最新ニュースインタビューライブレポート

« 『囲碁将棋の発表会「僕らが好きなネタを時間の限りに見てください」』 | メイン | パンサーがプロデュースしたオトナな恋愛スタンプ配信開始! »

2014年10月13日 (月)

吉本新喜劇特別公演「大坂の陣 新喜劇~『君臣豊楽』淀殿の見た夢~」大盛況のうち千秋楽

uki_7322.jpg

10月1日からなんばグランド花月で開催していた吉本新喜劇特別公演「大坂の陣 新喜劇~『君臣豊楽』淀殿の見た夢~」が、10月12日(日)、千秋楽を迎えました。

この日は立ち見のお客さんもいるほどの超満員! 序盤から、中川貴志(ランディーズ)扮する望月六郎と清水けんじが演じる豊臣秀頼の長尺ボケでお客さんは拍手喝さいの大盛り上がり。今別府の、乳首を4回触られると飛び出す「ピュッピュピュッピュピュッピュピュッピュピュッピュピュッピュピュ、ドーン!」、安井まさじの「いや~ん!」、「ばか~ん!」、「そこ~ん!」、酒井藍の「ぶうぶう、私人間ですねん」、さらに今、熱視線を浴びているすっちーと吉田裕の「乳首ドリルすんのんかい、せんのんかい」も飛び出すなど、若手も含めて新喜劇の持ち味がふんだんに織り込まれた仕上がりとなりました。ギャグだけではないのが今回の公演の魅力のひとつ。水玉れっぷう隊の2人が息を飲む迫力満点の殺陣でお客さんを魅了。さらに水玉れっぷう隊・アキがブレイクダンスチーム「MORTAL COMBAT」の皆さんと踊った見事なダンスは、これまでにない劇中のスパイスに。時代劇ながら、枠にとらわれることのないさまざまな魅力が融合された新喜劇となりました。

Uki_7268

カーテンコールでは、全キャストがステージに勢ぞろい。すっちーが「歴史ものなので、最初はどうなるかと思いました。でもこんなにたくさんのお客さんに入っていただけて、お子さんにも笑っていただけたのでよかった」とひと安心した様子。12日間にも渡る公演の中には「8割がベトナムの方だった日もあった」と言いますが、時代劇は海外のお客さんにも大好評だったとか。徳川家康を演じた池乃めだかも「感無量です」としみじみ。「これまでも(新喜劇で)時代劇はよくやってきました。そのたびに顔にシワを描いてたんやけど、今はシワを描かんでもいいようになって。ラクなんやけど寂しい」と大御所ならではの感想も飛び出しました。

Uki_7278

また、クライマックスシーンの裏話も。すっちー演じる淀殿と、清水けんじ扮する豊臣秀頼が、覚悟を決めて己の運命を大坂城と共にする心打たれるシーンでのこと。「はじめてすっちゃんと真面目な芝居をしました」と清水。「恥ずかしかったんやけど、(芝居の)スイッチが入ったら、意外とちゃんとできましたね」と語りました。さらに水玉れっぷう隊・ケンが唾をほとばらせながら叫ぶシーンは、12日間の公演の中で生まれたギャグだったという裏話も。さらに水玉れっぷう隊・アキと吉田裕による、随所に織り込まれたキスシーンについては「(吉田が)いつもちょっと口を開けてるのが嫌だった」というアキに、「アキさんの唇が柔らかかったので...」と言い訳をする吉田でした。

Uki_7291

公演後の会見には、すっちー、清水けんじ、重要な場面で殺陣を披露した水玉れっぷう隊、福本愛菜が出席。水玉れっぷう隊・アキは「吉本に入る前に、東映の太秦で殺陣をやらせてもらっていました」と自身の過去を語りつつ「吉本に入って23年になりますが、初めて殺陣をやらせてもらって、すごく感謝しています」と感想を。水玉れっぷう隊・ケンも「相方が太秦で殺陣をやっていたこともあり、僕も殺陣のやりとりは相方に引っ張ってもらってなんとか完走できました。ありがとうございました」と語ります。アキが演じた霧隠才蔵、ケンが演じた風魔小太郎による2人の忍びの殺陣のシーンは、物語の行方を左右する大きな見どころでした。その役割を演じた2人だけに、その言葉には重みがありました。

Uki_7293

するとすっちーが「あと、唾かけもね」と、水玉れっぷう隊・ケンの唾ほとばしるセリフ回しのシーンに言及するひと幕も。「唾がなくなって(口の中が)カパかパになって、次の殺陣がしんどくなってしまった(笑)。そんな12日間でした」とケン。「殺陣はすごい運動量ですもんね」と清水がすかさずフォローしていました。

Uki_7297_2

福本愛菜は「本当に思い出に残る12日間でした。千姫という素敵な役をいただけて感謝していますし、すごくいい経験になりました。これからの新喜劇に生かしていけるようにがんばっていきたいと思います」と今後の意気込みにつなげていました。

Uki_7296_2

清水は「最後の見せ場のシーンはかなり力が入るシーンでした。あいにゃん(福本)が12日間の公演中、12回すべて本当に泣いてたんです。それが『すごいな』と思っていました」と、見せ場で福本の迫真の演技に清水も思わず目が潤んでいた様子。「でも、ぱっとふり返ったらドブスの淀殿(すっちー)がいるんで、毎回涙がサッと引いていました。力を10割出せなかったのはすっちーのせいちゃうかな、と(笑)。もし再演があるなら、すっちーの役を変えていただいたほうがいいかなと思いましたね」とチクリ。

Uki_7301

すっちーは「最初、こういう歴史ものをやるにあたってはすごく不安でした。新喜劇がこんなお芝居をするなら、ふんだんにお笑いを入れよう、と。『中途半端にならないように8割、9割お笑いで行きましょう』と言ってよかったなと思いました」と最初からの決意を語りました。「真剣なお芝居となると、他の劇団には勝てない。我々新喜劇が唯一勝てるところといえば、めちゃくちゃやって、崩して、唾とか飛ばして。(水玉れっぷう隊・ケンの)唾を飛ばすシーンは、最初はなかったものです。12日間やっているうちに生まれたこと」と、唾シーンの誕生を明かしました。「新喜劇って、いろんなことにチャレンジできるというのを改めて感じさせていただきました。そして、やはりお客さんに乗せられたといいますか、『あ、これで僕らは間違っていないんや』とお客さんに教えてもらいながらやってこれました」とも。12日間、どの日もお客さんに喜んで笑ってもらえたからこそ手ごたえを感じたようでした。さらにこの公演に向けて淀殿のお墓参りにも行ったというすっちー。「むちゃくちゃ崩した淀殿をやりましたので。千姫をいじめるシーンもあったんですが、事故なく12日間終われたということは、淀殿もそのへんは『そこまで崩していいよ。大阪をおもろい町にしてや』と見守ってくれたのかなと思います」と語りました。

Uki_7306

質疑応答では、10月1日の公演初日に、第二子が誕生したすっちーに質問が。「激動だったのではないですか?」と尋ねられたすっちーは、「よくわからないまま2人目の子供が生まれていて。初日や、なんや言うてね。あとでふり返ると、『子供が生まれたときに、そういえば淀殿をやっていたな』とすごく思い出に残るんやろうと思います」としみじみ。

「清水さんから誕生祝いはあったのですか?」という質問に対しては、「『おめでとう。こんなときに大変やな』とは言ってもらいましたね。最初から期待してなかったですけど...」と意味深な発言。新喜劇座長になり、さらに新たな家族を迎えたすっちーに対し、清水はすかさず「こんなにいろいろ手に入れている奴に、僕がなんでまだ何かを与えなあかんのですか! そろそろこの男には多少バチ当たってもいいと思いますよ!」とジェラシー(!?)。しかし、すっちーは自信満々で「バチは、当たりません!」と宣言。さらに「バチは、『バチが当たる』とか言う奴のところに降りかかるものです。(右頬を指さし)この辺に、でっかい緑色のデキモノがボーンとできます」と怪しい予言を。変な予言をされた清水は「テレビに出にくくなるからやめなさい、本当に!」と制していました。

続いて「初めての試みで、これだけ大勢の人をまとめるのに大変だったのでは?」という質問も。するとすっちーは、「まとめるというより、みんなで作ったという感じでした。水玉れっぷう隊さんは中盤にダンサーの方を交えてすごく雰囲気の違うシーンを作ってくださいました。序盤はいつもの新喜劇メンバーが持ちネタをふんだんに出しました。とくに中川さんはしつこいぐらいやっていて、日に日に長くなっていきましたし(笑)。本当にみんなで作っていったな、と。僕がまとめるのではなくて、みんなで同じ方向に向かっていった。全員で一緒に歩んだという感じでした」とふり返りました。

また、島田一の介がプロ野球クライマックスシリーズに夢中だったという話も。それだけに「一の介さんだけ千秋楽と言う感じではなかったのでは?」という質問も。すっちーは「常にあの人は浮ついているといいますか、今はクライマックスシリーズのことで頭がいっぱいです(笑)」と暴露。清水も「ほぼ毎晩、飲みに行ってましたしね。きっとラストシーンの殺陣で高揚して寝られへんのでしょう」とクライマックスシリーズの興奮はもとより、舞台の活躍に酔いしれていることを推測していました。

Uki_7312

また、公演発表会見で「4㎏太ってしまった」と語っていた福本に対し、すっちーが「(福本演じる)千姫をいびり倒すことでダイエットになれば」と語っていたこともあり、「効果はどうでしたか?」という質問も。福本は「12日間で2㎏痩せました!」とうれしい報告。「家に帰ってもごはんがのどを通らなくて。いろいろ考えちゃって、気づいたらメイクも落とさずに朝が来て...という日もありました」とのこと。それを受けてすっちーが「すごいと思いますよ。着物を着ているだけでけっこう大変ですし。役にもグッと入り込んでたんやね」と語るように、福本は千姫に熱を入れて演じたことを感じさせました。

とはいえ、すっちーはすぐさま「たぶん、すぐ5㎏リバウンドしますよ」と不穏な予言をしつつ、「新喜劇でもまれると強くなるよ」とエールを送りました。「ただ、一歩間違えると、浅香あき恵、末成由美のラインに乗っていきますので気を付けてください」とも。すかさず清水が「おふたりとも素晴らしい女優さんですよ!」とフォローしていました。

大盛況のうちに幕を下ろした「大坂の陣 新喜劇~『君臣豊楽』淀殿の見た夢~」。これからも吉本新喜劇は、お客さんを楽しく笑わせるべく、さまざまなことにチャレンジしていきます。皆様、これからも吉本新喜劇の応援をよろしくお願いします!