸っぱい空気が流れ、本当に『コヤソニ』とのさよならを惜しんでいるかのような雰囲気でした。

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ハナレグミさんにも『コヤソニ』の思い出はもりだくさん。「衝撃的だったのは、1回目は島木譲二さんに『誰だ、お前は』と突然言われて(笑)。そしたらRGさんが、小さい声で『大丈夫ですから』って言ってくださった」とふり返ります。「まるでオアシスのような音楽と笑いのイベントに」と、ラストは『オアシス』で賑やかに締めくくりました。小籔とのトークタイムでは、小籔に「また帰って来るの、待ってますんで!」(ハナレグミ)という言葉に、お客さんからも大きな拍手が起こりました。

続いては「演歌界の大物が来てくれました! 昨年来てくださった小林幸子さんを『さっちゃん』と呼ぶ大物です」と小籔に紹介されて登場したのは、水谷千恵子! いきものがかりの『ありがとう』、中森明菜の『ミ・アモーレ』をこぶしたっぷりに歌い上げ、MCでは「『千恵ちゃんキレイ』、『かわいい』『スタイルがいい』ありがとうございます。素晴らしいことをするわね、小籔ちゃんって!」、「昨日も“明日は『KOYABU SONIC』だ”と思ってお酒がのどを通りませんでした。10杯目が。ウフフ」とお見事なトークで会場を笑いの渦に。さらに松たか子との思い出話(!?)と大物っぷりも。最後は『天使のかわりはいませんか』をしっとりと歌い上げました。

次は藤井隆の登場です! ダンサーのTガールズと藤井隆のヒットナンバー『ナンダカンダ』をお披露目し、お客さんのテンションは最高潮に!! 小籔に「何年ぶりぐらいに歌っていただけたんですか?」と尋ねられると「今日、たまたま午前中に東京で歌ってました」(藤井)。「そんな行って来いみたいなことがあるんですか?」と小籔もびっくり。ずっと藤井隆に出てもらいたかったという小籔。ついに念願叶ったということで喜びもひとしおです。「最高の『ナンダカンダ』、いただきました!」と拍手。

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残りはいよいよ残すところ1時間半。そんな中、サニーデイ・サービスの登場です。『白い恋人』、『恋におちたら』などを次々と。曲間のMCでは、「すべての回に出させていただいて、本当に大好きな場所でした。いろんな思い出をありがとう」と曽我部さん。『スロウライダー』を歌い上げたときは、「『コヤソニ』のいろんな思い出が、映像が、本当にみがえってくるね。すごく濡れた時の『スロウライダー』も思い出しました」とふり返っていました。そして最後は『サマーソルジャー』。

ステージ後のトークでは、「本当に、最初から出ていただけてうれしかったです」と小籔が改めてお礼を。小籔が奥さまとまだ付き合っていた頃、サニーデイ・サービスの曲を聞きながらドライブをしたことなど、甘酸っぱい思い出話に花を咲かせていたところ、突然ファンファーレが! するとステージに池乃めだかが現れました! 「おい! えらい賑やかなこっちゃやないか! ええこっちゃ。誰に断ってここでライブやっとるんや!」とすごむめだか。「冥土の土産になるかもしれんでぇ~!」と小籔に必殺の回し蹴りを仕掛けますが、おなじみの流れで小籔に届くことはありません。そしてめだかの「今日はこれぐらいにしといたらぁ」の決めゼリフに、サニーデイ・サービスさんも思わずコケる展開に。

まだまだすごむめだかは「『青春狂騒曲』を歌わせてくれたら許したる!」と提案。小籔が「無理ですよね!?」と曽我部さんに尋ねたところ「いえ、大丈夫ですよ」とあっさりOK! するとめだかは「ホンマはアカンって言うてほしかった~。ものすごいドキドキしてる!」と緊張爆発。独特の節回しのこの代表曲をめいっぱい練習してきたことを明かしました。そして、夢のコラボが現実!! 歌い終わった後「ブレスが難しくて、何度か頭がフッとなった」とめだか。曽我部さんに「あそこ、どうやって歌ったらええんですか?」と尋ねるひと幕も。曽我部さんも「感無量です。ありがとうございます!」と大喜びでした。

「ファイナール! カウントダウン!」とRGが叫び、いよいよ本当の最後が近づいてきました。大トリを飾るのは、もちろんビッグポルノ。小籔はこれまでの思い出をふり返りつつ、「本当に7年間、ありがとうございました」と改めてご挨拶を。3日間、ビッグポルノのステージはもちろん、ずっと司会進行を務めてきた小籔の声はもうガラガラに。それゆえ余計に力を感じる歌声に聴こえました。『KING TIMER』、『BUG IT NOW』と次々と歌い、最後の最後まで全員、全力で歌い切りました。

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エンディングには、出演アーティスト全員、さらにスチャダラパーもステージに大集合し、毎年恒例の『KING TIMER』大合唱。これで見納めです。

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大エンディングが終わった後、ステージに残ったのは、ビッグポルノとスモールポルノのみ。ついに最後の挨拶です。

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まず主宰者の小籔が「僕たちのフェスということですので、ひとりずつ挨拶させていただきます。ではまず、打ち上げでも八面六臂の活躍で。貧乏たれの3人でしたが、今ではRGさん抜きでは考えられません」とRGを指名。

RGは、「『コヤソニ』の歴史は、小籔さんに褒められたいという歴史で。最後、褒められようと思ったのに全然歌われへんところあった……」と反省。「今日は、レゲエのJAM ROCKさんの影響でレゲエ風にいこうと思ったらリズムがちょっと……」と打ち明けると、「途中、田島貴男さんみたいな歌い方も入れてたね」と小籔。その言葉を受けて、「少しでも、少しでも小籔さんにニヤッとしてほしい。なかなか笑わない人なので、笑ってほしい、認めてほしいと思ってやって来ました」と語り、さらにまだ初期の頃、グッズやCDをとにかく安く作ろうと奮闘した頃の思い出をふり返りました。「『コヤソニ』、小籔さんに認められたい、褒められたいという歴史で。最後、本当にもう悔しいです。泣きそうになるって、悲しい時じゃないですね。悔しい時も出るんですね。この悔しさを持ち帰って、処理します」と語り、お客さんを沸かせていました。

続いてHGからの挨拶です。

「2001年に新喜劇に入って、2002年から小籔さんに声をかけられてビッグポルノがスタートしまして、その時、ハードゲイというキャラは思いついていましたが、なかなかうまくいかず。でも、それを発散させていただいて、それで続けていくことができて、2005年に日の目を浴びることができました。新喜劇でもいろいろやらせていただけるようになり、『コヤソニ』も始まって。その後、ハードゲイが下火になったり、プロレスで大けがをしたりと、ビッグポルノと『コヤソニ』の芸人としての思い出が詰まった12年でした。解散は寂しいですけど、小籔さんは本当にちゃんと芸事で仕事をされて、それでビッグポルノをやられている。僕らは本業であるお笑いの方を、ネタ、漫才を、本当にしっかりやっていかなければならないなと。そっちにエネルギーを集中して、もちろんビッグポルノ魂を、結成するときに話し合っていた精神を忘れず、これからも芸人を頑張っていきたいと思います」と語り、「本当に寂しいですが、まだスモールポルノがビッグポルノの意思を引き継いで頑張ってくれますし、それも応援します。レイザーラモンとしても、THE MANZAIの認定漫才師50組に残って、決勝に残れるように頑張ってますので、そちらのほうも応援してください」と、後輩への期待と、これからの意気込みも語りました。

小籔は「HGがすごくブレイクしたことによって、ビッグポルノをお客さんに知ってもらったり、DVDを撮ることもできました。最初にトンっと行ってくれたのは助かりました。ありがとうございました」との言葉を贈りました。

そして宇都宮まきのご挨拶です。

「新喜劇へ一人で入って同期がいず、最初に仲よくしてくれたのがレイザーラモンのお二人でした。私は仕事もなかったですし、家も貧乏なのでお金を稼がないといけなかったので、もう辞めて普通の仕事をしようかなと思った時に、小籔兄さんが止めてくださいました。『俺もいつか座長になるし、レイザー(ラモン)も絶対に頑張って売れると思うし、だからまきちゃんも辞めんと頑張ったら、いつかご飯食べられるようになると思うから、頑張り』と言ってくださって、ビッグポルノに誘ってくださいました。なので、今の私があるのは、本当に小籔さんとレイザー(ラモン)さんのおかげです。今日はスモールポルノでオープニングアクトをやらせてもらったんですが、多くのお客さんに見ていただけたのも、ビッグポルノ兄さんたちのおかげだと思います。感謝しています。今日は最後のビッグポルノまで見ていただいてありがとうございました」と涙をこらえながら挨拶しました。

その言葉を受けて小籔は「最初の頃は厳しいことも言いましたが、テレビに出てくれるようになりまして、今では大阪ではアゲアゲの女芸人でございます。まきちゃんの知名度が上がって告知とかもできて、CDジャケットでも乳をほりだしてくれたから新聞の記事が大きくなったりとか、本当に助かりました」と語りかけました。

続いては今別府……と思いきや、ステージにはその姿がありません。「こんな時に、今別府は段取りを間違えて先にハケてしまいました」と小籔が激白すると、お客さんから笑いと大きな拍手が。「カス野郎です。皆さんの心の中で今別府は生きてますので、辛いことがあったら今別府の顔を思い浮かべてください。あんな下等な動物がいるんだと思えば、一つの悩みなら吹っ飛ぶはずです」と言いながらも、「今別府もいてくれて助かりました。感謝してますね」と感謝の言葉を。

最後は男前です。「本職は裏方ですが、小籔さんに声をかけていただきまして、本当に僕なんかが舞台に立っていいのかなと思いましたが、小籔さん、レイザーラモンさん、宇都宮さん、今別府さんに優しくしていただき、今日という最後の日まで舞台に立たせていただくことができて本当に感謝しています」とご挨拶。すると小籔は「昨日はすごい挨拶をしてくれたので、今日も出るか、出るかと思いましたが……」と、昨日の男前の挨拶「『KOYABU SONIC』は、日本一の、イヤ! 世界一のフェスです」をふり返り、「男前、イヤ! 男前、ありがとうございました」とイジっていました。

ついに最後、いよいよ小籔から最後の言葉が。

「新喜劇に入って僕ら3人が『ユニットをやりたい』と言ったとき、ある社員が『キャパ100人のところ、お前ら3人で埋まるんか』と。『知り合いの社長とかに(チケット)買ってもらったら?』と言われまして。僕たちは『くそっ』と。そのとき、HGもRGも俺もバイトをしていました。新喜劇のセリフも一個もない。本当に地獄の状態のときに、本当に悔しい思いをしまして、『いつか見とけよ』と。この3人でいつかでっかい金を動かしたる、と。その思いが8割ぐらいでやらせていただきました」とふり返りました。

「個人的なあの時の悔しさ、下っ端芸人の虐げられた思いみたいなもの、まきちゃんも今別府もセリフがなかったですし、誰も見向きもしていませんでした。『いつか見とけよ』と思っていました」。

しかし、『KOYABU SONIC』が続いていくうち、また違う思いが芽生えたといいます。

「気持ち的にも、たくさんのお客さんにお付き合いをしていただき申し訳ないと年々思うようになってきましたね。僕は『KOYABU SONIC』を続けたいですけど、辞めたいなと思うこともあったんです」と本音も。

「会議のときも、80人ぐらいの各セクションの偉いさんがいるわけですが、その下にはまだたくさんの人がいる。その時に、俺のしょうもないワガママに、こんなにたくさんの大人を付き合わせているんかと思いました。また、出演してくださるアーティストさんも、『こんなすごい人たちに手伝っていただいているのか』と。スタッフさんも、すごい大きなフェスを手がけている人たちが、下ネタラップを歌うためだけにこんなステージを設営してくださって。本当に、申し訳なくて、いつも胸が締め付けられる思いがありました。7年間、甘えさせていただきました。すごいスターの方、スポンサーの方、吉本の方、スタッフの方、皆さんに手伝っていただいて。お客さんにも感謝しています。いつも自分ひとりで生きていると考えているんですが、『KOYABU SONIC』をやって、本当に回りの人に助けられてるということを感じました。申し訳ございませんでした」と思いを吐き出すように語りました。

「本当にこれで終わります。僕のワガママでたくさんの人たちを動かしてた。『こんなんせえへんかったら、この人休みやったんちゃうか?』『子供を公園に連れていけてたんちゃうか?』とか思いました。でもこれだけ甘えさせていただくと、こんなにたくさんのお客さんが入るステージができるんだ、と。いい面も、悪い面も、いろんなことが勉強になりました。これからは、吉本新喜劇を広める活動も一層、頑張っていきたいと思います。本当にお付き合いいただいたみなさん、ありがとうございました」と、『KOYABU SONIC』に感じていた本当の思いを打ち明けました。

沸き起こる大きな拍手の中、「今まで7年間、本当にありがとうございました!」との言葉に、涙を流すお客さんも。……ところが、最後の最後に意外な展開が。大画面に上演されたエンドロールで、スチャダラパーPV『彼方からの手紙』が流されていた時のこと。曲の終盤はスチャダラパーからビッグポルノにかわり、小籔の声で「必ず『コヤソニ』復活させるから」という意味深なラップが! これにはお客さんからもどよめきが起こりました!

動員は3日間で30000人超と、名実共に過去最大規模のビッグフェスへと成長した『KOYABU SONIC』。2014年9月15日をもってビッグポルノ、そして『KOYABU SONIC』はひとまず幕を下ろしましたが、小籔千豊、レイザーラモンの活動を、そしてビッグポルノの意思を受け継いで活動を続けるスモールポルノを、これからもよろしくお願いします!